ホンダF1:2021年 第18戦 F1メキシコGP 予選レポート
エルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われたF1メキシコGPの予選では、ホンダF1パワーユニット勢4台がすべてQ3へ進出し、明日は3台がトップ5からのスタートとなる。

Q1は、序盤にランス・ストロール(アストンマーティン)が最終コーナーでクラッシュしたことにより、赤旗中断となる。幸いにもドライバーは無事でしたが、バリアの修復に時間がかかり、20分以上にわたる中断を経て、セッションが再開。

その後、マックス・フェルスタッペンが1回のみのアタックで3番手、ピエール・ガスリーが4番手、セルジオ・ペレスが6番手、角田裕毅が7番手と、全車がスムーズに突破を果たす。

Q2では、決勝のスタートタイヤを考慮して、多くのマシンがミディアムタイヤを使用。ここではフェルスタッペンが圧倒的なペースを見せてトップタイムをマーク。同じくミディアムタイヤで臨んだペレスは7番手、チームメートのトウ(スリップストリーム)を受けて走ったガスリーが5番手となる。

PU交換によるグリッド降格ペナルティーが決まっていた角田は、ソフトタイヤでQ2に臨み、3番手タイムとなった。

Q3では、2回目のアタックでフェルスタッペンの目前を走行していたペレスが、ターン10でさらに前を走っていた角田の走りに影響されてオーバーランを喫し、それを見たフェルスタッペンはアクセルを緩める。これによって2台ともに自己ベストタイムを更新できなかったものの、フェルスタッペンが3番手、ペレスが4番手でともに2列目スタートを確保した。

ガスリーは、レッドブルとメルセデスに次ぐ5番グリッドを獲得。角田は9番手となったが、ペナルティーを受けてグリッド降格により後方からのスタート。他に降格となるドライバーの予選順位を上回ったため、明日は17番手スタートとなる。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のメキシコGP予選は、ホンダ勢の4台がQ3に進出し、レッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手が3番手、ペレス選手が4番手と揃ってセカンドローを獲得しました。FP3までと比較して、ライバルが予選で大きくタイムアップをしてきたことや、2台ともにQ3最後のアタックでクリーンなラップを走れなかったことにより、やや難しいセッションになったとも思っています。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は、昨日から調子のよさを見せており、今日の予選でもトップの2チームに次ぐ5番手と、いいポジションを得ることができています。PU交換のペナルティーによりグリッド降格が決まっている角田選手は、同様にペナルティーを受ける他のマシンよりも前でスタートすべく予選を戦い、3戦連続でQ3に進出して9番手のポジションを確保しました。マシンのペースはよいので、明日のレースでは多くのオーバーテイクが見られることを期待しています。このコースは1ラップの距離が短く、レースは71ラップとタフな戦いになりますが、ホンダ PUを搭載した4台のマシンがレースを最後まで全力で走り抜けるよう、準備を進めます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「今日はタイヤを機能させるのにとても苦戦して、あちこちでスライドしていたので、3番手という結果は悪くありません。Q3の最初のアタックは最高の形ではなかったので、メルセデスとの差を見て妥当なものだと思いました。マシンのバランスをさらに向上させる必要があったので、いくつか変更を試みましたし、Q3の2回目のアタックはまずまずでした。前方で何が起きたのはよく分かりませんが、チェコ(ペレス)とユウキがワイドに膨らんで埃が舞い上がるのが見えたので、クラッシュが起きたのだと思いました。このコースでは以前にイエローフラッグ違反を取られたこともあったので、スローダウンしましたが、それで勢いもタイムも失ってしまいました。今週末はずっと競争力があったので、フロントロー独占ができずに残念です。明日はまた違う日なので、エキサイティングなレースになればと思いますし、最初のコーナーまで距離があるので、そこで何が起きるか見ていきましょう」

セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「リアウイングに変更を施したことで、マシンはFP3と同じ状態ではなかったのですが、セッション中に調整して最適な状態になっていました。ターン11で、前を走っていたユウキが突然コースオフして、最後のアタックが阻まれてしまいました。彼がおかしかったわけではなく、僕が近づきすぎていたので、ブレーキをかけざるを得ませんでした。そこでダウンフォースを失いましたが、不運にも多くのダーティーエア(前方からの乱気流)を浴びてコントロールを失って最後のアタックもできなくなってしまったのだと思います。予選を通してペースはあまりよくありませんでしたが、最後のアタックに向かうまでに改善できており、その前のアタックでもタイムは上がっていましたし、最後はコンマ数秒向上できたと思います。明日のレースに向けていいマシンに仕上げ、前を行くメルセデス勢にプレッシャーをかけるためにも、チーム全体で分析しなければなりません。明日はグリッドの位置よりもスタートのほうが重要だと思いますし、長いレースになるので上位を目指していきます。希望は持っていますし、ファンの皆さんにも楽しんでもらえればと思います。観衆は本当に素晴らしく、たくさんの愛情とサポートを届けてくれます。今は明日が楽しみですし、みんなとポディウムで一緒に祝福できればと思うので、全力を尽くします」

ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「今日もいい結果が出せて5番手というのはとてもうれしいです。チームは素晴らしい仕事でマシンを向上させ、それが上手く機能していました。このレースウイークではとても力強さを感じています。予選では全力を尽くし、6番手に0.3秒差で終えることができました。ユウキもとてもいい結果でしたし、Q3では僕にトウを与えて助けてくれました。明日もいい位置でフィニッシュできればと思います。自分たちのことに集中して、ここメキシコでできるだけ多くのポイントを獲得すべくトライしていきます」

角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「今日の全体的なパフォーマンスに満足しています。明日のレースではペナルティーが決まっているので、予選での目標はチームメートを手助けすることでした。チャンピオンシップでの5位争いが続いている中、チームとして本当にいい仕事ができたと思います。今週末はいいペースを見せられているので、明日はポイント獲得に向けて追い上げを目指していきます」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1メキシコGP / スクーデリア・アルファタウリ