ルイス・ハミルトン F1アメリカGP予選「理想のバランスを見失った」

フェラーリは今季予選で苦戦が続いており、ここまで19戦中ポールポジションを獲得したのはルクレールによる1回のみ。サーキット・オブ・ジ・アメリカズでも、その課題が再び表面化する形となった。
「バランスにずっと苦しんでいた。最初からかなりのアンダーステアがあって、2ホールずつフロントウイングを足していったけど、結局今日は8ホールも追加することになった」とハミルトンは語った。
「このアンダーステアがすべてを難しくして、フロントタイヤを傷めてしまった。最後のアタックでは少し理想に近づいたけど、それをQ1の段階で持ってこられていれば、そこからさらに積み上げられたと思う」
ポールポジションはレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが獲得し、僅差でマクラーレンのランド・ノリスを抑えた。決勝ではルクレールとハミルトンの間にメルセデスのジョージ・ラッセルが並ぶ。
スプリント予選でも不満「マシンが手強く、タイムが出ない」
土曜日の予選前、ハミルトンはスプリント予選後にもフェラーリのパフォーマンスに不満を示していた。
「プラクティスでは良かったし、スプリント予選のQ1も悪くなかった。でもそこから一気に崩れていった。マシンは本当に運転が難しくて、0.8秒の差なんて、登るには高すぎる山だ」とハミルトンはスカイスポーツに語っている。
スプリントでは4位でフィニッシュし、チームメイトのルクレールを上回った。18戦と4回のスプリントを終えた時点で、ハミルトンはドライバーズ選手権6位(130ポイント)、ルクレールは5位(177ポイント)に位置している。フェラーリはコンストラクターズ選手権3位(307ポイント)で、メルセデスに迫る戦いを続けている。
分析:依然として解決されないフロントの課題
ハミルトンが訴えたアンダーステア問題は、フェラーリSF-25の特徴的な課題のひとつだ。低速域でのフロントエンドの入りが鈍く、高速セクションでは安定する一方で、ドライバーの感触にばらつきが生じている。
フェラーリは週末を通じてダウンフォースバランスの最適化に取り組んだが、路面温度48度という過酷なコンディションも影響し、タイヤのグレイニングとフロント飽和が進行。結果として、ハミルトンは「理想のマシンバランス」に到達する前に予選を終えることになった。
決勝では高温とタイヤマネジメントが勝敗を分ける見込みで、ハミルトンにとっても巻き返しのチャンスは十分にある。
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