ホンダF1:2019年 F1第17戦 日本GP 金曜フリー走行レポート
F1日本GP初日のホンダF1パワーユニット勢は、山本尚貴がトロロッソ・ホンダからF1デビューを飾り、FP1を走行した。一方で、予選が日曜日に延期となるなど、慌ただしい一日となった。

今回の日本GPは、台風19号の接近により、土曜日の予選がキャンセルされ、日曜日の朝に予選、午後に決勝が行われる予定。しかし、天候などの影響でそれも不可能という場合には、FP2の結果をもとに決勝のグリッドが決まることとなった。

FP1に登場した山本はピエール・ガスリーのマシンを使用し、30周を走行。大きなトラブルに見舞われることなく走りきり、16番手のダニール・クビアトと0.1秒差となる17番手タイムを記録した。レッドブル・ホンダは、マックス・フェルスタッペンが5番手、アレクサンダー・アルボンが6番手でFP1を終えます。

予選前最後のセッションとなったFP2では、Hondaパワーユニット勢は4台中3台がトップ10入りを果たした。まず、レッドブルはフェルスタッペンが3番手タイムを記録。トップのバルテッリ・ボッタス(メルセデス)と約0.3秒差に迫った。チームメートのアルボンは、初走行となる鈴鹿サーキットで、フェルスタッペンと約0.3秒差の6番手タイムで初日を終えた。

トロロッソのガスリーは山本尚貴の後を受けてFP2から走行を開始。日曜日に予選が行われない場合に備え、ソフトタイヤで走行し、9番手タイムを記録した。中団争いはし烈さを極め、クビアトはガスリーとわずか0.158秒差で走行を終えたが、12番手となった。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「Hondaのホームであるここ日本、鈴鹿サーキットで多くのファンの皆さんを前にしてレースができることをうれしく思っています。台風の接近により明日のFP3と予選がキャンセルされることから、日曜に開催される予選、レースに向けたセットアップを前倒しして、FP2の中で実施しました。日本グランプリを楽しみにしていたファンの皆さんにとっては明日のキャンセルは非常に残念なことだと思います。我々Hondaのメンバーにとっても同様の気持ちです。ただ、皆さんの安全を優先しての決定ですので、ご理解いただければと思います。今日のセッションについてはいい手ごたえを感じているので、日曜の予選、決勝に向けて十分な準備をして臨みたいと思います。また、FP1では山本尚貴選手がRed Bull Toro Rosso Hondaのマシンで走行しました。山本選手にとっては初めてのF1でのドライブでしたが、的確にエンジニアにフィードバックを行い、課された役割を確実に遂行してくれました。個人的にもF1で日本人ドライバーと一緒に仕事ができたことをうれしく感じています」

ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
「FP1を見る側としてはかなり寒いと感じました。FP2しか走行できませんでしたが、お気に入りのコースの一つである鈴鹿をドライブできるのは、本当にすばらしいことです。今日の走行はとても楽しかったですし、日曜日も楽しみにしています。土曜日がキャンセルされたので、FP2が非常に重要になると考え、できるだけ多くのことをトライしていきました。予選やレースに向けたセットアップを行いながら多くのラップを走り、最終的に9番手を獲得できました。しかし、マシンのバランスが少々取りづらかったので、今日試したことをもう一度おさらいする必要があると思います。今のままでも問題はありませんが、さらにパフォーマンスが向上させられると思います。いつもよりも、仕事に時間をかけましたが、日曜日に向けて最適な解決策を見つけたいと思います」

ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
「いいセッションを送ることができました。明日の予選がキャンセルになると分かっていたので、FP2の進行がいつもと異なり、とても忙しい中で集中的にラップを重ねました。FP1ではマシンのフィーリングが悪かったのですが、FP2ではいい感触を得られ、マシンが着実に進歩していると感じました。全体として、マシンやFP2で消化できたプログラムに満足していますが、日曜日にさらなる改善を行い、予選に挑みたいと思います。条件は今日と違い、風が強い中を走ることになると思うので、慣れるまでに少し時間がかかると思いますが、すぐにリズムをつかめると思います」

山本尚貴(トロロッソ・ホンダ)
「セッションを通じて、マシンに慣れることにフォーカスしました。初めてのF1マシンはなんと言ってもパワーがすごく、非常に驚きました。これほどのパワーを感じたことはなく、これこそがスーパーフォーミュラとF1の最大の違いだと感じました。マシンやそのバランスについていくつか学ぶ点がありましたし、多くのことをチームにフィードバックできたと思います。僕にとってホームグランプリですし、FP1から多くのファンが鈴鹿に来てくれました。Red Bull Toro Rosso Hondaのファンの皆さんには本当に感謝しています。ポジションとしてはより上位を望んでいましたが、最も重要だったのはクラッシュせずにエンジニアに情報をフィードバックすることだったと思います。チームがすばらしい結果を残すことを願っていますし、マシンを提供してくれたピエール(ガスリー)に感謝したいと思います」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「今日の走りにはとても満足していますし、このコースのことが大好きなので、ここに来るのが待ちきれませんでした。セクター1はとても印象的で、走るのが楽しみでした。とても早いリズムの中でに走れましたし、ロシアGPよりもずっと快適に感じています。しかし、まだまだやるべき仕事はあります。鈴鹿を走行するのは初めてで、しかも明日の走行はありません。コースを学ぶ時間が短くなってしまうのは、理想的とは言えません。ちょっとがっかりしていますが、だれにとっても条件は一緒なので、準備を続けたいと思います。メルセデスの2台はとても速く、コーナーでの動きもよく見えますが、僕らのマシンもどんどんよくなっているので、そこまで遠い存在ではないと感じています。順調にメニューをこなせていますが、まだまだタイムを向上させられると思います。細かいところまでセットアップを重ねて、あとコンマ2秒はタイムを上げたいです。6番手タイムは望んでいた結果ではないかもしれませんが、日曜日に予選が行われるか、楽しみに待っていたいと思います。ドライの場合、さまざまな要素が絡み合うと思いますが、雨だとかなりトリッキーなコンディションになると思うので、より難しい展開になるでしょう。現時点で明日の予定はありませんが、ホテルにボウリング場があると聞いているので、そこで遊ぶかもしれませんね」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「走り出しのバランスには満足していませんでした。しかし、ラップタイムからみても分かるように、FP1からFP2にかけて、マシンを大きく改善することができました。まだまだ改善の余地はあると思います。メルセデス勢は強力なように見えますが、このコースではさほど驚くべきことではないと思っています。新開発の燃料は、エンジンパワーの上でかなり好材料になったと思っています。金曜日だけの状況で、まだまだ力関係が分からない状況ではありますが、日曜日に予選が行われない状況に備えて、FP2からプッシュをしていきました。台風により、明日はコースに出られませんが、丸一日データの分析に使いたいと思います。また、ほかのドライバーとビデオゲームで遊ぼうと思います。日曜日に予選とレースが同日になることは特に懸念していません。天気ばかりはどうにもならないですし、どんな一日になるか見てみましょう」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1日本GP