ホンダF1、レギュレーションの抜け穴を利用してPUをアップデート?
ホンダF1は、レギュレーションの抜け穴を利用してF1エンジンを他のメーカーよりも長く開発できたことで、レッドブルとアルファタウリは今週末のオーストリアでアップデートの恩恵を受けることになると Formula1.com が伝えている。
レッドブル・ホンダF1は、ホームレースとなるオーストリアにかなりの空力アップグレードを導入することを予定しており、先週のシルバーストンでのフィルミングデーで2020F1マシン『RB16』を走らせた際には、フロアとフロントウィングが微調整されていた。
新型コロナウイルスの世界的な大流行によって過去数か月はF1チームにとって前例のないものとなり、コストを抑制し、チームに短期的に安定を与えるためにファクトリーは3月~6月の間に強制的なシャットダウンが実施された。
シャットダウンの要件はパワーユニットメーカーにも適用されたが、規制の違いにより一部のメーカーはそのシャットダウンを今年後半に遅らせることができた。
「法律や労働組合が異なる閉鎖期間を課している国に拠点を置くダクトリーは例外になる」と競技規則の21.10には記されている。
「この場合、それらのファクトリーは、シャットダウン期間の数日を現地で課せられた期間に置き換える場合がある。これにより影響を受けるパワーユニットメーカーは、FIAに対し、これらの期間中、操業を停止していない国での労働への転勤を許可しないことを宣言しなければならない」
栃木県さくら市に拠点を置くホンダは、シャットダウンを延期したが、今年の夏にシャットダウンを実施することを選択。そのため、ホンダは、異なる困難な条件下ではあるものの、パワーユニットの作業を続行することを許可され、その結果、ホンダのF1エンジンはオーストラリアに持ち込んだユニットと比較してアップレートされたと Formula1.com は伝えている。
今シーズンの技術規則では、開幕戦におけるチームのレース仕様が残りのシーズンでほぼ凍結されるため、これは重要な動きとなる。パワーユニットメーカーは、MGU-K、エネルギーストア、コントロールエレクトロニクスのパフォーマンスアップグレードを1回しか行うことができない。
したがって、信頼性を目的とした変更(FIAからの承認が必要)を除いて、すべてのチームがこのキャンペーンの期間中、同じレベルのパフォーマンスでレースを行うことになる。最近のホンダF1のいくつかのアップデートと同様に、開発はパフォーマンスと信頼性に分けるて行われ、一貫した進歩を遂げるという傾向が続くことが期待されている。
ダイナモの数字は、ホンダF1がフェラーリとメルセデスのパワーユニットのギャップをこれまでよりも縮めているようであり、ホンダF1がパワーの面で利益を上げたことを示唆しているが、ライバルがどんな種類のステップを作ったかはまだ不明だ。
シャットダウン中のF1エンジンの開発について、ホンダF1のパワーユニット開発責任者を務める浅木泰昭は次のように語っている。
「特に今年の場合はレギュレーションが大きく変わって、オーストリアで出したパワーユニットがホモロゲーションされる、というか仕様が固定されるんですよね。ですから、そこにできる限りのものを持っていくというのが今年の戦い方ですね」と浅木泰昭はコメント。
「去年のようにスペック1、2、3の3段階という考え方ではないのが今年の戦い方です。スペック2、3というのが元々の開発計画であったんですけど、シャットダウンが増えたんですよね。イタリア、イギリスはロックダウンしたりして、みんなファクトリーが休んだので、ホンダもフェアにしろということです」
「ですから、予定していたステップ2にむけた作業は全部できていないので、我々の中では今回オーストリアのエンジンはスペック1.1という風に呼んでいます。バグの修正くらいのイメージですかね」
「信頼性が非常に重要だという認識ですよね。パワーが上がれば、今まで持っていた部分も壊れるという認識でしたけど、今回に限って言うと、信頼性の方に重点を置いて開発してます」
それでもスペック1.1は「1年で伸びると想定していたパワーの3分の1くらいは伸びていると思う」と浅木泰昭は語る。2月のプレシーズンテストでは、レッドブル・ホンダF1はストレートでもメルセデスに匹敵できる速さをみせていた。今年は高速サーキットでもメルセデスと対等にやりあえるのではないかとの期待が高まっている。
「当然、そのつもりで開発してきてます。相手の伸びも予測して目標を立ててやってますから、予測が当たっていれば戦えるはずということですけど、不安と期待が相混じった開幕戦ということですかね」
では、ホンダのF1エンジンは今年ワールドチャンピオンを獲得できるのか。それが実現すれば30年ぶりの栄冠となる。
「ここまで来て目指さないというわけにはいかないんで、目指します。獲れるかどうかはいろいろありますけど、目指しているのは間違いないです」と浅木泰昭は語る。
「今年はメルセデスと一騎打ちになれるくらいのところまでパワーを持ってきたつもりなので、毎回どっちが勝つかわかんないというレースを1年続けて、結果勝てれば一番いいなと思って望んでますので、みなさん応援の方宜しくお願いします」
しかし、レッドブルにとって序盤3戦のうちの2戦は過去に2勝を挙げているレッドル・リンクであり、マシンと相性の良いサーキットでスタートダッシュを決めるために懸命にプッシュしている。
