ホンダF1
2019年のF1世界選手権の最終戦最終戦アブダビGPで、ホンダF1エンジン勢は4台中3台がポイントを獲得。マックス・フェルスタッペンが2位に入り、レッドブル・ホンダが今シーズン9度目の表彰台を獲得してシーズンを締めくくった。

トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは、スタート直後に接触を受けてフロントウイングを破損し、交換のためにピットストップを強いられたことで最後尾まで後退。レースではセーフティカーの出動もなく、18位でフィニッシュとなった。

チームメートのダニール・クビアトは、13番グリッドからハードタイヤでスタートすると、41周目まで走行してポイント圏内へ浮上。タイヤ交換後も、ニコ・ヒュルケンベルグをオーバーテイクするなどいいペースで走行。9位でポイントを獲得し、ドライバーズランキングでもヒュルケンベルグを逆転した。

レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンは、レースの大半でセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とバトルを繰り広げた。序盤でハードタイヤに履き替えて1ストップ戦略を採ったアルボンだったが、2ストップでフレッシュタイヤを使って攻めたベッテルにわずかに及ばず、6位でチェッカーフラッグを受けた。

アルボンにとっては、これがレッドブル・ホンダ移籍後8度目のトップ6位内でのフィニッシュ。ドライバーズランキング8位でシーズンを終えた。

フェルスタッペンは、今回の2位表彰台でドライバーズランキング3位を確定させた。スタート後にシャルル・ルクレール(フェラーリ)にかわされて3番手にポジションを落とすものの、25周目にミディアムからハードへタイヤを交換すると、ターン8でルクレールをオーバーテイク。そのまま2位を守り切ってゴールした。フェルスタッペンは、シーズン最終盤の3戦を勝利と表彰台で締めくくったた。

このアブダビGPで、F1世界選手権は全21戦を終了。2020年シーズンの開幕戦は、3月15日(日)にオーストラリアのメルボルンで開催される。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のレースではAston Martin Red Bull Racing のフェルスタッペン選手が2位表彰台を獲得、そしてHonda PUを搭載するマシン3台が入賞を果たすことができ、いい形でシーズンを締めくくることができました。フェルスタッペン選手はタイヤをマネージしながら素晴らしいドライビングを見せてルクレール選手をオーバーテイクし、ドライバーズランキング3位を確定させるなど、今日もいい走りを見せてくれました。アルボン選手も6位入賞と、いい形でルーキーイヤーを終えてくれました。Red Bull Toro Rosso Hondaについては、クビアト選手が非常に上手くタイヤをマネージし、全ドライバー中で最長となる41周目までピットインを伸ばしたことが奏功し、9位入賞を果たしました。チームの戦略とともにいいレースをしてくれたと思います。ガスリー選手についてはスタート直後の接触の影響により残念ながらポイント圏外に終わる形になりました。今年はHondaにとって2015年の復帰以来、初めて2チームにPUを供給しました。2つのチームといいコミュニケーションをとりながら、Red Bullとは3勝を挙げ、Toro Rossoとも2度の表彰台を獲得するなど、確実に前進を果たせた一年になりました。4人のドライバーと両チームはもちろん、懸命に開発をプッシュしてくれたHRD Sakuraとミルトンキーンズのファクトリーのメンバー、そしてサプライヤーの方々の努力に対して、改めて感謝の言葉を送ります。社内の他部門の技術協力も含め、Hondaとして一丸となって戦った一年だったとも感じています。そして、シーズンを通して熱いご声援を送ってくださったファンの皆さま、本当にありがとうございました。今年はとてもいいシーズンを送ることができました。しかし、まだまだ我々が目指している場所には到達していません。来年もさらなる高みを目指し、戦いを続けていきます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「シーズンを表彰台という結果で締めくくれて、ドライバーズランキングでも手強いフェラーリ勢より上位で終われたので、うれしいです。今日、このコースでは、ルイス(ハミルトン)とメルセデスが少し速すぎましたね。僕らもチームがいい戦略と素晴らしいピット作業を展開し、マシンもよく機能していたので、2位はいい結果だと思います。ペースはよく、全体的にライバルたちより速く走れたことは、いい感覚です。今シーズンを振り返ると、ハイライトはオーストリアGPです。Hondaの復帰後初勝利を飾れたことはとても印象的でしたし、チームにとってはホームGP、そしてオランダから来た多くのファンの前で優勝することができて、最高の気分でした。今年はいいシーズンで、チームは決して歩みを止めませんでした。そして、Hondaも進化を示してくれて、僕らは1年目から満足できる結果を残しました。僕らはチームとしてさらに前進し、来年はタイトル争いをしたいと思います。上位勢との差を埋めるために全力でプッシュしていく必要がありますが、ここ数戦の結果はいい兆しになっています。今日は素晴らしい締めくくりとなりましたが、先へ目を向けて、2020年にはさらなる競争力を手にしたいです」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「今日のレースは望んでいたような結果にはなりませんでした。その原因はこれから解明する必要があると思います。ベッテル選手(フェラーリ)を追い抜くために早めにピットインしたのですが上手くいかず、DRSを使用できず、他のマシンによるトラフィックに引っかかってしまいました。それが原因で必要以上に長いスティントになってしまい、タイヤが最後まで持たず、同時にベッテル選手が思っていたよりも早くポジションを大きく上げてしまいました。レースでは起こってしまうことなので、仕方がありません。今シーズンを振り返ると、僕にとってとてもいいシーズンになりました。今年はルーキーイヤーだったので、もちろん改善していかなければならないことはまだ多くあると感じています。レースは上手くいったことも多かったのですが、レースペースについては経験を積むことで改善していきたいと思っています。来週にはテストが行われるので、引き続きチームと共に懸命に取り組み、来シーズンはさらに力強さが見せられるように準備します。オフシーズンは来年の心配をせず、自分のするべき仕事に集中して過ごせるので安心しています。Aston Martin Red Bull Racingでレースができることを光栄に思っています。2020年シーズンが今から待ち遠しくて仕方がありません」

ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
「今シーズンを締めくくる、いいレースになりました。ハードタイヤでの最初のスティントは、僕のキャリアのなかでも一番いい走りだったのではないでしょうか。最大限にプッシュして走行することができました。どの周回でもライバルより速く、マシンの手応えも素晴らしかったです。すべてが僕たちのプラン通りにいきました。チームが立てた作戦は素晴らしく、レースに向けてのセットアップもできていたのではないでしょうか。昨日の予選で少しロスした部分はあったかもしれませんが、今日はすべてをうまくまとめることができました。ここ最近は、どこかやり残したような感覚があったレースが続いていたので、シーズンの最後はいいレースで終えたいと思っていました。今日のようなレースで今シーズンを締めくくることができて、本当に満足しています」

ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
「今日のレースではもっとバトルができることを期待していました。ダニール(クビアト)が見せてくれたように、僕たちのレースペースはとてもよかったので、最終戦はもっとエキサイティングな展開で締めくくることができたはずでした。残念ながら、最初の周で後ろから衝突された勢いで前のマシンにぶつかり、フロントウイングにダメージを負ってしまったことで、僕にとってはそこでレース終了というような展開になってしまいました。フロントウイングを交換するためにピットストップを行い、コースに復帰しましたが、他のマシンよりも1周遅れとなりました。周回遅れで誰と争うこともできず、ただセーフティカーを願うだけで、とてもフラストレーションのたまる時間でした。シーズン締めくくりのレースは、もっといい展開を期待していただけにとても残念です」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1アブダビGP