ホンダF1 田辺豊治TD 会見 「F1撤退が発表されても何も変わらない」 / F1アイフェルGP 決勝
ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、F1アイフェルGPの決勝後の記者会見でレースを振り返った。

ホンダF1エンジン勢は、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが2位表彰台、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが6位入賞した一方で、ダニール・クビアトは完走中最下位となる15位、アレクサンダー・アルボンはラジエーターの破損によってリタイアを余儀なくされた。

「予選ではメルセデスの2台にワンツーを取られてマックス・フェルスタッペンが3番手。メルセデスの1台のリタイアによって、マックス選手は確実な走行で、2位表彰台とポイント獲得ができました」と田辺豊治はレースについて振り返る。

「ガスリー選手に関しては、中団グループの各車が戦闘力を上げてきて僅差の中で良い形でレースができ、力強い走りで6位。後半戦は残り6戦ありますが、我々、チーム、本人にとっても大きなモチベーションアップと励みなると思います。今年非常にいい流れを維持しているガスリー選手にはこの先も勢いを維持して良い成績を出していってもらいたいと思います」

「アルボン選手に関しては、飛び石だと思うんですが、クーラーにダメージを受け、水漏れが起こったということからPUを痛めつけてしまい、実際にかなり急激な変化が出たのでそこでリタイアを決めました」

「クビアト選手は接触でフロントウィングに大きなダメージを負ってしまいました。復活しましたが、最後尾まで落ちて難しいレースでした」

今週末のF1アイフェルGPが開催されたニュルブルクリンクは2013年以来7年ぶりのレース。2015年にF1に復帰したホンダF1にとって当然新しいパワーユニットでのデータはない。そのため、シミュレーションが重要だったと語る。

「今回は金曜日がキャンセルになってしまい、土日2日間のイベントでした。イモラの先取りみたいな形になりましたけど、PUレギュレーションなってから初のニュル、FP3のみの1時間で検証を行った上での予選でした」

「新しいTD(予選・決勝同一モード)が出てからは、何セットか持ってきて、予選ではこれ、レースではこんな感じでというのはなかなかできない。特にICEのパフォーマンスに関しては1つのモードをここ数戦経験して蓄積したノウハウを含め1時間で確認して、予選・レースともにいい形で準備ができたなかで戦えたと思っています」

「10℃を切るような外気温で路面温度も低くかったですが、低い側で合わせるには高い側で合わせるよりはやはり楽だと終わってみて感じています。温度が高いとどうしても心配項目も増えますけど、低温に十分対応できたのでよかったと思っています」

「かなり精度よくシミュレーションできていました。当然どこでもシミュレーションはしていますが、実際に走った結果のリレーションとそれの繰り返しです。当然、去年からやっていますが、新しいサーキットにもうまく適合できるようになってきてるかなと思います」

「次も新しい初開催のサーキットですが、基本的にやることは同じです。今回のシミュレーションと実走の乖離を見直しながら、知見を入れて、シミュレーションして望むという形になります」

ホンダは、F1アイフェルGPの前に2021年シーズン限りでのF1撤退を発表。しかし、撤退が決定しているからといってやるべき仕事は変わらないと田辺豊治は語る。

「4台完走、4台入賞という目標は達成できませんでしたが、PUに不具合が出ることはなく、自分たちの仕事をきっちりできたと思います。そこは良かったと思います。参戦終了が発表されても何も変わりません。1戦1戦、今までと変わらずにやっていくだけです」

F1アイフェルGPでは、メルセデスのルイス・ハミルトンが、ミハエル・シューマッハは保持してきたF1史上最多勝利数に並ぶ91勝を挙げた。

「偉大なミハエル・シューマッハーの記録であり、並ぶような人が現れるとは思っていませんでした。それに並んだハミルトン選手は、素晴らしいドライバーだと思います。予選を最大限のパフォーマンスを出して、それをレースの結果に繋げられる。きちんとレースを組み立てることができるドライバーだと思います。ですが、この先はその勝利数をあまり伸ばさせないように戦っていきたいと思います」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1ドイツGP / スクーデリア・アルファタウリ