ホンダ:MotoGP 第14戦 アラゴンGP 決勝レポート
MotoGP 第14戦アラゴンGP決勝は、今季6度目のポールポジションから決勝に挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、予選の走りを見事に再現し、今季4勝目を挙げた。
マルク・マルケスは、オープニングラップはマーベリック・ビニャーレス(スズキ)に続いて2番手。2周目にはトップに浮上しするが、3周目にオーバーランを喫し5番手へとポジションを落とした。
このオーバーランで気持ちを落ち着かせたというマルケスは、それからしっかりタイヤの温度を上げることに集中して、ペースを上げていく。そして、5周目にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)、7周目にホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、10周目にビニャーレスをパス。12周目にはバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)を抜いてトップに浮上すると、それから着実に後続との差を広げ、23周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。
第9戦ドイツGP以来、5戦ぶりの優勝に喜びを爆発させるマルケス。後半戦に入ってから、タイヤの選択が決まらなかったり、不安定な天候に翻弄されるレースが続き、フラストレーションをためていたが、久しぶりの快走に満面の笑みを見せ、地元ファンも大喜びだった。
これで今大会2位、総合3位のホルヘ・ロレンソに66点差、今大会3位で総合2位のバレンティーノ・ロッシに52点のリードを築き、2年ぶり3回目のチャンピオンに向け、また、一歩前進した。
予選5番手のカル・クラッチロー(LCR Honda MotoGP)が、5位でフィニッシュした。今大会は、マルケス、ロレンソ、ロッシ、ビニャーレスのトップグループにはついていけなかった。その後方で、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)、ドヴィツィオーゾ、アレイシ・エスパルガロ(スズキ)とセカンドグループを形成。後半に入ると、ペドロサとの5位争いとなり、これに勝利。この結果、クラッチローは、総合8位から総合6位へと、ランキングを上げた。
クラッチローとし烈な5位争いを繰り広げたペドロサは6位だった。ペドロサは、終盤、タイヤの消耗でペースを落とし、エスパルガロとの厳しい戦いを経て、一時は7番手へとポジションを落としたが、最終ラップに逆転した。前戦サンマリノGPで今季初優勝を達成したペドロサは、今大会も好調をキープし、フリー走行では快調にラップを刻んだが、決勝では苦戦を強いられることになった。
右手首の負傷で欠場のジャック・ミラーの代役として出場したニッキー・ヘイデン(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、予選19番手から15位でフィニッシュして、ポイントを獲得した。今季初めて乗るマシンへの慣熟走行に、多くの時間を費やすことになったヘイデンだが、決勝に向けて着実にペースを上げることに成功した。チームメートのティト・ラバトは、ホームGPに闘志を燃やしていたが、17周目の5コーナーで転倒、リタイアに終わった。
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「ホームグランプリであり、そして大好きなサーキットで優勝することができて、とてもうれしいです。このグランプリを待ち望んでいました。ここはアタックしたいコースであり、勝てると思うサーキットの1つです。今回の優勝は重要ですが、戦いはまだまだ続きます。昨日も言ったように、レースではどんなことも起こりえます。3周目の7コーナーで転倒しなかったのは奇跡でした。その時に、少しリラックスしようと思い、正確に、そして正しいところでブレーキングをするという練習のメンタルに戻しました。このおかげで、おもしろいレースになりました。序盤はオーバーテイクが多かったし、後半はバレンティーノとのギャップを広げることができました。これは大事なことでした。ここ数戦、バレンティーノはポイントを縮めてきていたし、それを止めたいと思っていました。そうしなければ、さらに彼がやる気を出すことになります。アドバンテージをさらに広げることができました。表彰台に上がることができて、とてもうれしかったです。弟のアレックスが初のMoto2での表彰台に登壇したことは、もっとうれしい出来事でした」
カル・クラッチロー(MotoGP 5位)
