ホンダF1 第4期 「エンジン技術では負けない」
ホンダの伊東孝紳社長が、エンジン供給として参戦するホンダ F1 第4期についての意気込みを会見後の質疑応答で改めて語った。

ホンダは2015年からマクラーレンへのエンジン供給というカタチでF1に復帰することを発表。ワークスチームとしても参戦したF1第3期には9年間でわずか1勝と辛酸をなめたホンダだが、第4期に供給する1.6リッター V6エンジンとエネルギー回生システムに自信をみせた。

伊東孝紳社長は第3期のF1活動については自身が統括してなかったこともあり“私なりの見方をすると”と前置きしたうえで「F1をエンジンだけでなく、全体をマネージメントするというのはとても大変なことだと思う。それが正直な私の感想です」とコメント。

「私どもの方は、どちらかというとエンジンは得意である。ただ、F1に勝つためには、もちろん、高出力のエンジン、それからとても素性のいいシャシー、そしてそれを運転する素晴らしいドライバー、それを支える素晴らしいメカニック、全体をオーガナイズする素晴らしい監督。これらのすべてが一流で、さらに最高状態であるときしか勝てない」

「そういった意味で、第3期のチャレンジは、チャレンジという意味では最高のチャレンジでしたが、正直言うと、本当の実力という意味では、F1を車体もそうだし、チームを運営するということに関しては、やはり我々はもっと謙虚に、学ぶべきところは学びたい、というのが正直な気持ちです」

「ただ、エンジン技術というものに関しては負けるところはないと、ずっと自負を持ち続けています。そういったことで言いますと、この今回のマクラーレンとホンダというのは、ある意味、理想の参戦形態かなというふうに思っており、得意領域をお互いに持ち合いながら、常位に勝利を勝ち取っていくというのは、いま、私が考える理想の形態だと思っていますし、これはやはり、長く続けたいという気持でおります」

「何を期待してこの参戦を考えたのかというと、やっぱり勝つことなんですよね。レースは“一番”に意味があります。これは、我々の過去、F1の活動、他のレースでもそうですが、ずっと味わってきた歴史、経験、それから考えますと、レースは勝たなければいけない。今回は、相当強く、それを意識しながら、活動を続けたいと思います」

2014年からF1には、環境技術に呼応する新しいレギュレーションが導入される。ホンダは、レースと市販車技術の相乗効果にも期待しており、F1に復帰する2015年には、フラッグシップスポーツカーであるNSXが市場に戻ってくる。

「量産車のハイブリッドに関しては、相当幅広くやっておりますし、もうじきいろいろなタイプのクルマが出てくると思います。ここに至るまでに量産に至る信頼性ですとか、燃費効果、走りのおもしろさといったことに就いては、相当積み重ねてきたということがあります。これが少しでも、レースにおいて役立つかどうかということは、非常に、関心を持ったテーマであります」と伊東孝紳社長は語る。

「レースからということで言いますと、ダウンサイズでターボ、また、ターボから回生するというような技術というものは、間違いなくこれから量産車にも影響を与えていく技術であろうと期待を持っております。かねてより、そういったF1においても効率という軸が大きく出て、技術進化が大きく図れるような時には、私どもは十分にチャンレンジする価値があるし、また、積極的にそこに加わっていくことで、我々もレースを正直言うと楽しみにしたい」

「また、技術も量産車に波及させたい。それはいま、日本は非常に得意としている技術分野であると思うし、こういう活動をすることによって、日本全体が元気になっていくということを僕は期待したい」

ホンダは、F1を若い技術者が自らの技術を世界で試し、磨く育成の場としても捉えている。

「F1をやってるからホンダに入るというような人は、確かに少なくなっているかもしれない。でも、それに甘んじてはいけない。やはり、面白い会社、なんかワクワクする会社、ないしは日本全体がそのようにならないといけない。また、そう持っていきたいと、私も常々思ってますし、これから、そういうふうな姿を見て、少しでも、そういう企業活動に参加したいという若い諸君が増えるよう、切に望んでます」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1