ホンダF1:2020年 第5戦 70周年記念GP 決勝レポート
F1 70周年記念GPが行われ、巧みなタイヤ戦略とともにレースを戦ったレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが今シーズン初となる勝利を収めた。

前日の予選でハードタイヤでのQ3進出を決めたマックス・フェルスタッペンは、トップ10からスタートするマシン中で唯一、ハードタイヤを履いた状態で決勝をスタート。4番グリッドからスタートするとすぐに3番手にポジションを上げ、前を行くメルセデスの2台にプレッシャーをかける。

ミディアムタイヤで走るメルセデスの2台が先にピットインし、ハードタイヤで長く走ることができるマックス・フェルスタッペンはリードを奪う。

26周を走りミディアムタイヤに履き替えたマックス・フェルスタッペンは、バルテリ・ボッタス(メルセデス)のすぐ後ろでトラックに戻ると、ルフィードコーナーでオーバーテイクします。6周を走るとボッタスと同じタイミングで再度ピットインし、ハードタイヤに履き替える。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)が2番目のスティントをハードタイヤでロングランする中、フェルスタッペンはペースを上げて走行する。ハミルトンが最後のピットストップをする間に再びトップに立つと、最終的には11秒以上のリードをつけて優勝。フェルスタッペンにとっては9回目、ホンダとレッドブルのパートナーシップにとって4回目の勝利となりました。

アレクサンダー・アルボンも素晴らしい走りで、9番手スタートからポジションを上げ、5位でフィニッシュした。ミディアムタイヤでスタートすると6周目でハードタイヤに履き替え、ルフィードコーナーでノリス(マクラーレン)をオーバーテイク。30周目で再びハードタイヤに履き替えると、最後の2周でストロール(レーシングポイント)をオーバーテイクし5位でフィニッシュした。

アルファタウリ・ホンダの2台は、わずか0.9秒差でフィニッシュした。

ハードタイヤで16番グリッドからスタートしたダニール・クビアトは19周目で初めてピットイン。35周目でミディアムタイヤに履き替えると10位に入り、ポイントを獲得した。

7番グリッドからスタートしたピエール・ガスリーは7周目でピットインしハードタイヤに履き替えるが、そこでポジションを落とす。23周目で再度ハードタイヤに履き替えてクビアトを追うが、11位でフィニッシュとなった。

最終的にはホンダ PUを搭載する4台の内、3台がポイントを獲得という、いい結果でレースを終えることができた。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「F1の70周年記念大会という特別なレース、そしてアストンマーティン・レッドブル・レーシングのファクトリーとホンダF1の拠点があるイギリスでのレースで、フェルスタッペン選手が2020シーズンの初勝利を獲得しました。8月5日はホンダの創始者本田宗一郎さんの命日、その週末にホンダF1の勝利を上げることができたことは感慨深く、また大変うれしく思っています。今週は金曜日の走行開始時から、タイヤに非常に厳しいレースになることが予想されました。その状況下で予選からチームが勝つための戦略を立て、ドライバーのフェルスタッペン選手がそれにすばらしいドライビングで応えるなかで、ホンダもPUを力強く機能させて、この勝利に貢献できたと感じています。すばらしいチームワークの結果による勝利でした。チームメイトのアルボン選手も9番グリッドからトラフィックの中で難しい展開でしたが、粘りの走りを見せての5位入賞、後方スタートのクビアト選手も10位入賞と、ホンダとしていい結果になりました。プラクティス、予選で好調だったガスリー選手は、レースペースが上らず惜しくも11位に終わりましたが、この先のレースでも好調を維持して良結果を出してくれることを期待しています。シーズン初勝利をあげるまで少し時間がかかってしまいましたが、ようやくファンのみなさんに勝利を届けることができ、うれしく思っています。この先も厳しい戦いが続きますが、更に勝利を手にするためにチームとともに戦闘力向上に向け努力を続けますので、引き続きの応援をよろしくお願いいたします」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「チームとして最高の結果を出せ、素晴らしい一日になりました。レース結果から見えるように、ハードタイヤで予選Q2を走る戦略が奏功したと思います。ミディアムタイヤはあまり持たないので、ハードタイヤでの最初のスティントをどんなペースで何周走るかが鍵でした。僕たちのマシンはライバルに比べるとタイヤに優しいようで、特にレースでは柔らかいタイヤの方がマシンのフィーリングがよかったです。メルセデスのマシンをオーバーテイクし、引き離すことができたことに、大きな満足感を感じました。ここまでは圧倒的な強さを見せていますが、今日のようなレースをまたシーズン残りのレースでもできればと思っていますし、そのためにプッシュを続けていきます。いいチームワークですし、リスクを恐れずに挑戦していきます。まずは今日の勝利をゆっくりと噛みしめ、バルセロナでの次のレースに気持ちを切り替えます」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「マシンの調子もよく、今日の結果に満足しています。レース序盤のDRSを使用するマシンが続いていた状況下でのオーバーテイクは少し難しかったですが、そこからはいい走りができました。今日のレースペースは想像以上によかったので、その原因をこれから分析します。マシンにはポテンシャルがありますが、それを引き出すのが難しい時があります。ただ、このような状況ではいい走りができることも分かってきたので、きちんと要因を解析していきます。次のレースに向けて、今日の5位よりもさらにいいパフォーマンスができるようにしたいです」

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「今日はとても満足しています。チームはすばらしい仕事をして、マシンのすべてを引き出すことができました。先週とは違って、あらゆるチャンスをものにすることができました。通常、日曜日は調子がいいのですが、土曜日の予選でもしっかりと結果を出し、よりよいポジションからスタートができれば、もっと頻繁にポイント争いに食い込むことができるでしょう。それでも今日は、16番手スタートから10位でフィニッシュし、1ポイントを獲得できてよかったです」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「スタートも決まり、タイヤの感触もよかったので、予定よりも早くピットインするように無線が入った時には、驚きました。アルボンに抜かれないように頑張りましたが、それはそれほど重要ではありませんでした。ピットストップから戻るとトラフィックに捕まり、ポジションを上げるために必要以上にプッシュすることになりました。何周か走るとタイヤのブリスターがひどくなり、そこからは散々でした。もっといい結果を出せると思っていたので残念です。他の戦略を取れなかったか、レースを振り返り、次のバルセロナではポイントを取りたいです」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1イギリスGP / スクーデリア・アルファタウリ