ホンダF1:2020年 F1トルコGP 予選レポート
赤旗中断になりながらも行われた波乱のF1トルコGP予選セッションにて、マックス・フェルスタッペンはあと一歩のところでポールポジションを逃したが、2番手のポジションを獲得した。アルボンが4番手となり、アストンマーティン・レッドブル・レーシングの2台がイスタンブール・パークサーキットで迎える決勝のトップ4内からスタートすることになる。

降雨の影響により70分も要したQ1セッションだったが、セッション開始後インターミディエートタイヤでの走行中に路面はフルウエットへと転じ、大雨のため危険と判断され1時間近くもセッションが中断された。セッションは残り約7分の状態からスタート。ロマン・グロージャン(ハース)がT1でコースアウトし再び赤旗が提示されると、誰もアタックができていない状況になる。セッションは残り3分半の状況で再度再開。緊張感高まる終盤に、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのクビアトがT3でスピンをしてしまい、残念ながらQ1にて敗退が決定となった。

Q2は時間通りに行われたが、インターミディエートタイヤとウエットタイヤを選択するチームが分かれる難しいセッションとなった。フェルスタッペンとアルボンはQ2をトップ1-2で通過。しかしガスリーは雨で気温も低いコンディションでタイヤが十分に機能させられず、15番でQ2敗退が決定した。

トップ10を決めるQ3で、フェルスタッペンは序盤からトップタイムをマーク。このレースウイークでの各セッションのトップタイムとなったフェルスタッペンに、ポールポジションの期待がかかった。しかし他チームのマシンがインターミディエートタイヤに変更しタイムを出しはじめると、フェルスタッペンも同じくインターミディエートへの変更を決断した。フェルスタッペンはトラフィックに引っかかりながらも健闘をみせたが、わずか0.3秒の差でポールポジションの座を逃した。

明日の決勝ではフェルスタッペンはポールポジションのランス・ストロール(レーシングポイント)の背後2番手からスタート。Q3終盤に自己ベストタイムを更新したアルボンは、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)に並んで2列目4番手からスタートとなり、レッドブル・レーシングの2台にとっていい決勝スタート位置となった。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「トルコGPの2日目は、雨に大きく影響された一日となりました。 午前中は小降りの雨の中でFP3がスタートし、各車最低限の走行で終了しました。予選前に雨は一時上がったものの、Q1開始直後から雨脚が強くなり赤旗で中断。その後も降ったり止んだりという難しい路面コンディションでの走行となり、チームとドライバーにとっても状況に応じた迅速な判断が求められるセッションでした。アストンマーティン・レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手が昨日のFP1から今日のQ2まですべてのセッションをトップで終えていたことを考えると、予選結果については悔しい気持ちもありますが、フェルスタッペン選手2番手、アルボン選手4番手というポジションはレースに向けて非常にポジティブだと思っています。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの2台についてはクビアト選手はスピンを喫してQ1敗退。ガスリー選手も15番手と予選としては残念な結果となりましたが、レッドブルの2台と合わせて、明日はいいレースを期待しています。大切なのはレースの結果です。4台ともにポジションを上げてフィニッシュできるよう、不安定な天候への対応などの検討を含めて準備を進めて臨みます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
「正直、予選の結果が2番手となりとても残念です。いいポジションにも関わらずこのようなことを言うのは少しおかしく聞こえるかもしれません。しかし、どのセッションも大きく差をつけてトップタイムを出していたので、ポールポジション獲得への期待は大きく、叶えることができなかったショックはその分大きく感じています。フルウエットのコンディションでは問題がなかったタイヤも、インターミディエートタイヤを装着するとライバルと比べてうまく発動させることができませんでした。キミ(ライコネン)の後ろに引っかかってしまったのも問題でしたが、それ以前にタイヤ面で解明しなくてはならない問題があります。皆さんも知っている通り、僕はいつもベストの結果を目指し、自分のベストを尽くしているので、2番手という結果を喜ぶことができません。しかし変えられない結果だということも理解しています。いつも自分が望む結果が出せるというわけではない、というのがレースであり、自分が満足するためにはどのようなコンディションでも最大限の結果を出していくしかありません。予選でのポイントを獲得できるわけではないですし、マシンはいいペースで走行できています。明日の決勝はさらにいい結果につなげて、僕たちの実力を証明できる一戦になることを願っています」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・レーシング)
「予選4番手は十分いい結果ですが、このレースウイークで力強さをみせていたので残念な部分もあります。FP1でのマシンの感触やペースは驚くほどよかったため、今日の状態にはあまり納得がいっていません。今日はタイヤを機能させられるかどうかがカギとなり、Q3のインターミディエートタイヤでの走行時にとても苦戦しました。インターミディエートタイヤをうまく使ったレーシングポイントの2台が予想外の速さをみせたQ3でしたが、その中でも2列目4番からのグリッドポジションを獲得でき、明日の決勝に期待をしています。自分サイドのガレージでいくつかのことを試した結果、自信を持つことができました。このようなコンディションの中レースをするのに必要なのは、自信を持って臨むことです。いいペースでこのレースウイークを進んできているので、引き続き明日の決勝もいいレースにできるよう戦います」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「今日はとても残念な一日になりました。コンディションが通常と異なる中で、ウエットでも速さがあると思っていたのですが、きちんとタイヤを機能させることができませんでした。あらゆるところで滑ってしまい、タイヤの熱を適正レンジにコントロールできなかったと思います。明日のレースが似たようなコンディションになることも想定し、ここから多くのことをレビューし、理解する必要があります。明日は懸命にプッシュし、ポイント獲得のためにポジションを上げていきたいと思います。」

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「今日は僕たちにとっていい日ではなかったですし、自分自身にがっかりしています。1周目でミスを犯し、すべきではないところでスピンを喫してしまいました。結果的にそれで予選が終わってしまいました。プッシュをしていたこともあり、トラックをはみ出さないように走ることが難しく、特にリアのコントロールに苦労しました。今日の僕たちはきちんとタイヤを機能させることができなかったのですが、驚くほどにグリップが低い特殊な状況でしたし、今日のようなコンディションでのドライブは通常ではあまり考えられません。ただ、それはどのドライバーにも同じことですし、自分が思うようなドライビングができなかったことも事実です。明日もウエットとドライが入り混じったような予報なので、あらゆることが起こりうると思います。僕らはただプッシュを続けるのみです」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1