ルイス・ハミルトン フェラーリF1移籍で苦戦する“ブレーキングの癖”

元レーシングドライバーのアレックス・ブランドルは、ハミルトンのデータを分析し、彼の長年のドライビングスタイルが現行フェラーリ「SF-25」に適していないことを指摘した。
「ルイスはよく“クルマを自分に合わせる”か、“自分をクルマに合わせる”かを語っている」とブランドルはF1 Nationポッドキャストで説明。
「毎週末、ルイスのデータを見るが、彼の走りの特徴は変わっていない。高速コーナー進入時に、シャルル・ルクレールよりもわずかに強めにブレーキを踏んでいる」
「ブレーキを踏み始めると、ステアリングの入力と完璧に同期しているが、それがフェラーリ全体の挙動を不安定にしている。ルクレールはブレーキングが非常に繊細で正確だ」
このブレーキングの癖は、メルセデス時代にも課題となっていたとブランドルは明かす。
「果たして彼は、自身のキャリアを通して築き上げたドライビング技術を修正できるのだろうか。これから分かるだろう」
ブランドルはさらに、ウィリアムズへ移籍したカルロス・サインツを例に挙げ、「サインツはチームのやり方に完全に適応した。ルイスはまだフェラーリの要求に追いついていない」と指摘した。

また、マクラーレンのアンドレア・ステラも、サウジアラビアGPで「現代のF1マシンは非常に速く、ドライバーが考える余裕もなく、ほぼ本能だけで最速ラップを刻まなければならない」と語っており、ハミルトンにとって新しいスタイルへの適応は一層困難だと考えられている。
「この癖は、本当に厄介だ」とブランドルは続けた。「タイムを稼ごうとすると、逆にクルマに裏切られ、悪循環に陥ってしまう」
ハミルトンは今季ここまで、グランプリ決勝でチームメイトのルクレールを上回ったことがなく、レース後のインタビューでも次第に落胆の色を隠しきれなくなっている。
予選での苦戦は、昨年メルセデス時代にジョージ・ラッセルに圧倒された時と同様であり、バーレーンGP後には「毎週土曜日になると問題が出る」と認めた。
「いつ改善できるかは分からない。とにかく痛ましい」と語り、改善の時期についても明確な見通しを示せていない。
さらに、今季のフェラーリSF-25に原因を求めることも否定しており、自身のパフォーマンスに課題があることを受け入れている。
なお、予選の苦戦はハミルトンだけではなく、ルクレールも共通の課題として認めており、これが決勝での上位争いを阻んでいると語っている。
カテゴリー: F1 / ルイス・ハミルトン / スクーデリア・フェラーリ