F1 ホンダF1
ホンダF1は、元々ダニール・クビアトの4基目のMGU-Hとターボチャージャーに封印を取り付ける意向はなかったものの、今後のレースを考えた戦略的な判断で投入するという決断を下した。

FIA(国際自動車連盟)の金曜プラクティス以降の技術検査では、ダニール・クビアトのマシンに新たにターボチャージャーとMGU-Hの封印が取り付けられたたことが明らかになった。ダニール・クビアトはF1フランスGPで25グリッド降格となる。15グリッド以上のペナルティは最後尾からスタートすることになる。

このような封印は“重要な可動部品がリビルトされたり置き換えられたりすることのないよう”にするため、グランプリで初めて使用される前にパワーユニット内の関連構成部品の各々に取り付けられる。

ホンダは実際にはどちらのパーツも交換するつもりはなかったが、FIAの定義によれば、ダニール・クビアトの4基目のターボチャージャーとMGU-Hは技術的に投入されたことになる。10グリッド降格ペナルティは、追加のコンポーネントが初めて使用された場合にのみ適用されることになり、追加で使用した場合には5グリッド降格ペナルティだけで済むことになる。

ホンダの戦略的な決定によって、ダニール・クビアトは今後、すでにフランスでペナルティの対象となったMGU-H、ターボ、その他のコンポーネントを5グリッドの降格のみで使用できることになる。3つのコンポーネントを1度に交換しても、グリッド後方でのスタートを避けることができ、ホンダにより柔軟性を与える。

技術規則 第5条22 : パワーユニット部品の交換
部品は、F1競技規則の第23条3に規定されているペナルティを受けることなく交換できる。これらの部品の何れかが変更され、封印を破損することになる場合、それは認められるが、FIAの監督の下で実施されなければならない。変更された部品は、F1競技規則の付則4に従い、公認された部品によってのみ置き換えができる。

競技規則 第23条3
a) 複数チームのドライバーをしていない限り(下記第23条3 c)参照)、また下記に記されている追加数を条件とし、各ドライバーは、選手権のシーズンの間、最大3基のエンジン(ICE)、3つのモータージェネレーター熱ユニット(MGU-H)、3つのターボチャージャー(TC)、2つのエネルギー貯蔵装置(ES)、2つのコントロール電子機器(CE)および2つのモータジェネレータ運動ユニット(MGU-K)を使用することができる。FIAの同意をもって(その唯一の裁量で)、最初に参加する選手権シーズンの新パワーユニット製造者(付則9に定義される)の提供するパワーユニットを使用している一切のドライバーについては、上記a)の数が1基増やされる。

b) 選手権シーズン中、構成要素のいずれか上記a)で定める数を超えて使用する場合、当該ドライバーは追加の各要素を使用する最初の競技会にてグリッド位置ペナルティを科される。ペナルティは以下の表に従って適用され、累積する:

 構成要素のいずれか追加のものを初めて使用 : グリッドを10下げるペナルティ
 以降、次に追加の構成要素を使用 : グリッドを5つ下げるペナルティ

ドライバーが15グリッドを超えるペナルティを受けた場合、スタートグリッドの後方からレースを開始することが求められる。2人以上のドライバーがこのようなペナルティを受けた場合、違反行為を犯した順番でグリッド後方に配置される。ただし、予選セッションの終了後に複数のドライバーがこのようなペナルティを受けた場合は、第35条2 c)が適用される。

一旦車両のタイムトランスポンダーがピットレーンを離れたことを示したならば、6種の要素のいずれかは使用されたものとみなされる。いずれの1つの競技会期間中でも、ペナルティの対象となる同一のパワーユニット2つ以上をドライバーが導入した場合、最後に装着されたのみ要素が、ペナルティを受けることなく次の競技会で使用できる。

c) 選手権シーズン中、どの時点であってもドライバーが変更された場合、パワーユニット使用に関する評価目的においては、変更後のドライバーも当初のドライバーとみなされる。

d) 当該パワーユニット供給業者と相談の上、FIAは、競技会にてそれらが最初に使用される前に、重要な可動部品がリビルトされたり置き換えられたりすることのないようパワーユニット内の関連構成部品の各々に封印を取り付ける。

競技会と競技会との間にパワーユニット構成部品が使用あるいは分解できないことを確実にするため、レース後のパークフェルメ終了後2時間以内に、使用されたすべてのパワーユニット構成部品に、排気閉鎖プレート(1気筒につき1つの直径10mmの検査用穴が付いているもの)と、さらに封印が取り付けられる。FIAへの要請により、これらの追加の封印はそのパワーユニットが必要とされる次の競技会の第一次車検開始後に取り外される。このようなすべてのパワーユニットは、車両に搭載されていない間はチームの指定されたガレージエリアになければならず、競技会に参加する資格のある車両に取り付けられている場合を除き、競技会期間中いかなる時も始動させることはできない。

e) パワーユニット内の関連構成部品が最初に使用された後、FIAの封印が損傷あるいは取り除かれている場合には、それらの部品は封印がFIAの監督下にて取り除かれない限り再び使用することはできない。

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / トロロッソ / ダニール・クビアト