「リアタイヤがいいフィーリングになるまで苦戦しました。これはレースウイークを通して問題となっていた部分で、ダニやドヴィツィオーゾ、(アレイシ)エスパルガロにつかまってしまいました。序盤、彼らとバトルをすることになりましたが、ダニは、コーナー出口の加速が僕より少しよかったので抜けませんでした。終盤、やっといいペースになりましたが遅すぎました。LCR Honda MotoGPは、今週とてもいい仕事をしてくれました。昨日はフロントローを獲得できると思っていましたが、ミスをしてしまいました。そして今日は表彰台に立てると思っていましたが、トップグループについていけませんでした。MotoGPクラスでは、後方から上がっていくのは大変です。でも楽しいレースでした。アラゴンでトップ5というのは悪くはありません。もちろん、表彰台に立ちたかったですが、全体的に満足しています」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 6位)
「残念ながら、今日はいい結果を出すことができませんでした。難しいレースでした。レース序盤からグリップがなく、コーナーの出口でうまく立ち上がれませんでした。それが序盤の一番の問題でした。コーナーでスロットルを開けることができず、前のライダーたちに引き離されてしまいました。できる限りのことはしましたが、その後、フロントタイヤにも問題が出始めました。挙動が出始めて、レース終盤は何か問題があるのは明らかでした。クラッチローと戦おうとしましたが、できませんでした。とにかく、完走することを考えて走りました」
ニッキー・ヘイデン(MotoGP 15位)
「今週で一番の走りができました。このマシンを乗りこなすのに、思ったよりも時間がかかりました。特にフロントタイヤには時間がかかりました。レースでは金曜日に僕より2秒も速かった(ミケーレ)ピロや(ヘクター)バルベラ、そして(ユージン)ラバティ(3選手ともドゥカティ)とバトルができました。周回するごとに感触がよくなりました。テストをしないで走るのは非常に難しいということはわかっていましたが、全力を尽くしました。いい経験になりました。このような機会を与えてくれたチーム、Estrella Galicia 0,0 Marc VDSに感謝しています。このようなすばらしいチームと仕事ができて、誇りに思っています」
ティト・ラバト(MotoGP リタイア)
「気温が低い朝のウォームアップで転倒したため、自信はあまりありませんでした。スタートは悪く、最初の2周はかなり慎重になっていました。フロントタイヤの感触をつかめないことが心配だったからです。リズムをつかんでからは、かなり快適になりペースも上がりました。しかし、またフロントから転倒してしまいました。今日はポイント圏内でフィニッシュできたと思うので残念です。フロントの感触をよくするために調整が必要なことは明らかです。ミサノではフロントから3度転倒しました。ここアラゴンでも同じことが起きています。何かがおかしいのではないかと思います。解決策を見つけるために、引き続き仕事に取り組まなければなりません」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / MotoGP
マルク・マルケスは、オープニングラップはマーベリック・ビニャーレス(スズキ)に続いて2番手。2周目にはトップに浮上しするが、3周目にオーバーランを喫し5番手へとポジションを落とした。
このオーバーランで気持ちを落ち着かせたというマルケスは、それからしっかりタイヤの温度を上げることに集中して、ペースを上げていく。そして、5周目にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)、7周目にホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、10周目にビニャーレスをパス。12周目にはバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)を抜いてトップに浮上すると、それから着実に後続との差を広げ、23周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。
第9戦ドイツGP以来、5戦ぶりの優勝に喜びを爆発させるマルケス。後半戦に入ってから、タイヤの選択が決まらなかったり、不安定な天候に翻弄されるレースが続き、フラストレーションをためていたが、久しぶりの快走に満面の笑みを見せ、地元ファンも大喜びだった。
これで今大会2位、総合3位のホルヘ・ロレンソに66点差、今大会3位で総合2位のバレンティーノ・ロッシに52点のリードを築き、2年ぶり3回目のチャンピオンに向け、また、一歩前進した。
予選5番手のカル・クラッチロー(LCR Honda MotoGP)が、5位でフィニッシュした。今大会は、マルケス、ロレンソ、ロッシ、ビニャーレスのトップグループにはついていけなかった。その後方で、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)、ドヴィツィオーゾ、アレイシ・エスパルガロ(スズキ)とセカンドグループを形成。後半に入ると、ペドロサとの5位争いとなり、これに勝利。この結果、クラッチローは、総合8位から総合6位へと、ランキングを上げた。
クラッチローとし烈な5位争いを繰り広げたペドロサは6位だった。ペドロサは、終盤、タイヤの消耗でペースを落とし、エスパルガロとの厳しい戦いを経て、一時は7番手へとポジションを落としたが、最終ラップに逆転した。前戦サンマリノGPで今季初優勝を達成したペドロサは、今大会も好調をキープし、フリー走行では快調にラップを刻んだが、決勝では苦戦を強いられることになった。