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / スクーデリア・アルファタウリ
レッドブル・ホンダF1は、ホームレースとなるオーストリアにかなりの空力アップグレードを導入することを予定しており、先週のシルバーストンでのフィルミングデーで2020F1マシン『RB16』を走らせた際には、フロアとフロントウィングが微調整されていた。
新型コロナウイルスの世界的な大流行によって過去数か月はF1チームにとって前例のないものとなり、コストを抑制し、チームに短期的に安定を与えるためにファクトリーは3月~6月の間に強制的なシャットダウンが実施された。
シャットダウンの要件はパワーユニットメーカーにも適用されたが、規制の違いにより一部のメーカーはそのシャットダウンを今年後半に遅らせることができた。
「法律や労働組合が異なる閉鎖期間を課している国に拠点を置くダクトリーは例外になる」と競技規則の21.10には記されている。
「この場合、それらのファクトリーは、シャットダウン期間の数日を現地で課せられた期間に置き換える場合がある。これにより影響を受けるパワーユニットメーカーは、FIAに対し、これらの期間中、操業を停止していない国での労働への転勤を許可しないことを宣言しなければならない」
栃木県さくら市に拠点を置くホンダは、シャットダウンを延期したが、今年の夏にシャットダウンを実施することを選択。そのため、ホンダは、異なる困難な条件下ではあるものの、パワーユニットの作業を続行することを許可され、その結果、ホンダのF1エンジンはオーストラリアに持ち込んだユニットと比較してアップレートされたと Formula1.com は伝えている。
今シーズンの技術規則では、開幕戦におけるチームのレース仕様が残りのシーズンでほぼ凍結されるため、これは重要な動きとなる。パワーユニットメーカーは、MGU-K、エネルギーストア、コントロールエレクトロニクスのパフォーマンスアップグレードを1回しか行うことができない。
したがって、信頼性を目的とした変更(FIAからの承認が必要)を除いて、すべてのチームがこのキャンペーンの期間中、同じレベルのパフォーマンスでレースを行うことになる。最近のホンダF1のいくつかのアップデートと同様に、開発はパフォーマンスと信頼性に分けるて行われ、一貫した進歩を遂げるという傾向が続くことが期待されている。
ダイナモの数字は、ホンダF1がフェラーリとメルセデスのパワーユニットのギャップをこれまでよりも縮めているようであり、ホンダF1がパワーの面で利益を上げたことを示唆しているが、ライバルがどんな種類のステップを作ったかはまだ不明だ。
シャットダウン中のF1エンジンの開発について、ホンダF1のパワーユニット開発責任者を務める浅木泰昭は次のように語っている。
「特に今年の場合はレギュレーションが大きく変わって、オーストリアで出したパワーユニットがホモロゲーションされる、というか仕様が固定されるんですよね。ですから、そこにできる限りのものを持っていくというのが今年の戦い方ですね」と浅木泰昭はコメント。
「去年のようにスペック1、2、3の3段階という考え方ではないのが今年の戦い方です。スペック2、3というのが元々の開発計画であったんですけど、シャットダウンが増えたんですよね。イタリア、イギリスはロックダウンしたりして、みんなファクトリーが休んだので、ホンダもフェアにしろということです」
「ですから、予定していたステップ2にむけた作業は全部できていないので、我々の中では今回オーストリアのエンジンはスペック1.1という風に呼んでいます。バグの修正くらいのイメージですかね」
「信頼性が非常に重要だという認識ですよね。パワーが上がれば、今まで持っていた部分も壊れるという認識でしたけど、今回に限って言うと、信頼性の方に重点を置いて開発してます」
それでもスペック1.1は「1年で伸びると想定していたパワーの3分の1くらいは伸びていると思う」と浅木泰昭は語る。2月のプレシーズンテストでは、レッドブル・ホンダF1はストレートでもメルセデスに匹敵できる速さをみせていた。今年は高速サーキットでもメルセデスと対等にやりあえるのではないかとの期待が高まっている。
「当然、そのつもりで開発してきてます。相手の伸びも予測して目標を立ててやってますから、予測が当たっていれば戦えるはずということですけど、不安と期待が相混じった開幕戦ということですかね」
では、ホンダのF1エンジンは今年ワールドチャンピオンを獲得できるのか。それが実現すれば30年ぶりの栄冠となる。
「ここまで来て目指さないというわけにはいかないんで、目指します。獲れるかどうかはいろいろありますけど、目指しているのは間違いないです」と浅木泰昭は語る。
「今年はメルセデスと一騎打ちになれるくらいのところまでパワーを持ってきたつもりなので、毎回どっちが勝つかわかんないというレースを1年続けて、結果勝てれば一番いいなと思って望んでますので、みなさん応援の方宜しくお願いします」
しかし、レッドブルにとって序盤3戦のうちの2戦は過去に2勝を挙げているレッドル・リンクであり、マシンと相性の良いサーキットでスタートダッシュを決めるために懸命にプッシュしている。
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / スクーデリア・アルファタウリ