ルイス・ハミルトン クリスチャン・ホーナーとフェラーリF1の噂は「集中を乱す」

今週、一部メディアは元レッドブル代表のホーナーがフェラーリ会長ジョン・エルカーンから接触を受け、F1復帰を模索していると報じた。51歳のホーナーは7月にチームを解雇された後、7,500万ポンド(約100億円)規模の和解金を得ており、再びパドックに戻る意欲を持っているとされている。
今週末のF1アメリカGPを前に、ハミルトンは次のように語った。
「その噂がどこから出たのか分からないから、詳しくは言えない。でも、こうした話は当然ながら良い影響を与えない。ファクトリーのみんなは信じられないほど懸命に働いていて、こうした噂はときに集中を乱すことがある」
ホーナーがフェラーリのチーム代表に就任するという報道の真偽を問われると、ハミルトンは「いや、そんな話に乗るつもりはない」と一蹴した。
シンガポールGPでは、アストンマーティン代表のアンディ・コーウェルが「クリスチャンはいま、ほぼ全チームオーナーに電話をかけているようだ」と冗談交じりに語り、ホーナーと自チームとの関係を否定。ハースF1チーム代表の小松礼雄も同様に噂を一蹴している。
一方、フェラーリは7月に現チーム代表のフレデリック・バスールと複数年契約を締結し、将来に関する憶測を終わらせていた。チームの成績が伸び悩む中でも、ハミルトンとシャルル・ルクレールはバスールへの信頼を公に表明している。
ハミルトンは次のように続けた。
「僕たちにとって、これは少し集中を乱すことなんだ。でもチームはフレッドとの再契約で立場を明確にしている。フレッドも僕もチーム全体も、将来に向けて全力で取り組んでいる」
「今は目の前の目標に集中し、来年のクルマづくりに注力している。今年の成果を基盤として、来年はより良い実行力と総合的なパフォーマンスを目指す。僕たちは方向性をしっかり定めるために多くのミーティングを重ねている」
7度の世界王者であるハミルトンは、残り6戦に向けてチームの重点を「得点力の最大化とプロセスの改善」に置いていると強調した。
「週末にはいくつかの好機があったのに生かせなかった場面があった。だからこそ、うまくいった部分を引き続き活用し、機能していない部分を改善する必要がある」
「関係性やコミュニケーションをさらに深めていくことも大切だ。ファクトリーのみんなは良い結果に値する努力をしているし、僕たちの唯一の目標は良い結果を出すこと。週末ごとにパフォーマンスからあらゆるポイントを絞り出すことに集中している。そして、それは必ず実現できると信じている」
フェラーリの安定を支える“ハミルトン効果”
ハミルトンの発言は、チームの内部の結束と信頼を強調するものであり、外部からの噂や揺さぶりを一蹴する姿勢を示した。彼の冷静なトーンと具体的な目標設定は、移籍初年度ながらチームに安定をもたらしていることをうかがわせる。
シーズン終盤に向けてフェラーリが競争力を維持し、来季マシン開発を加速させるうえで、ハミルトンのリーダーシップはますます重要な要素となりそうだ。
Source: ESPN
カテゴリー: F1 / ルイス・ハミルトン / スクーデリア・フェラーリ