ホンダF1:2020年 第6戦 F1スペインGP 決勝レポート
F1スペインGP決勝がバルセロナのカタルニア・サーキットで開催され、レッドブル・ホンダは、マックス・フェルスタッペンが5戦連続の表彰台となる2位でフィニッシュ。アレクサンダー・アルボンが8位入賞となった。アルファタウリ・ホンダも、ピエール・ガスリーが9位入賞を果たしてチームとしては3戦連続のポイント獲得となった。

3番手からスタートしたフェルスタッペンは、見事なスタートを決めて、メルセデスのバルテリ・ボッタスをターン1でパスし、2番手に浮上。レース序盤は前を行くルイス・ハミルトン(メルセデス)にプレッシャーをかけるべくプッシュする。

オーバーテイクの難しいサーキットであるため、フェルスタッペンは2ストップ戦略を選択。21周目と41周目にピットストップを行い、それぞれミディアムタイヤに交換してレースを進めた。

この戦略は効果を発揮し、フェルスタッペンは3番手のボッタスを寄せ付けずに2番手を堅守。レース終了までその差はほとんど詰まらず、2位表彰台を手中に収めた。4戦連続で2位以上となったフェルスタッペンは、ポイントランキングでも2位の座を維持している。

アルボンも6番手から好スタートを決めるが、スタート直後のターン2でペースの上がらないボッタスに引っかかり、6番手に逆戻り。レーシングポイント勢の前に出るべく、早めの17周目にピットインし、ハードタイヤに交換する戦略を採る。このピットストップ後にトラフィックの中に入ってしまうが、そこからオーバーテイクを連発。その後、39周目に2度目のピットストップでミディアムタイヤに履き替え、8位まで順位を戻してフィニッシュした。

ガスリーは、アルボンの直後でレースを進める形となり、ポイント獲得を果たした。21周目にミディアムタイヤに履き替えると、43周目に再度ピットインして再びミディアムタイヤへ交換。そこで僅差の集団の中に戻ることとなり、そのままアルボンに続く9位でチェッカーフラッグを受けた。

アルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトは、12番手からのスタートだったが、チームはペースが優勢と見てソフトタイヤでのスタートを選択。ガスリーと同じ21周目に、チームはダブルピットストップを難なくこなすと、クビアトはそこからロングスティントを走行してポイント圏内を走行する。46周目に2度目のピットストップを行ったが、その直後にブルーフラッグを無視したとして5秒加算のペナルティーを科される。クビアトは10位から約6.7秒差の12位で完走。ポイントまであとわずかな位置でレースを終えた。

これで、今季2度目の3週連戦が終了した。次は、8月30日(日)に決勝のベルギーGPから、モンツァで開催されるイタリアGP、ムジェロで開催されるトスカーナGPの3連戦となる。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のスペインGP決勝は、Aston Martin Red Bull Racingのフェルスタッペン選手が5戦連続となる2位表彰台を獲得しました。また、トラフィックの中でレースを続ける形となったチームメートのアルボン選手とScuderia AlphaTauri Hondaのガスリー選手は、いくつかのオーバーテイクを見せて、入賞を果たしてくれました。クビアト選手についてはポイント圏内まで約7秒差と、残念ながら入賞を逃す形になりました。フェルスタッペン選手とガスリー選手については、マシンの持てるパフォーマンスを十分引き出してのレースだったと思います。一方で、それぞれのライバルとの戦いの中では、まだまだ力を付けなければならないことを痛感したレースでもありました。ここで2度目の3連戦が終わり、1週間のブレイクを挟みます。ここまで6レースのデータを改めて振り返り、次に控える3連戦でさらにいい成績を残すべく、準備を進めたいと思います」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「メルセデスの2台はとても速かったので、そこに割って入っての2位という結果は素晴らしいし、僕もうれしく思っています。多くのポイントを獲得できて、いいレースウイークになったので、喜ぶべき結果です。スタートがよかったので、バルテリ(ボッタス)をパスすることが重要で、成功しました。最初のスティントではルイス(ハミルトン)についていこうと、すべてを試してみましたが、彼らのマシンは僕らより速かったですし、特にルイスは少し速すぎました。そこからは、自分たちのレースに集中することにしましたが、マシンの感触はよかったです。バルテリがピットインしたとき、終盤にかけて彼が脅威になることを想定していましたが、自分のタイヤの状態には満足していましたし、追いつかれることはありませんでした。2位はもちろんいい結果ですが、僕らは2位になるためにここにいるわけではありません。勝利を目指しているので、それが叶わなければ決して満足はできません。現時点で2台のメルセデスの間で戦えていますが、ルイスをもっと追い詰めたいと思っています。ただ、今はまだ彼らのマシンが速いので、現実的にならなければなりません」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「厳しい結果になり、レース内容にも満足していません。どのコンパウンドのタイヤでもグリップを得られず、難しい状況でした。各スティントでタイヤをいたわりましたが、6~7周でグリップを失いました。先週のシルバーストーンとは逆で、フラストレーションの溜まる展開で、どんなことをしてもタイヤを持たせるのに苦しんでしまいました。今年はそれが問題になることはなかったので、データを見直してその理由を確認する必要があります。特にセクター3で厳しく、前のマシンに近づいていくことができなかったので、オーバーテイクできずに無防備な状態になってしまいました。なぜ、レースで先週と全く異なる状況になってしまったのかを理解して、スパに向けて強さを取り戻して前進したいと思います」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「素晴らしいレースができて、チームに2ポイントを持ち帰れたことがうれしいです。僕はいいスタートを切ることができて、ターン1でシャルル(ルクレール、フェラーリ)とランド(ノリス、マクラーレン)をパスして8番手に上がることができました。2度目のスティントでは、各車がDRS圏内で連なっている中での走行となり、ミディアムタイヤの長所を活かせなかったことが少し残念です。ただ、このバルセロナではポジティブな点がたくさんあり、マシンパフォーマンスの面ではかなり厳しいと思っていたのに、2台のマクラーレンに割って入ってレースができたことはよかったです。今日の結果には満足していますし、次のスパへ目を向け始めています」

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「今日はフラストレーションの溜まる展開で、満足いくレースとは言えません。いつもの決勝で感じるようなマシンの感触のよさが、今日はありませんでした。詳細を確認して、なぜそうだったのかを理解する必要がありますが、タイヤの使い方も適切ではなかったかもしれません。スタートはよく、フェラーリ勢やリカルド(ルノー)といいバトルができたので、今日はそこからさらに上に行っていいポジションでフィニッシュできると思っていました。今週末でいくつか学んだことがあるので、次のレースではもっとうまくやれるはずです」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1