ルイス・ハミルトン F1ラスベガスGP予選「これ以上悪くなりようがない」

フェラーリ加入初年度は「悪夢」と表現するなど苦戦が続くハミルトン。前戦サンパウロGPでチームがダブルDNFを喫したばかりだが、ラスベガスではさらに厳しい現実を突きつけられる形となった。
予選で突然失われたグリップと“タイヤ温度ゼロ”の苦悩
Q1後、ハミルトンは「言葉が出ない」と切り出し、路面状況にまったく対応できなかったことを明かした。
「本当に言葉が見つからない。間違いなく十分じゃなかったし、タイヤに全然温度を入れられなかった。アンダーステアが強くて、フロントブレーキの片方がグレージングしていたと思う。コーナーで止まるのにすごく苦労した」
濡れた路面でフェラーリは十分なグリップを得られず、操作の遅れが連鎖的にタイムロスへとつながった。
フェラーリが“最下位”は2009年以来の事態
この結果は、ハミルトン自身にとってキャリア初の「純粋なペースによる最下位」という不名誉な記録であるだけでなく、フェラーリが予選で最下位を記録するのは2009年アブダビGP以来という極めて異例の事態となった。
「FP3では本当に良かった。クルマの感触はすごく良くて、『今日はきっといい日になる』と思っていた。でも、最悪の結果になった。これ以上悪くなりようがないよ」
フリー走行3回目では5番手につけていただけに、状況の急変が本人にとってもチームにとっても想定外だったことがうかがえる。

“赤信号”で混乱も 飛んできたパイロン接触の可能性も
Q1終盤には、ハミルトンが計測開始ラインを“赤信号で通過したのでは”という混乱も生じた。
「少し lift(スロットルを戻す)せざるを得なかった。そしてラインに来た時には赤だった」
さらに、セッション中にコース脇のパイロンと接触したようにも見え、わずかなダメージが走りを阻害していた可能性もある。
雨、タイヤ温度、ブレーキの不調、視界の悪さ、そして小さな接触。複合的な要素が重なり、ハミルトンとフェラーリは予選で完全に流れを失った。
決勝に向けて:巻き返しを狙うが厳しい一日
ドライコンディションに戻る見込みの決勝レースでは、フェラーリ本来のパフォーマンスを発揮できる可能性はある。しかし、20番手という位置は戦略の自由度こそあるものの、オーバーテイクが容易ではないラスベガス市街地では厳しい戦いが続きそうだ。
ハミルトンが語ったように「これ以上悪くなりようがない」予選となっただけに、フェラーリとともにどれだけ立て直せるかが注目される。
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