ホンダF1、1992年以来のダブル表彰台という偉業を達成 / F1ドイツGP
F1ドイツGPの決勝は、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝、トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトが3位表彰台を果たし、表彰台を2台のホンダのF1パワーユニット(PU)搭載のマシンが飾るというすばらしい結果の歴史的な一戦となった。
雨で迎えた日曜の決勝レースはコンディション確認のため3周のフォーメーションラップから始まったが、その後周回数を減らし、レースはスタンディングスタートが切られることとなった。
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーはスタートで出遅れ、ポジションを落としてしたが、マックス・フェルスタッペンはすぐに3番手までポジションアップ。ピエール・ガスリーは早めのピットストップでさらにポジションを落としてしたが、懸命に追い上げを開始した。
アレクサンダー・アルボンは16番手からスタートだったにも関わらず8番手までポジションアップし、初めてとなったウエットコンディションのF1でも力強さを見せた。
コンディションが変わり、ピットストップが必要な状況になると、25周目のセーフティカーのタイミングでマックス・フェルスタッペンはミディアムタイヤに履き替える。しかしその後再度雨が降り始めると、チームは早めにインターミディエイトタイヤに再度変更する判断を下す。タイミングのいいピットストップのおかげで、マックス・フェルスタッペンはトップに立つことになった。
その後もマックス・フェルスタッペンはピットインを繰り返し、全部で5回のピットストップを実施。チームは確実にピット作業を行い、マックス・フェルスタッペンも多くのドライバーたちがミスをおかす中で、冷静さを保ちレースに集中し、ここ3大会で2度目の優勝へとチームを導いた。
3度目のセーフティカー中、残り20周となった時、トロロッソ・ホンダが思いきった作戦に出る。ダニール・クビアトが他チームに先駆けてスリックタイヤに変更。結果的に他のチームよりも1周早いタイミングでの判断をしたおかげで3番手に浮上し、その後ランス・ストロール(レーシングポイント)をオーバーテイクして、2番手にまでポジションアップを果たした。
レースを通して両チームの作戦と判断はすばらしく、レース終盤ではホンダ PU搭載の4台すべてのマシンがトップ7以内を走行していた。しかしレース残り5周で再開した最後のセーフティカーの後、アレクサンダー・アルボンとピエール・ガスリーが6番手争いで接触し、マシンにダメージを負ったピエール・ガスリーは惜しくもリタイアとなった。
また、セーフティカーにより各マシンの差が縮まり接近戦となったため、ダニール・クビアトはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)にオーバーテイクされるが、3位表彰台を獲得。トロロッソとしては2008年以来の表彰台、そしてホンダとしては1992年以来のダブル表彰台という偉業を達成することとなった。
田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「フェルスタッペン選手が今季2勝目、クビアト選手が3位表彰台獲得と、すばらしいレース結果になりました。レースはウエットとドライが入り混じる難しいコンディションにより大荒れの展開となりました。そんな中、両ドライバーのすばらしいドライビング、非常に的確なチームのストラテジー、それに幾度にも渡ったピット作業を迅速かつ確実に成し遂げたピットクルーの仕事により、見事ダブル表彰台を獲得することができました。両チームのすばらしい仕事に、感謝しています。前回のオーストリアでのAston Martin Red Bull Racingの表彰台に続き、今回はRed Bull Toro Rosso Hondaとも一緒にポディウムに登ることができました。Toro Rossoと昨年ゼロから一緒にプロジェクトをスタートしてきた歴史を思うと、Hondaにとっても本当にうれしい表彰台になりました。Scuderia Toro Rossoのメンバー全員に、心からおめでとうの言葉を送ります。今日はこの特別な一日を、両チームと一緒に祝おうと思います。そして明日からはまた、来週末にやってくるハンガリーGPに向けた準備を進めます」
