ホンダF1:2019年 F1メキシコGP 決勝レポート
ホンダのF1エンジン勢にとって、F1メキシコGP決勝はAston Martin Red Bull RacingとRed Bull Toro Rosso Hondaの全4台がトップ10フィニッシュを果たしたものの、ペナルティーにより3台入賞にとどまる結果となった。
前日の予選では、マックス・フェルスタッペンがトップタイムをマークしたが、その後のペナルティーによって4番グリッドへ降格。決勝では好スタートを決めてルイス・ハミルトン(メルセデス)をかわしにかかったものの、ターン2で接触を受けて大きく順位を落とした。
一方、5番手スタートのアレクサンダー・アルボンは、この混乱を避けて3番手に浮上。前を行くフェラーリ勢2台を追う展開となった。
ダニール・クビアトとピエール・ガスリーは、9番手と10番手のポジションをキープし、両ドライバーともに序盤でソフトタイヤからハードタイヤへ交換。前方からスタートしたマクラーレン勢の前でレースを進めるなど、好調な出だしとなる。
フェルスタッペンは、ポジションをばん回すべくプッシュし、スタジアムセクションでバルテリ・ボッタス(メルセデス)のインに飛び込む見事なオーバーテイクを見せるが、このときに接触を受けて右リアタイヤがパンク。最後尾へと後退する。この5周目にハードタイヤへ交換すると、チェッカーフラッグまでハードタイヤを持たせながらオーバーテイクを繰り返し、6位でフィニッシュした。
アルボンは2ストップ戦略を採用し、2スティント目をミディアム、最終スティントをハードで走行。1ストップ作戦を採った上位勢に次いで5位でチェッカーフラッグを受けた。
クビアトとガスリーも2ストップを行い、10番手と11番手で最終ラップに突入。クビアトは9番手のニコ・ヒュルケンベルク(ルノー)を追い詰めるが、パスしようとした際に接触してしまい、10秒のタイムペナルティーを科される。この結果、ガスリーが9位、クビアトが11位となった。
田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のメキシコGP決勝は、昨日の予選までの速さを結果に結びつけることができず、我々にとっては残念なレースになりました。Aston Martin Red Bull Racing のアルボン選手は前を走るマシンに迫りながら、確実なパフォーマンスでグリッドポジションを守り、5位でフィニッシュしました。ペナルティーのため4番手スタートのフェルスタッペン選手は、スタートでの接触と、またその直後の接触によるタイヤバーストなどの不運がありましたが、それでも何とかレースに復帰し、最後尾から6位までポジションを回復してレースを終える形になりました。トップ10圏内のグリッドを獲得したRed Bull Toro Rosso Honda の2台は、ユーズドタイヤでのスタートとなったため、後方からニュータイヤを履いて迫るライバルに対して不利な展開になりましたが、それでも最後はガスリー選手が9位入賞と貴重なポイントを持ち帰ってきてくれました。シーズンは残り3戦となりましたが、来週末にはアメリカでのレースが待っています。残りのレースを一戦一戦、大事に戦っていきたいと思います」
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ/5位)
「今日のレースは楽しめたので、悪くはない一戦でした。ペースにおいては今シーズンでベストと言えるぐらいのレースで、トップ集団からもそう離れた場所ではありませんでした。スタート直後は3番手につけることができ、表彰台圏内にいることにとても興奮しました。トップ集団で戦えたことはうれしかったのですが、残念ながらライバルの1ストップ作戦のほうがうまくはまったようでした。僕たちに1ストップ作戦を採れるほどのペースやタイヤの持ちが残っていたかどうかは確かでなく、2ストップの戦略を採るしかありませんでした。最初のピットストップ後、サインツ選手の後ろでコースへ復帰したときが特に、トラフィックから抜け出すのに時間がかかってしまいました。しかし、ここはトラフィックから抜け出しオーバーテイクするポイントがいくつもあるコースだとは思います。チームのみんなはこのレースで最速のピット作業をしてくれたので、結果に繋げることができたのだと思います。彼らにとって多忙なレースウイークになったはずなので、これから結果でお返しをしていきたいと思います。順調に成長できていると感じているので、総合的な自分のパフォーマンスには満足しています。ラップタイムもだんだん速くなってきているので、残り3レースでさらに速さを追求して頑張りたいと思います」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ/6位)
