フェルスタッペンとの攻防、ハミルトンの判断を元F1ドライバーが絶賛

問題の場面は29周目、ターン4の高速コーナーで起きた。レッドブルのマックス・フェルスタッペンがイン側からアグレッシブな追い抜きを仕掛け、フェラーリのハミルトンは接触を避けるためにランオフエリアへ逃れた。
レース後、両者はスチュワードに召喚されたが、ハミルトンは出席を辞退。FIAは最終的にフェルスタッペンへの処分は不要との判断を下した。
スカイF1の中継でデビッドソンは次のように分析した。
「これがレースのハイライトだった。マックスはインから仕掛けた。あるアングルでは正当な位置取りに見えるんだけど、カメラの角度によって印象は大きく変わるものだ」
「両者とも非常に賢明に立ち回った。7度のワールドチャンピオンであるルイスが、衝突を避ける“能力”を持っていたからこそ成り立ったシーンだ。マックスが彼をコース外に押し出したと解釈することもできるがね」
「ルイスは視線をコーナーの頂点へ向けつつ、ミラー越しに信じられないようなスピードで接近するマックスの存在を認識していたと思う。ルール上、イン側から仕掛けるマシンは、相手のミラーとフロントアクスルが並んでいなければならないが、マックスは並んでいなかった」
「接触はなかったし、ルイスは適切に対応した。そして何よりも“生き残った”んだ」
「多くのドライバーなら普通のラインで曲がってクラッシュしていただろう。高速スピンになっていたはずだ。だから、あの判断は素晴らしかった」
フェルスタッペンは最終的に9位でフィニッシュし2ポイントを獲得、ハミルトンはQ3進出を逃した影響もあり12位でノーポイントに終わった。
デビッドソンはハミルトンの不振についても言及した。
「今日のレースは、ルイスにとってもマックスにとっても理想的ではなかった。だが、マシンのパフォーマンスが足りない時は、こうした展開になるものだ」
「ルクレールとの差はわずか0.25秒だったが、その差でQ3進出を逃してしまった。これが彼の1日を難しくしてしまった原因だ」
一方、フェルスタッペンもこの件についてコメントを残している。
「実際、何も起きていない。接触もしていない。それなのに調査が必要だった理由が理解できないんだ」
「我々は自分たちの視点を説明した。ルイスは出席していなかったけどね。彼が本当に何か問題を感じていたら、あそこに来ていたはずだろ? そうじゃなかったから、たぶん彼も調査の必要性は感じていなかったんだと思う」
「どちらにせよ、僕たちは週末全体を通してベストなパフォーマンスではなかった。あの場面はその一部に過ぎない」
「あのコーナーは速いけど、ダウンフォースがあるからある程度はコントロールできる。僕はインから仕掛けた。彼は僕の存在に気づくのが少し遅かったみたいで、それで少し外へ出て、結果的にコース外へ逃げただけ。接触はしていないし、何も起きてない」
さらにフェルスタッペンは、FIAの厳格化されたドライビングスタンダードガイドラインについても次のように言及した。
「問題は、ルールが多すぎることなんだ。だからすべてが複雑になっている。明確じゃないケースも多い」
「何の接触もなかったのにスチュワードの部屋に呼ばれるってのは、ちょっと変だよね」
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