本橋正充 (ホンダF1 チーフエンジニア/トロロッソ 担当)
「いままでToro Rossoと一緒にたくさん苦労してきましたし、格別な想いです。ここのところ調子があまりあがらなかった中で、今日も本当に難しいレースになりました。そんな中で、すべてがうまく噛み合ったと思います。昨年も4位入賞はあったのですが、いつもあと一歩のところでうまくいかないレースも多かったです。そんな中、今日は本当に『やりきった』と言う手応えを感じられた、忘れられないレースに成りました。チーム、ドライバー、そしてすべてのHonda F1のメンバーの努力に感謝しています。そしてここまで応援してくれた皆さん、本当にありがとうございます」
フランツ・トスト (トロロッソ代表)
「今日のレースは、とてもエキサイティングなFormula1の一戦となりました。フェルスタッペン選手、優勝おめでとう!そしてHondaにとって、このPU時代の競争の中での2勝目は、たいへんすばらしい結果です! そして、ダニール・クビアト選手には誰よりも大きな『おめでとう』を言いたいです。彼の3位表彰台は成るべくして成した結果だったと思います。 今日のような難しいコンディションの中、彼は数々の巧みなオーバーテイクを見せ、最後の最後までミスなくレースに集中していました。雨は我々の味方となってくれたようです。雨の神に感謝しなくてはなりません。ダニールのタイヤ交換のためのピットインのタイミングは早くリスクがありましたが、結果的に表彰台獲得という結果につなげることができました。そのようなすばらしい作戦を立てたチームには賞賛の言葉を送りたいです。エンジニアたちがセットアップですばらしい仕事をしてくれたおかげで、今日は最高のマシンでレースができました。そしてアルボン選手の今日のレースで見せたパフォーマンスにも、とても満足しています。このように目まぐるしく変化するコンディションの中、F1マシンで走行することは、彼にとって初めての経験だったにも関わらず、6位でレースを終えるのには重要であったし、タイヤマネージメントもしっかりコントロールできていたと思います。Toro Rossoのチームのみんなに、今日のすばらしいレースに貢献してくれたことに感謝します。次戦のブダペストでのレースでは過去にもいい結果を残しています。またすばらしいレースができるのを楽しみにしています」
クリスチャン・ホーナー (レッドブル・レーシング代表)
「今日のマックスとチームのパフォーマンスは信じられないほどで、5回のピットストップを経ての優勝になりました。マックスはこの難しいコンディションでも集中して、すばらしいペースを発揮して勝利をつかみ取りました。Hondaにとってはダブル表彰台という最高の結果になりましたし、Toro Rossoと、昨日父親になったばかりのダニール・クビアトにも心からおめでとうと言いたいです。今日はピットクルーもすばらしい仕事をしてくれたので、それに報いるためにも、我々のチーフメカニックであるフィル・ターナーに表彰台でコンストラクターズトロフィーを受け取ってもらいました。ピエールについては、いい展開が訪れた時間帯もありましたし、トップ5以内でフィニッシュも可能だっただけに残念です。アルボンとの接触は私も目にしましたが、幸いにも両者にケガはありませんでしたし、ピエールもここからばん回してくれるでしょう」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ/優勝)
「このようなレースで優勝できて最高ですし、Hondaとともに今季2勝目を挙げられたのもすばらしいことです。スタートで何が起きたのか自分でもよく分かっていませんが、右側のグリッドにいたマシンはみんなグリップが低かったように思います。クラッチをつないだときにはひどいスタートになっていましたが、冷静にメルセデスの後ろにつけました。気流が乱れ、路面が乾いてタイヤにも厳しくなっていたので、パスするのはたいへんでした。そこからは、戦略の判断がすべて当たりました。スリックタイヤに変えたときには360度回るスピンを喫してしまいましたが、幸いにも走行を続けることができました。再びインターミディエイトを履いてからはレースをリードしてペースをコントロールすることができましたし、マシンのペースを十二分に発揮しました。先頭に立ってからはなるべくリスクを避けたのですが、全体的な感触もよくなっていました。