「僕らのマシンで今日の6位という結果は望んでいたものではありませんが、今日起こったさまざまな状況を考えると、いいレースができたと思います。スタートはうまくいきましたが、ルイス(ハミルトン)はフェラーリ勢に追いやられて芝生の近くまで行ってしまい、スピードを失っていたのだと思います。彼はターン1の外側からコースへ戻ってきて、ターン2でのディフェンスでかなり深い位置まで行ったので、僕は彼を避けようとして芝生へ飛び出してしまいました。バルテリ(ボッタス)をオーバーテイクした際に接触を受けてリアタイヤがパンクし、そこからほぼ一周かけてピットへ戻りました。その後は1ストップで走りきらざるを得ず、66周を走行することになったので、とても遅いラップとなりました。ペースもマシンもよかったので結果は残念ですが、今日の出来事を考えれば、6位という結果は悪くないと思います」
ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ/9位)
「簡単にはいかない週末でしたが、今日はすべてを出しきりましたし、ポイントを獲得できてうれしいです。レースウイークを通じてマシンに競争力があったのはいいことです。ソフトタイヤでのスタートは理想的ではありませんでしたが、それでもなんとかしようとトライしました。最終的に戦略が機能して結果が出せたのは、チャンピオンシップの戦いにおいては大きな意味がありました」
ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ/11位)
「今日はユーズドのタイヤでスタートすることが決まっていたので、難しいレースになると思っていましたが、それでもポイントを獲得したいと考えて臨みました。今週は予選結果を優先してその分レースで(スタートタイヤについて)妥協しなければいけない形でしたが、このような状況でもいい走りができました。僕はレーシングドライバーですし、ここでは『レース』をすることが許されているはずなので、最後の接触によりペナルティーを受けたことについては納得していません。ニコ(・ヒュルケンベルグ)はポジションを守る立場で、僕はアタックする側でしたが、最終周の最終コーナーではこのようなことは起こってしまいがちなものだと思っています。それでも、今週は非常に力強い走りができたと考えています。金曜のプラクティス、予選、そしてレースといいパフォーマンスでしたし、来週のオースティンでのレースが今から楽しみです」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1メキシコGP
前日の予選では、マックス・フェルスタッペンがトップタイムをマークしたが、その後のペナルティーによって4番グリッドへ降格。決勝では好スタートを決めてルイス・ハミルトン(メルセデス)をかわしにかかったものの、ターン2で接触を受けて大きく順位を落とした。
一方、5番手スタートのアレクサンダー・アルボンは、この混乱を避けて3番手に浮上。前を行くフェラーリ勢2台を追う展開となった。
ダニール・クビアトとピエール・ガスリーは、9番手と10番手のポジションをキープし、両ドライバーともに序盤でソフトタイヤからハードタイヤへ交換。前方からスタートしたマクラーレン勢の前でレースを進めるなど、好調な出だしとなる。
フェルスタッペンは、ポジションをばん回すべくプッシュし、スタジアムセクションでバルテリ・ボッタス(メルセデス)のインに飛び込む見事なオーバーテイクを見せるが、このときに接触を受けて右リアタイヤがパンク。最後尾へと後退する。この5周目にハードタイヤへ交換すると、チェッカーフラッグまでハードタイヤを持たせながらオーバーテイクを繰り返し、6位でフィニッシュした。
アルボンは2ストップ戦略を採用し、2スティント目をミディアム、最終スティントをハードで走行。1ストップ作戦を採った上位勢に次いで5位でチェッカーフラッグを受けた。
クビアトとガスリーも2ストップを行い、10番手と11番手で最終ラップに突入。クビアトは9番手のニコ・ヒュルケンベルク(ルノー)を追い詰めるが、パスしようとした際に接触してしまい、10秒のタイムペナルティーを科される。この結果、ガスリーが9位、クビアトが11位となった。
