ホンダF1 田辺豊治TD 会見 「勝利を逃したのは残念。展開的にも悔しい」 / F1バーレーンGP決勝
ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2021年のF1世界選手権 開幕戦 F1バーレーンGPの決勝を振り返った。

前日の予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がホンダF1エンジンに30年ぶりに開幕ポールポジションをもらたした。ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)も5番グリッドにつけ、二人ともミディアムタイヤでのスタートでレースへの期待が高まった。

しかし、決勝ではマックス・フェルスタッペンがメルセデスF1との2名のドライバーとの戦略を絡めた戦いを余儀なくされて2位でフィニッシュ。ピエール・ガスリーは序盤のクラッシュでフロアにダメージを負ってリタイアとなった。

「勝利を逃したのは非常に残念です。展開的にもちょっと悔しいところもありました」と田辺豊治はコメント。

「その一方で、今年の初戦で終始トップ争いを展開でパフォーマンスを見られた。見せられたのは非常にポジティブに捉えています。シーズンスタートとしては、非常にいいレースだったと思っています」

フォーメーションラップでは、レッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスのマシンがシャットダウンするという問題が発生した。

「ペレス選手ですが、これから細かくところを解析してきます」と田辺豊治はコメント。

「スタート前のフォーメーションラップでクルマの電源が落ちてストップしたことで、もうこれで実際おしまいかなと思ったのですが、復活してピットレーンスタートを切ることができました。レース中も最後尾から全車追いかけて、オーバーテイクして、最終的には5位という非常に力強いレースをしてくれました。これもポジティブな結果だったと思います」

「デビュー戦の角田選手ですが、13位スタートから9位フィニッシュとミッドフィールドの非常に厳しい戦いの中、オーバーテイクを見せました。最後の最後に1つポジションを上げて9位に入りました。今回のレースで、金曜の練習走行、土曜の予選、日曜の本選と、彼としていろいろと学べたのではないでしょうか。きちんと仕事をして、今日の完走および印象に結びついたので、これも非常にポジティブな結果だったと思います」

「ガスリー選手は接触があって大きく遅れてしまった。その後にもトラブルがあって、最終的にはリタイアしました。残念でしたが、予選ではミディアムタイヤでQ2を突破しています。アルファタウリのクルマのポテンシャルは、そういう作戦に出ること自体厳しいミドルフィールドの中にいます。でした、プラクティスからQ1までの自分たちのポテンシャルでQ2をミディアムで突破できる自信がありました」

「考えてみれば、昨年のアルファタウリはミディアムでQ2をというところにいってなかったので、今年のスタートとしては非常によいことと思います」

「今日は終始トップ争いができた。アルファタウリも非常にいい走りができた。ですが、当然、敵も止まってはいません、私たちとしては、当たり前のことのようですけども、さらに開発の手を休めることなく進め、これから第2戦、それ以降に向けていきたいと思っています」

今年、レッドブルにはセルジオ・ペレスが加入したが、開幕戦では前述の通りにピットレーンスタートなり、2台のメルセデスに対してマックス・フェルスタッペンは1台での孤軍奮闘という昨年と同じ状況になった。

「ペレス選手が後方に下がってしまったこともあり、メルセデスは2台で戦略を分けることができました。しかも、メルセデスは元々戦略面が強いチームです。2対1の対決になってしまったことで、我々はポールポジションを獲ったものの、1台のストラテジーに反応してしまうと、もう1台にカバーされてしまう。チームとしては気を遣うレースになったと思います。そういう部分で、メルセデスに上に行かれてしまった」

「今回はやられてしまったという感じです。できることはやりましたし、チームの判断も最適だったと思います。でも、結果に表れなかったという意味では、まだまだ足りなかったということでしょう。そういう意味では100%満足かと言われると、そうではないです」

今年は史上最多の23戦が組まれているが、メルセデスとのギャップが縮まったことで、パワーユニットの運用に変化はあるのか。

「今回のデータを見直して、考えていきたいと思います」と田辺豊治はコメント。

「今回どれくらい消耗したのか、そして、サーキットごとのパワーセンシティビリティなどを見ながら使っていくことになると思います。ただ、無鉄砲に出力を引き上げることはありません」

「今日のレースを見ると、去年までとは違うと思います。去年は全ての歯車が噛み合った時にだけメルセデスに勝つことができました。去年のメルセデスとの差を考えると、今年は良いポジションにいなと感じています」

また、今季型のホンダF1の“新骨格”のパワーユニットについて田辺豊治は改めてその効果を説明した。

「この新骨格のエンジンは、カムシャフトの位置を変えたことで、全高が低く、コンパクトになっています。これにより、マシンの中の空気の流れ、つまりエアロダイナミクスに貢献した形になっていると思います」

「(エイドリアン)ニューウェイさんからは、コンパクトなPUになり、マシンへの搭載の面で貢献してくれてありがとうという言葉をいただいています。車体を作る上で、我々の新骨格が寄与しているのは明らかなようです」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / スクーデリア・アルファタウリ