ルイス・ハミルトン F1イタリアGP会見「夢だったフェラーリで挑むのは特別」
ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、F1イタリアGPの木曜会見に出席し、ミラノで行われたファンイベントやフェラーリ加入初年度の挑戦について語った。

ティフォシの情熱を肌で感じたルイス・ハミルトンは「他のどのチームにもない」と特別な雰囲気を強調し、初めてフェラーリのドライバーとして臨むモンツァへの期待を表明した。

さらにルイス・ハミルトンは、前戦ザントフォールトで科されたペナルティへの不満や、今季ここまでの苦しい戦いについても言及。ニキ・ラウダとの思い出や夏休みに訪れたギリシャでの体験を交えながら、困難を乗り越えて強くなる決意を示した。

ミラノの中心部で行われたイベントについて問われたハミルトンは「昨日はとてもユニークな体験だった」と語った。

マラネロに到着してファクトリーに入るとフェラーリのロゴが目に入って、今でも自分をつねらなければならないくらいだ。工場の外にはいつも人がいて、これまでのキャリアでそんな光景を見たことがなかった。ミラノではファンが本当に情熱的で、強烈だったがとてもポジティブだった。彼らが与えてくれた良いエネルギーをすべて受け止めようとした」と語った。

モンツァでフェラーリのドライバーとして表彰台に立つことを想像したかと聞かれると「考えたことはない。すでにここで何度も表彰台に立っているから、どんな感じかは知っている。だがフェラーリのドライバーとして味わう気持ちは想像を超えるはずだ。ここはどのチームのドライバーにとっても特別な場所で、パレードラップではファンがとても近くに感じられる。本当にクールだ」とハミルトンは答えた。

パフォーマンスへの期待については「まだチームでの初年度だから、毎戦がこの車で初めての経験だ。サーキットごとにセットアップも違い、新鮮さを楽しんでいる。去年はシャルルがここで勝ったし、この車がどう機能するのか楽しみにしている。週末ごとに学びを得ているから、それを積み重ねていくだけだ」と前を向いた。

また、ニキ・ラウダの存在について問われたハミルトンは「僕をメルセデスに誘ったのはニキではなくロスだった。でもニキとは素晴らしい関係を築いた」とコメント。

「フェラーリ加入を決めたとき、ニキのことは考えなかった。子どもの頃にミハエルを見てフェラーリに憧れたからだ。フェラーリの表彰台での観客の反応は他にないものだった。今はフェラーリでニキを祝えることが特別で、彼の遺産は生き続けている。うまくいかないとき、彼は『やつらに地獄を見せろ』と言った。彼は本当に戦う人だった」

ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ F1 イタリアグランプリ

一方で、前戦ザントフォールトで科されたペナルティについては「帰宅して自分にペナルティが科されたと知ったときは本当にショックだった」とハミルトンは語った。

「報告書を見れば、僕はリフトオフしていたが基準には足りなかった。ペナルティとペナルティポイントは厳しすぎる。仕方ないが学びにはなる。予選も接戦で、Q3に進むのも難しい。5グリッド降格は痛いが、戦う理由が増えた」

「週末を通じてのアプローチは完璧に近かった。日曜は残念だったが、普段はああいうミスはあまりしない。原因を徹底的に分析したし、集中力不足ではなかった。いくつかの要因が重なっただけだ。学んで前に進む。同じアプローチを続ければ進むべき方向はポジティブだ」

夏休みについても触れたルイス・ハミルトンは「ギリシャは美しい。ミコノスは人が多すぎたけれど、南の島々は本当に息を呑むほど美しかった。もっと早く知っていればと思うほどだ。文化や建物も美しく、食べ物も信じられないほど美味しい。また来年も戻りたい」と笑顔で明かした。角田裕毅も同じ時期にギリシャを訪れており、偶然の“すれ違い”となった。

シーズンの厳しさについては「これまで難しいシーズンはいくつもあった。2009年や2010年、2022年や2023年もそうだった。今年は夢だったフェラーリで走っているが、予期しないことも多かった。チームは全力で僕を迎えてくれたし、文化的な違いもあった。フレデリックも『彼を迎えることを甘く見ていた』と言った。今年は全員にとって厳しかったが、それが強さになる。これからは上り坂だし、最高の仲間たちと挑めるのが楽しみだ」とハミルトンは締めくくった。

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カテゴリー: F1 / ルイス・ハミルトン / スクーデリア・フェラーリ / F1イタリアGP