ホンダF1:2020年 F1エミリア・ロマーニャGP 予選レポート
イモラ・サーキットで開催されているF1エミリア・ロマーニャGPの初日の土曜日、ホンダ PUを搭載したレッドブル・レーシングとアルファタウリ・ホンダの4台は、1日を通して全てのセッションでトップ10入りを果たし、好調ぶりを見せた。

2日開催という変則的な開催形式のF1エミリア・ロマーニャGPは、予選前の唯一の走行機会となる90分間のFPからはじまり、チームは慌ただしく予選へ向けての準備を進めることになった。

スクーデリア・アルファタウリがいいペースを見せたFPでは、フェルスタッペンが2番手、ガスリーは4番手、続いてクビアトが8番手、アルボンは9番手となり、Honda PUを搭載した4台全てが9番手以内という結果を納めた。

金曜の走行がなかったため予選開始の路面はまだ十分にラバーがのっていなかったものの、4人のドライバーは無事にQ1を突破しQ2へと進出した。 Q2ではフェルスタッペンが電装系パーツの交換が必要になるトラブルが発生。チームとホンダのメカニックによる素晴らしい働きにより、マシンをギリギリのところでコース上に復帰させることに成功した。

アタックラップ1周のみのチャンスにも関わらず、フェルスタッペンはミディアムタイヤで素晴らしい走りを見せ、6番手をマークしQ3進出を叶えたと同時に、決勝はミディアムタイヤでのスタートとなった。

スピンしてしまったアルボンは、最後に残された1周のチャンスをQ3へと繋げるため、ソフトタイヤを使用し4番手をマークした。アルボンの1つ前のポジションでQ2を突破したガスリーも力強さを見せたセッションとなり、チームメートのクビアトも8番手でQ3進出となった。スクーデリア・アルファタウリの2台はソフトタイヤを使用していたため、決勝はソフトタイヤでのスタートとなる。4台全てがトップ10入りすることができたのは、昨シーズンのメキシコGP以来となった。

メルセデス勢に迫る勢いをみせたフェルスタッペンは、Q3の最後に大きくタイムアップをし、3番手グリッドを獲得した。同じく2列目からスタートするのはF1キャリアベストタイの素晴らしい予選結果だったガスリーで、決勝グリッド4番手を獲得することができた。予選4番手は、ホンダが2018年にトロロッソ(現スクーデリア・アルファタウリ)とのパートナーシップ締結以降での予選最高位となる。