とても難しいコンディションで、サバイバルレースになりましたし、変化する状況への対処は簡単ではありませんでした。チームの判断はすべて正しく、他チームの状況やセクタータイムを注視しながら適切な情報を与えてくれました。最高のチームですし、みんなが連携していい仕事をしてくれました。僕にとってはこれまでで最も難しいレースの一つで、そこでトップに立てたのは最高の気分です。ウエットでのドライビングを楽しみましたが、それはマシンがよかったからこそだと思います。自分の腕とマシンの両方が力を発揮できてのこの結果に、とても満足しています。(母国オランダのカラーである)オレンジを身につけたファンがたくさん来てくれましたし、首位に立ってその光景を目にするのはすばらしかったです。チームのみんなに感謝しています。たいへんだったけど、最高の決勝日になりました」
ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ/3位)
「F1での2度目のチャンスとなる今シーズン、こうして表彰台にまた戻って来ることができて最高の気分です。再び表彰台に上ることは難しいのではないのかと思っていたので、信じられないぐらいうれしいです。今はいろいろな感情が高ぶって、少し落ち着く時間が必要かもしれないですね。Toro Rossoにとってベッテル選手がモンツァ(2008年イタリアGP)で優勝して以来の表彰台という、すばらしい結果になりました。そんな記念すべき日に貢献することができ、とても幸せです。チームのみんな、一人一人のおかげです、本当にありがとう。ここのところ、自分のキャリアの中でもっとも良い状態だと感じていました。今シーズンは自分自身でも成長し、冷静に考えることを覚え、上位争いができる準備は整っていると感じていたので、今日のこの結果で自分自身に、そして周りの支えてくれた人たちに証明することができました。この結果を一度とは言わず、また何度も繰り返せるようにしていきたいです。今日のようなレースは簡単なものではなく、あのタイミングでのピットインの判断はとても難しいものでした。チームと僕にとってともに勝つも負けるも半々の確率でしたが、今日は共に表彰台を勝ち取ることができたすばらしい結果になりました」
アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ/6位)
「いいレースになりました!このサーキットでのウエットコンディションでマシンがどう反応するか確かではなかったので、スタートは少し慎重になりました。F1で初めてこのようなコンディションで走行しましたが、満足のいくパフォーマンスを見せることができたと思っています。レースペースもよく、すこし運もありましたし、最初のピットストップのタイミングの判断も正しい時を見定められました。4番手を走行していた時は「さあ、行くぞ!」ととても興奮しました。残念ながらウエットタイヤからドライタイヤに替えるための2回目のピットストップはタイミングを逃し、ダニール(クビアト選手)の一周後に入ることになり、その間に4台に抜かれてしまいました。途中まで4番手で走行できていたからか、6位という結果が残念に感じてしまうのは可笑しいかもしれませんね。あの厳しい予選から決勝にはここまで持ち直してくれた、チームのすばらしい働きに感謝しています」
ピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ/リタイア)
「常識では考えられないようなレースでした。雨やクラッシュ、それにともなうセーフティカーとピットストップによって、まるで運試しのような戦いになりました。自分にも多くのチャンスがあっただけに、それをつかめずリタイアに終わったのはとても残念です。レース終盤、僕はアレックス(アルボン)と数周にわたって争っていましたが、接触してフロントウイングが外れ、それによってパンクしたためにマシンを止めざるを得ませんでした。言うべき言葉が見つかりませんが、こういうレースでポイントを獲得できなかったのは悔しく感じています。スタートでは、ホイールスピンを喫してスピードを上げられず、ターン1にかけてポジションをかなり落としたことで追い上げがたいへんでした。今日のようなコンディションでは、いつピットインするのか、もしくはしないのかという判断に運が絡むものです。ただ、ペースはよかったので、次戦のハンガリーに向けてプッシュし続けていきます。チームとHondaにとっては、今日のマックスの勝利によって多くのポイントを稼げてすばらしい結果になったと思います」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / トロロッソ / F1ドイツGP