田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のメキシコGP決勝は、昨日の予選までの速さを結果に結びつけることができず、我々にとっては残念なレースになりました。Aston Martin Red Bull Racing のアルボン選手は前を走るマシンに迫りながら、確実なパフォーマンスでグリッドポジションを守り、5位でフィニッシュしました。ペナルティーのため4番手スタートのフェルスタッペン選手は、スタートでの接触と、またその直後の接触によるタイヤバーストなどの不運がありましたが、それでも何とかレースに復帰し、最後尾から6位までポジションを回復してレースを終える形になりました。トップ10圏内のグリッドを獲得したRed Bull Toro Rosso Honda の2台は、ユーズドタイヤでのスタートとなったため、後方からニュータイヤを履いて迫るライバルに対して不利な展開になりましたが、それでも最後はガスリー選手が9位入賞と貴重なポイントを持ち帰ってきてくれました。シーズンは残り3戦となりましたが、来週末にはアメリカでのレースが待っています。残りのレースを一戦一戦、大事に戦っていきたいと思います」
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ/5位)
「今日のレースは楽しめたので、悪くはない一戦でした。ペースにおいては今シーズンでベストと言えるぐらいのレースで、トップ集団からもそう離れた場所ではありませんでした。スタート直後は3番手につけることができ、表彰台圏内にいることにとても興奮しました。トップ集団で戦えたことはうれしかったのですが、残念ながらライバルの1ストップ作戦のほうがうまくはまったようでした。僕たちに1ストップ作戦を採れるほどのペースやタイヤの持ちが残っていたかどうかは確かでなく、2ストップの戦略を採るしかありませんでした。最初のピットストップ後、サインツ選手の後ろでコースへ復帰したときが特に、トラフィックから抜け出すのに時間がかかってしまいました。しかし、ここはトラフィックから抜け出しオーバーテイクするポイントがいくつもあるコースだとは思います。チームのみんなはこのレースで最速のピット作業をしてくれたので、結果に繋げることができたのだと思います。彼らにとって多忙なレースウイークになったはずなので、これから結果でお返しをしていきたいと思います。順調に成長できていると感じているので、総合的な自分のパフォーマンスには満足しています。ラップタイムもだんだん速くなってきているので、残り3レースでさらに速さを追求して頑張りたいと思います」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ/6位)
「僕らのマシンで今日の6位という結果は望んでいたものではありませんが、今日起こったさまざまな状況を考えると、いいレースができたと思います。スタートはうまくいきましたが、ルイス(ハミルトン)はフェラーリ勢に追いやられて芝生の近くまで行ってしまい、スピードを失っていたのだと思います。彼はターン1の外側からコースへ戻ってきて、ターン2でのディフェンスでかなり深い位置まで行ったので、僕は彼を避けようとして芝生へ飛び出してしまいました。バルテリ(ボッタス)をオーバーテイクした際に接触を受けてリアタイヤがパンクし、そこからほぼ一周かけてピットへ戻りました。その後は1ストップで走りきらざるを得ず、66周を走行することになったので、とても遅いラップとなりました。ペースもマシンもよかったので結果は残念ですが、今日の出来事を考えれば、6位という結果は悪くないと思います」
ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ/9位)
「簡単にはいかない週末でしたが、今日はすべてを出しきりましたし、ポイントを獲得できてうれしいです。レースウイークを通じてマシンに競争力があったのはいいことです。ソフトタイヤでのスタートは理想的ではありませんでしたが、それでもなんとかしようとトライしました。最終的に戦略が機能して結果が出せたのは、チャンピオンシップの戦いにおいては大きな意味がありました」
ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ/11位)
「今日はユーズドのタイヤでスタートすることが決まっていたので、難しいレースになると思っていましたが、それでもポイントを獲得したいと考えて臨みました。今週は予選結果を優先してその分レースで(スタートタイヤについて)妥協しなければいけない形でしたが、このような状況でもいい走りができました。僕はレーシングドライバーですし、ここでは『レース』をすることが許されているはずなので、最後の接触によりペナルティーを受けたことについては納得していません。ニコ(・ヒュルケンベルグ)はポジションを守る立場で、僕はアタックする側でしたが、最終周の最終コーナーではこのようなことは起こってしまいがちなものだと思っています。それでも、今週は非常に力強い走りができたと考えています。金曜のプラクティス、予選、そしてレースといいパフォーマンスでしたし、来週のオースティンでのレースが今から楽しみです」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1メキシコGP