アルボンはグリッド6番手を獲得し、僅か0.2秒に満たない差で8番手となったクビアトは、今シーズンの予選ベストリザルトを納めることができた。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「2日間開催となったエミリア・ロマーニャGP初日は、午前中のフリープラクティス90分でマシンとPUの最適化を行い、午後には予選を戦うという忙しい一日になりました。短時間でセットアップを煮詰めなければならず、車体・PUともに事前の準備も含めて簡単ではありませんでした。そのような中でも、午後の予選ではホームグランプリとなったスクーデリア・アルファタウリ・ホンダの2台がそろって今季ベストリザルトを獲得し、ホンダとしても昨年のメキシコGPの以来の4台揃ってQ3進出と、いい結果を残すことができました。アストンマーティン・レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手は、Q2で電装系のトラブルにより部品交換を余儀なくされ1度のみのタイムアタックになりましたが、きっちりQ3進出を果たして3番グリッドを獲得。作業に当たったチームとホンダのメカニックがいい仕事をしてくれました。スクーデリア・アルファタウリのガスリー選手はここのところの好調を維持し自身のキャリア最高に並ぶ4番手獲得と、素晴らしい走りでした。明日、ホンダ PUを搭載した2台のマシンが2列目のグリッドからレースをスタートすることを楽しみにしています。また、レッドブル・レーシングのアルボン選手が6番手、スクーデリア・アルファタウリのクビアト選手が今年初のQ3進出で8番手と、それぞれ明日に向けて期待を持てる結果になりました。4台入賞が可能なポジションですので、きっちりとレースを走り切り、2チームともにポジティブな結果で終われるようにここからも最大限プッシュを続けていきます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
「Q2で起きたトラブルでリズムが崩れ、若干慌ただしい予選でした。いつもなら予選では、あとどれぐらいタイムアップができそうかが分かっていて、それに向けて徐々にペースを上げていけるのですが、今日はそうもいきませんでした。なぜならQ2でミディアムタイヤを装着した状態で、Q3進出を賭けてたったの1周で決めなくてはならなかったのです。そのあとのQ3では、ソフトタイヤでの情報が少なかったため前半は少し苦戦をしました。3番手という結果は僕たちが叶えることができた最高位の結果だったと思います。メルセデス勢に勝てるとは思ってはいませんでしたが、もしスムーズに予選を進められていれば、その差はもっと縮めることができたのではないかと思います。セッション後にメカニックたちには感謝を伝えました。再び彼らの素晴らしい作業に助けられ、無事にQ2に戻ることができました。例え不可能な状況に見える時でも、彼らはいつもベストを尽くしてくれて、とても誇りに思います。このサーキットは走るのがとても楽しいコースです。F1マシンが走行するには狭いサーキットなのではと思いましたが、そんなことはなかったようです。明日はいいレースができるよう願っています」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「今朝はとても忙しいセッションからスタートしました。たった1時間30分という短いFPで、カバーしなくてはならないことがとても多かったのですが、走り出し1周目からマシンのバランスや感触はとてもよかったです。日曜日の決勝中のタイヤの摩耗具合を予測するため、何周かロングランを走行しました。終盤にはソフトタイヤでいいパフォーマンスを見つけ出すことができました。十分に戦える感触があったので、予選には自信を持って挑むことができました。ここに来る前にも言いましたが、このサーキットはとても素晴らしいサーキットです。予選で少ない燃料搭載量で走った時の感覚は、本当に素晴らしかったですし、僕のF1キャリアで一番の予選アタックをすることができました。僕のキャリア最高位となる決勝スタートグリッド4番手を、このイモラ・サーキットで獲得することができとても嬉しいです。チームはここイタリアで速さをみせることができています! 決勝レースでの課題は多くありますが、メルセデス勢とマックス(フェルスタッペン)の背後というとてもいいポジションからのスタートとなるので、まずはスタートでポジションをキープし決勝を進めていきたいと思います。セッションのタイムシートを見ると決勝は僅差の争いとなりそうなので、今からとても楽しみです」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・レーシング)
「とても僅差の予選で、僅か0.1秒の差で4番手を逃し、6番手という結果になりました。総合的に悪くない予選セッションでしたし、6番手スタートからいいレースにしていけると思います。予選は最初難しかったのですが、徐々にコンディションはよくなっていきました。Q3でトラックリミットをオーバーし、タイムが抹消となってしまいました。Q3のファイナルラップは常にリスクとチャンスと背中合わせです。もしあの時タイムをすでに出せていたら、リスクを負ってさらにプッシュをしていたと思いますが、そこまでタイムを伸ばすことができませんでした。狭いコース幅とタイヤのデグラデーションによって、明日の決勝でのオーバーテイクは難しいかもしれません。しかし、皆にとって新しいサーキットであり、誰にとっても未知数なことばかりだと思うので、明日の決勝がどうなるか楽しみです」

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「予想していたとおり、今朝のFPはとても忙しい時間になりました。リズムを掴むために、走行を重ね色々なことを試しました。予選での自分のラップには満足しています。とても僅差の戦いとなり、セッション終盤でのマージンはさほどありませんでした。0.15秒ほどミスをしなければ、もっといい結果となったはずですが、それでもこの予選での自分の走行には文句はありません。今日の走行から、トラックリミットには注意しなくてはならないと思いました。グラベルまでワイドにはみ出してしまうとペナルティーとなるオールドスクールなサーキットは、僕自身好きなタイプのコースです。Q3ではようやくリミットギリギリまで攻めることができました。明日のスタートポジションはいいチャンスとなるので、最大に活かして結果に結びつけられるよう、明日の決勝ではベストを尽くして戦います」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1イタリアGP / スクーデリア・アルファタウリ