雨で迎えた日曜の決勝レースはコンディション確認のため3周のフォーメーションラップから始まったが、その後周回数を減らし、レースはスタンディングスタートが切られることとなった。
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーはスタートで出遅れ、ポジションを落としてしたが、マックス・フェルスタッペンはすぐに3番手までポジションアップ。ピエール・ガスリーは早めのピットストップでさらにポジションを落としてしたが、懸命に追い上げを開始した。
アレクサンダー・アルボンは16番手からスタートだったにも関わらず8番手までポジションアップし、初めてとなったウエットコンディションのF1でも力強さを見せた。
コンディションが変わり、ピットストップが必要な状況になると、25周目のセーフティカーのタイミングでマックス・フェルスタッペンはミディアムタイヤに履き替える。しかしその後再度雨が降り始めると、チームは早めにインターミディエイトタイヤに再度変更する判断を下す。タイミングのいいピットストップのおかげで、マックス・フェルスタッペンはトップに立つことになった。
その後もマックス・フェルスタッペンはピットインを繰り返し、全部で5回のピットストップを実施。チームは確実にピット作業を行い、マックス・フェルスタッペンも多くのドライバーたちがミスをおかす中で、冷静さを保ちレースに集中し、ここ3大会で2度目の優勝へとチームを導いた。
3度目のセーフティカー中、残り20周となった時、トロロッソ・ホンダが思いきった作戦に出る。ダニール・クビアトが他チームに先駆けてスリックタイヤに変更。結果的に他のチームよりも1周早いタイミングでの判断をしたおかげで3番手に浮上し、その後ランス・ストロール(レーシングポイント)をオーバーテイクして、2番手にまでポジションアップを果たした。
レースを通して両チームの作戦と判断はすばらしく、レース終盤ではホンダ PU搭載の4台すべてのマシンがトップ7以内を走行していた。しかしレース残り5周で再開した最後のセーフティカーの後、アレクサンダー・アルボンとピエール・ガスリーが6番手争いで接触し、マシンにダメージを負ったピエール・ガスリーは惜しくもリタイアとなった。
また、セーフティカーにより各マシンの差が縮まり接近戦となったため、ダニール・クビアトはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)にオーバーテイクされるが、3位表彰台を獲得。トロロッソとしては2008年以来の表彰台、そしてホンダとしては1992年以来のダブル表彰台という偉業を達成することとなった。
田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「フェルスタッペン選手が今季2勝目、クビアト選手が3位表彰台獲得と、すばらしいレース結果になりました。レースはウエットとドライが入り混じる難しいコンディションにより大荒れの展開となりました。そんな中、両ドライバーのすばらしいドライビング、非常に的確なチームのストラテジー、それに幾度にも渡ったピット作業を迅速かつ確実に成し遂げたピットクルーの仕事により、見事ダブル表彰台を獲得することができました。両チームのすばらしい仕事に、感謝しています。前回のオーストリアでのAston Martin Red Bull Racingの表彰台に続き、今回はRed Bull Toro Rosso Hondaとも一緒にポディウムに登ることができました。Toro Rossoと昨年ゼロから一緒にプロジェクトをスタートしてきた歴史を思うと、Hondaにとっても本当にうれしい表彰台になりました。Scuderia Toro Rossoのメンバー全員に、心からおめでとうの言葉を送ります。今日はこの特別な一日を、両チームと一緒に祝おうと思います。そして明日からはまた、来週末にやってくるハンガリーGPに向けた準備を進めます」
本橋正充 (ホンダF1 チーフエンジニア/トロロッソ 担当)
