ティモ・グロック トヨタF1
ティモ・グロックが、F1ベルギーを振り返った。

2009年スペックのクルマで走ったスパは、去年までと同じく楽しめましたか?
もちろんだよ。スパはとにかく素晴らしいサーキットだし、たとえクルマが幾分変わったとしても、サーキットは同じだし、相変わらずとても攻略が難しいコースだ。毎シーズン、私は特にスパでレースするのを楽しみにしていて、フリー走行が始まって最初の周回を走れるときはとてもいい気持ちになる。先週末は、私にとってF1でわずか3回目のスパだったが、それでもこの感覚は絶対に消え去ることはないと思う。

スパは天候が変わりやすいことでも有名です。週末中に雨を予想していましたか?
一番雨が降る可能性があるのは金曜日だと我々にはわかっていた。実際にそうなったよね。1回目のフリー走行の序盤はドライだったけれど、数分もすると自分のバイザーに雨粒が落ちてきたのが見えたんだ。そこから状況がどうなるのか、私にはわかっていたよ。まさにスパでの典型的なセッションになった。雲が低くなり、ずっと雨が続く状況だ。金曜日の時点では残りの週末はドライのまま続くとかなり自信を持っていたので、雨用のセットアップを試しても、あまり得られるものは多くなかった。結局、この雨のせいでコース走行時間を大きく失うことになった。それでもあの状況は全員にとって同じだったし、スパでは雨のセッションになっても別に驚くことじゃないからね。

ベルギーでは予選のパフォーマンスの改善を目標にしていましたが、予選7番手には満足でしたか?
予選での私のラップは悪くなかったし、全セッションを通じて、常にトップ10に入っていた。ここにも我々の進化が表れている。ヤルノがフロントローを獲得したことはチームにとって素晴らしいことだったし、競争がこれだけ激しい中、2台揃ってトップ8入りできた事実は、我々が予選で更なるパフォーマンスを発揮できたことを示すいい兆候といえる。自分としてはもう少し上の順位になれたらよかったと思う。というのも、自分にはトップ6入りできる潜在能力があったと思うからね。でも、ともかく我々は期待が持てる順位を獲得できていた。

バレンシアでの結果を考えると、今回の予選でのトヨタの競争力には驚きませんでしたか?
スパは我々に合っているはずだと思っていたけど、バレンシアでは理由もよくわからないまま予選での結果がかなりの期待はずれに終わったから、何らかの予想を立てるのは難しい状況だった。今回はフリー走行の最初から、クルマは手ごたえがよく、自信を持つことができた。バレンシアのときよりも競争力が上なのは明らかだったしね。予選の直前の時点で我々はかなり楽観的になっていたから、ヤルノと私が上位争いをしたのも特に意外ではなかったよ。

レースでは何が起こったのでしょう?
私のスタートはまずまずだったけど、スパでの1コーナーはいつも通り大変な混戦になり、接触するクルマも何台かあった。第1セクターの終わりで私はトップ6を争っていたが、そのときちょっとした混乱が起こったんだ。キミ(ライコネン)がコースをはみ出し、もう少しでロバート(クビサ)にぶつかりそうになった。彼がコースに戻って来た頃、遥か後方で別のアクシデントが起こっていた。私はなんとかそうしたトラブルを全て回避することができ、4位に浮上したものの、残念なことにセーフティーカーがコースに出てきてしまった。

セーフティーカーがどのように影響したのでしょう?
比較的軽い燃料でスタートしていたため、セーフティーカーは全く望んでいなかったんだ。軽いクルマのアドバンテージが失われ、後続を引き離すことができなくなるからね。その上、私はプライムタイヤの熱入れにやや手こずり、そのせいでリスタートでは大きく順位を失ってしまった。でも、私はまずまずの順位を維持していたし、ポイント圏内でフィニッシュできると考えていた。

しかし、1回目のピットストップで時間を失いましたよね?
残念なことに、燃料補給用のリグがしっかりと給油口にはまらなくて、このため、バックアップ用のリグに交換しなければならなかった。チームのみんなは素晴らしい仕事をしてくれて、あっという間に交換してくれたけど、それでもここで数秒を失ってしまった。これが原因で私は渋滞の中に戻ることになり、更にやや時間を失い、結局この顛末の結果、ポイントを逃すことになってしまった。私にはトップ6でフィニッシュする潜在能力もあった。私のレースペースはかなり良かったからね。私は全体で5番目の最速ラップを記録したが、それでもトップ6入りは叶わなかった。

イタリアでの次のグランプリに向けて、抱負は如何でしょう?
ベルギーGPの週末の様々な側面に関しては、かなり励みになっている。特に予選での速さがかなり改善した点にね。レースではやや不運だったし、そのせいでいい結果を手に入れられなかった。それでも我々はポジティブな姿勢を貫かなければならないし、モンツァでの反撃に備えなければならない。次戦もまた高速で低ダウンフォースのサーキットだから、我々が強さを発揮できることを期待している。ただし、今は各チームの戦力がかなり接近しているため、何が起こるのかを予想するのは簡単なことじゃないけどね」

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トヨタ:失意のノーポント (F1ベルギーGP) - 2009年8月31日

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