右手首の負傷で欠場のジャック・ミラーの代役として出場したニッキー・ヘイデン(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、予選19番手から15位でフィニッシュして、ポイントを獲得した。今季初めて乗るマシンへの慣熟走行に、多くの時間を費やすことになったヘイデンだが、決勝に向けて着実にペースを上げることに成功した。チームメートのティト・ラバトは、ホームGPに闘志を燃やしていたが、17周目の5コーナーで転倒、リタイアに終わった。
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「ホームグランプリであり、そして大好きなサーキットで優勝することができて、とてもうれしいです。このグランプリを待ち望んでいました。ここはアタックしたいコースであり、勝てると思うサーキットの1つです。今回の優勝は重要ですが、戦いはまだまだ続きます。昨日も言ったように、レースではどんなことも起こりえます。3周目の7コーナーで転倒しなかったのは奇跡でした。その時に、少しリラックスしようと思い、正確に、そして正しいところでブレーキングをするという練習のメンタルに戻しました。このおかげで、おもしろいレースになりました。序盤はオーバーテイクが多かったし、後半はバレンティーノとのギャップを広げることができました。これは大事なことでした。ここ数戦、バレンティーノはポイントを縮めてきていたし、それを止めたいと思っていました。そうしなければ、さらに彼がやる気を出すことになります。アドバンテージをさらに広げることができました。表彰台に上がることができて、とてもうれしかったです。弟のアレックスが初のMoto2での表彰台に登壇したことは、もっとうれしい出来事でした」
カル・クラッチロー(MotoGP 5位)
「リアタイヤがいいフィーリングになるまで苦戦しました。これはレースウイークを通して問題となっていた部分で、ダニやドヴィツィオーゾ、(アレイシ)エスパルガロにつかまってしまいました。序盤、彼らとバトルをすることになりましたが、ダニは、コーナー出口の加速が僕より少しよかったので抜けませんでした。終盤、やっといいペースになりましたが遅すぎました。LCR Honda MotoGPは、今週とてもいい仕事をしてくれました。昨日はフロントローを獲得できると思っていましたが、ミスをしてしまいました。そして今日は表彰台に立てると思っていましたが、トップグループについていけませんでした。MotoGPクラスでは、後方から上がっていくのは大変です。でも楽しいレースでした。アラゴンでトップ5というのは悪くはありません。もちろん、表彰台に立ちたかったですが、全体的に満足しています」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 6位)
「残念ながら、今日はいい結果を出すことができませんでした。難しいレースでした。レース序盤からグリップがなく、コーナーの出口でうまく立ち上がれませんでした。それが序盤の一番の問題でした。コーナーでスロットルを開けることができず、前のライダーたちに引き離されてしまいました。できる限りのことはしましたが、その後、フロントタイヤにも問題が出始めました。挙動が出始めて、レース終盤は何か問題があるのは明らかでした。クラッチローと戦おうとしましたが、できませんでした。とにかく、完走することを考えて走りました」
ニッキー・ヘイデン(MotoGP 15位)
「今週で一番の走りができました。このマシンを乗りこなすのに、思ったよりも時間がかかりました。特にフロントタイヤには時間がかかりました。レースでは金曜日に僕より2秒も速かった(ミケーレ)ピロや(ヘクター)バルベラ、そして(ユージン)ラバティ(3選手ともドゥカティ)とバトルができました。周回するごとに感触がよくなりました。テストをしないで走るのは非常に難しいということはわかっていましたが、全力を尽くしました。いい経験になりました。このような機会を与えてくれたチーム、Estrella Galicia 0,0 Marc VDSに感謝しています。このようなすばらしいチームと仕事ができて、誇りに思っています」
ティト・ラバト(MotoGP リタイア)
「気温が低い朝のウォームアップで転倒したため、自信はあまりありませんでした。スタートは悪く、最初の2周はかなり慎重になっていました。フロントタイヤの感触をつかめないことが心配だったからです。リズムをつかんでからは、かなり快適になりペースも上がりました。しかし、またフロントから転倒してしまいました。今日はポイント圏内でフィニッシュできたと思うので残念です。フロントの感触をよくするために調整が必要なことは明らかです。ミサノではフロントから3度転倒しました。ここアラゴンでも同じことが起きています。何かがおかしいのではないかと思います。解決策を見つけるために、引き続き仕事に取り組まなければなりません」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / MotoGP