アルピーヌF1昇格前に検証 コラピントがウィリアムズで見せた全9戦の実力
フランコ・コラピントは来週末のF1エミリア・ロマーニャGPで、ジャック・ドゥーハンに代わってアルピーヌF1のレースシートに復帰する。

アルゼンチン出身のコラピントにとってはF1グリッドへのカムバックとなるこの機会を前に、F1公式サイトでは彼が2024年シーズン後半にウィリアムズで代役として出場した9戦を、週末ごとのパフォーマンスに基づいてランキング形式で振り返っている。

ウィリアムズは昨年、苦戦を続けていたローガン・サージェントに代えてF2勝者でアカデミー所属のコラピントを昇格させ、モンツァでF1デビューを果たした。

21歳のコラピントは、冷静沈着な走りでQ3進出やポイント獲得を果たし、多くのパドック関係者を驚かせたが、その一方でクラッシュやミスもあった。

以下に、彼の9戦をワーストからベストの順で紹介する。

第9位:ブラジルGP
アゼルバイジャンGPでの練習中のクラッシュ(詳細は後述)を除けば、F1デビューからの5戦は比較的クリーンなレースを展開していたコラピントだが、インテルラゴスで行われた豪雨の中の一戦でその記録は崩れた。

サンパウロでの予選と決勝の両方でクラッシュを喫し、しかもそれらは同じ日曜日に開催されたセッションだった。メカニックたちの懸命な修復作業も水泡に帰し、次戦ラスベガスへ向けてさらなる作業が必要となった。

第8位:ラスベガスGP
チームメイトのアレックス・アルボンもブラジルでクラッシュしたこともあり、スペアパーツが不足していたウィリアムズにとってラスベガスは厳しい週末となった。

その中でコラピントは、50Gという大きな衝撃を伴う予選クラッシュを喫し、マシンは大破。メディカルチェックを経て決勝出走が許可されたが、ピットレーンスタートとなり、ドライバーとチームの両方にとって痛ましい週末となった。

第7位:アブダビGP
ブラジル、ラスベガス、そして次項で紹介するカタールと続いたミスの連鎖のあと、シーズン最終戦アブダビでは比較的クリーンな週末を過ごした。

しかし予選では最下位、決勝でもエンジントラブルでリタイアと、存在感を示すことはできなかった。

第6位:カタールGP
アメリカ大陸での激しいクラッシュを経て臨んだカタールでは、最新仕様のパーツを使えないことを認めていた。

スプリント予選では最下位、マシンセットアップ変更のためスプリントはピットレーンスタートとなった。グランプリ本戦でも19番手スタートから、オープニングラップでニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とエステバン・オコン(アルピーヌ)との接触によりリタイアした。

第5位:メキシコシティGP
コラピントの苦戦が始まったのはメキシコだった。チームメイトのアルボンに予選で大きく遅れをとり、決勝ではRBのリアム・ローソンとの接触により10秒ペナルティを受けた。最終的には12位でフィニッシュ。

第4位:アメリカGP(オースティン)
この週末はスプリントフォーマットでの戦いとなったが、コラピントはその適応力を示した。

スプリント予選で10番手、スプリントレースでも12位と好走。本戦ではアルボンが1周目にアクシデントに見舞われた中、コラピントは10位入賞を果たし、F1初ポイントを獲得した。

第3位:イタリアGP(モンツァ)
当初F2で2025年シーズンを迎えていたコラピントだったが、シルバーストンでのFP1とシミュレーターでの働きが評価され、シーズン途中にサージェントの代役としてF1デビュー。

モンツァは彼にとって馴染みのあるサーキットで、週末を通じて着実にペースを上げ、経験豊富なアルボンに近づく走りを見せた。決勝では12位フィニッシュ。

第2位:シンガポールGP
F1カレンダーの中でも特に過酷なシンガポール市街地コースにおいても、コラピントは着実に力を示した。

予選ではアルボンとほぼ同タイムを記録し、1コーナーで果敢にチームメイトの内側に飛び込むなど、見応えあるレースを展開。最終的にセルジオ・ペレスに戦略で敗れポイントには届かなかったが、レッドブルのペレスからも評価を受けた。

第1位:アゼルバイジャンGP(バクー)
全9戦の中でベストパフォーマンスとされたのが、バクーでの走りだった。

練習走行でクラッシュする不運があったが、そこから見事に立て直し、予選では8番手でQ3進出。決勝でもその順位を守りきり、アルボンのすぐ後ろでチェッカーを受けた。

レースではルイス・ハミルトンとの接近戦も繰り広げ、7度の世界王者からレース後に握手を受けるなど、大きな注目を集めた。コラピントは「人生で最も特別な瞬間のひとつだった」と語っている。

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カテゴリー: F1 / フランコ・コラピント / アルピーヌF1チーム