「いままでToro Rossoと一緒にたくさん苦労してきましたし、格別な想いです。ここのところ調子があまりあがらなかった中で、今日も本当に難しいレースになりました。そんな中で、すべてがうまく噛み合ったと思います。昨年も4位入賞はあったのですが、いつもあと一歩のところでうまくいかないレースも多かったです。そんな中、今日は本当に『やりきった』と言う手応えを感じられた、忘れられないレースに成りました。チーム、ドライバー、そしてすべてのHonda F1のメンバーの努力に感謝しています。そしてここまで応援してくれた皆さん、本当にありがとうございます」
フランツ・トスト (トロロッソ代表)
「今日のレースは、とてもエキサイティングなFormula1の一戦となりました。フェルスタッペン選手、優勝おめでとう!そしてHondaにとって、このPU時代の競争の中での2勝目は、たいへんすばらしい結果です! そして、ダニール・クビアト選手には誰よりも大きな『おめでとう』を言いたいです。彼の3位表彰台は成るべくして成した結果だったと思います。 今日のような難しいコンディションの中、彼は数々の巧みなオーバーテイクを見せ、最後の最後までミスなくレースに集中していました。雨は我々の味方となってくれたようです。雨の神に感謝しなくてはなりません。ダニールのタイヤ交換のためのピットインのタイミングは早くリスクがありましたが、結果的に表彰台獲得という結果につなげることができました。そのようなすばらしい作戦を立てたチームには賞賛の言葉を送りたいです。エンジニアたちがセットアップですばらしい仕事をしてくれたおかげで、今日は最高のマシンでレースができました。そしてアルボン選手の今日のレースで見せたパフォーマンスにも、とても満足しています。このように目まぐるしく変化するコンディションの中、F1マシンで走行することは、彼にとって初めての経験だったにも関わらず、6位でレースを終えるのには重要であったし、タイヤマネージメントもしっかりコントロールできていたと思います。Toro Rossoのチームのみんなに、今日のすばらしいレースに貢献してくれたことに感謝します。次戦のブダペストでのレースでは過去にもいい結果を残しています。またすばらしいレースができるのを楽しみにしています」
クリスチャン・ホーナー (レッドブル・レーシング代表)
「今日のマックスとチームのパフォーマンスは信じられないほどで、5回のピットストップを経ての優勝になりました。マックスはこの難しいコンディションでも集中して、すばらしいペースを発揮して勝利をつかみ取りました。Hondaにとってはダブル表彰台という最高の結果になりましたし、Toro Rossoと、昨日父親になったばかりのダニール・クビアトにも心からおめでとうと言いたいです。今日はピットクルーもすばらしい仕事をしてくれたので、それに報いるためにも、我々のチーフメカニックであるフィル・ターナーに表彰台でコンストラクターズトロフィーを受け取ってもらいました。ピエールについては、いい展開が訪れた時間帯もありましたし、トップ5以内でフィニッシュも可能だっただけに残念です。アルボンとの接触は私も目にしましたが、幸いにも両者にケガはありませんでしたし、ピエールもここからばん回してくれるでしょう」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ/優勝)
「このようなレースで優勝できて最高ですし、Hondaとともに今季2勝目を挙げられたのもすばらしいことです。スタートで何が起きたのか自分でもよく分かっていませんが、右側のグリッドにいたマシンはみんなグリップが低かったように思います。クラッチをつないだときにはひどいスタートになっていましたが、冷静にメルセデスの後ろにつけました。気流が乱れ、路面が乾いてタイヤにも厳しくなっていたので、パスするのはたいへんでした。そこからは、戦略の判断がすべて当たりました。スリックタイヤに変えたときには360度回るスピンを喫してしまいましたが、幸いにも走行を続けることができました。再びインターミディエイトを履いてからはレースをリードしてペースをコントロールすることができましたし、マシンのペースを十二分に発揮しました。先頭に立ってからはなるべくリスクを避けたのですが、全体的な感触もよくなっていました。とても難しいコンディションで、サバイバルレースになりましたし、変化する状況への対処は簡単ではありませんでした。チームの判断はすべて正しく、他チームの状況やセクタータイムを注視しながら適切な情報を与えてくれました。最高のチームですし、みんなが連携していい仕事をしてくれました。僕にとってはこれまでで最も難しいレースの一つで、そこでトップに立てたのは最高の気分です。ウエットでのドライビングを楽しみましたが、それはマシンがよかったからこそだと思います。自分の腕とマシンの両方が力を発揮できてのこの結果に、とても満足しています。(母国オランダのカラーである)オレンジを身につけたファンがたくさん来てくれましたし、首位に立ってその光景を目にするのはすばらしかったです。チームのみんなに感謝しています。たいへんだったけど、最高の決勝日になりました」
ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ/3位)
「F1での2度目のチャンスとなる今シーズン、こうして表彰台にまた戻って来ることができて最高の気分です。再び表彰台に上ることは難しいのではないのかと思っていたので、信じられないぐらいうれしいです。今はいろいろな感情が高ぶって、少し落ち着く時間が必要かもしれないですね。Toro Rossoにとってベッテル選手がモンツァ(2008年イタリアGP)で優勝して以来の表彰台という、すばらしい結果になりました。そんな記念すべき日に貢献することができ、とても幸せです。チームのみんな、一人一人のおかげです、本当にありがとう。ここのところ、自分のキャリアの中でもっとも良い状態だと感じていました。今シーズンは自分自身でも成長し、冷静に考えることを覚え、上位争いができる準備は整っていると感じていたので、今日のこの結果で自分自身に、そして周りの支えてくれた人たちに証明することができました。この結果を一度とは言わず、また何度も繰り返せるようにしていきたいです。今日のようなレースは簡単なものではなく、あのタイミングでのピットインの判断はとても難しいものでした。チームと僕にとってともに勝つも負けるも半々の確率でしたが、今日は共に表彰台を勝ち取ることができたすばらしい結果になりました」
アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ/6位)
「いいレースになりました!このサーキットでのウエットコンディションでマシンがどう反応するか確かではなかったので、スタートは少し慎重になりました。F1で初めてこのようなコンディションで走行しましたが、満足のいくパフォーマンスを見せることができたと思っています。レースペースもよく、すこし運もありましたし、最初のピットストップのタイミングの判断も正しい時を見定められました。4番手を走行していた時は「さあ、行くぞ!」ととても興奮しました。残念ながらウエットタイヤからドライタイヤに替えるための2回目のピットストップはタイミングを逃し、ダニール(クビアト選手)の一周後に入ることになり、その間に4台に抜かれてしまいました。途中まで4番手で走行できていたからか、6位という結果が残念に感じてしまうのは可笑しいかもしれませんね。あの厳しい予選から決勝にはここまで持ち直してくれた、チームのすばらしい働きに感謝しています」
ピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ/リタイア)
「常識では考えられないようなレースでした。雨やクラッシュ、それにともなうセーフティカーとピットストップによって、まるで運試しのような戦いになりました。自分にも多くのチャンスがあっただけに、それをつかめずリタイアに終わったのはとても残念です。レース終盤、僕はアレックス(アルボン)と数周にわたって争っていましたが、接触してフロントウイングが外れ、それによってパンクしたためにマシンを止めざるを得ませんでした。言うべき言葉が見つかりませんが、こういうレースでポイントを獲得できなかったのは悔しく感じています。スタートでは、ホイールスピンを喫してスピードを上げられず、ターン1にかけてポジションをかなり落としたことで追い上げがたいへんでした。今日のようなコンディションでは、いつピットインするのか、もしくはしないのかという判断に運が絡むものです。ただ、ペースはよかったので、次戦のハンガリーに向けてプッシュし続けていきます。チームとHondaにとっては、今日のマックスの勝利によって多くのポイントを稼げてすばらしい結果になったと思います」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / トロロッソ / F1ドイツGP