フェラーリF1 マカレナ型リアウイングに誤算 バランス問題で再設計
フェラーリは現在、SF-26の最大の弱点解消に向けて、新たな「マカレナ型」リアウイングの開発を急いでいる。バーレーンで初披露された革新的コンセプトは期待を集めたが、中国GPでの走行データによってレース投入には至らない課題が明らかとなった。

5週間の中断期間を活用し、フェラーリはイタリアGPの舞台モンツァでフィルミングデーを実施予定だ。ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールはここで改良版パーツをテストし、マイアミGPでの投入可否を判断する見通しとなっている。

今回のアップデートの中核にあるのが、いわゆる「Bスペック」となるマカレナ型リアウイングだ。フェラーリはこのウイングの構造仕様の見直しと軽量化を同時に進めており、単なる空力改善ではなく信頼性確保が主目的となっている。

プレシーズンテストで登場した初期仕様は、中国GPのプラクティスでも使用されたが、バランス面で深刻な問題を露呈した。特にコーナー進入時のブレーキングと旋回が重なる場面でリアの安定性を欠き、ドライバーにとって扱いが難しい特性となっていた。

この挙動は単なるセットアップの問題ではなく、リアウイング自体の空力特性と構造の相互作用によるものと見られており、フェラーリが日本GPで使用を見送った判断は妥当だったといえる。

そのため現在の開発は、「使える速さ」を実現するための段階に入っている。フェラーリは当初、この新ウイングのレース投入をカナダGPに設定していたが、開発を前倒ししマイアミGPでの実戦投入を狙っている。

スクーデリア・フェラーリ

ただし、マイアミはスプリントフォーマットのためプラクティスは1回のみとなる。さらにバーレーンとサウジアラビアの中止によって走行機会も減少しており、モンツァでのフィルミングデーは極めて重要な検証機会となる。

今回のアップデートはリアウイング単体にとどまらない。フロアの改良によるダウンフォース強化、細部の空力アップデート、さらには車体重量の削減も同時に進められている。

加えて、フェラーリはパワーユニットのソフトウェア面にも大幅な見直しを加えている。現状のSF-26はストレート終盤でエネルギーが尽きる「スーパークラッピング」の影響を強く受けており、これが最高速とレースペースの両面で足かせとなっている。

この問題は2026年F1レギュレーション全体に共通する課題でもあるが、フェラーリの場合は特に顕著であり、ソフトウェア最適化による改善は急務となっている。

開幕から好スタートを切ったとはいえ、メルセデスとの差は依然として明確だ。ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリが勝利を重ねる中、フェラーリがタイトル争いに踏みとどまるためには、このアップデートパッケージの成否が大きな分岐点となる。

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