F1 ジャンプスタートの判断基準を変更 スチュワードに裁定権
FIA(国際自動車連盟)は、2024年シーズンの序盤戦で発生した問題に対処することを期待して、F1スポーツ規則の最新版を発行した。

スポーツ規則の変更は、ジャンプスタートに対処し、チームが雨天の影響で練習セッションを欠席しないようにすることを目的としている。

サウジアラビアGPで、マクラーレンのランド・ノリスはマシンに取り付けられたFIAトランスポンダーによって動いていないと判断され、ジャンプスタートによるペナルティを免れた。

FIAはこれに応じてマイアミGP以降の新ルールを発表。

スチュワードは、FIAのトランスポンダーが動きを検知できなかった場合でも、ジャンプスタートをした車両にペナルティを科すことができるようになり、改訂版では「FIAが承認し供給したトランスポンダーによって」判定を下さなければならないという記述が削除された。

ジャンプスタートは、「4秒ライト点灯後、すべての赤ライトが消してスタートシグナルが出される前」に動いたことが判明した場合、ドライバーにペナルティが科される。

F1 自動車競技

また、プラクティスでウェット宣言がなされた際のタイヤ規定を変更。タイヤをセーブするために走行しないチームが出てくることを回避することを目的としている。

2024年は、昨年のようにインターミディエイトが4セット、フルウエットが2セットではなく、グランプリの週末ごとにインターミディエイトが5セット、ウエットタイヤが3セット割り当てられる。

しかし、この追加セットを認めることで合意されたルールの一部として、ウエットコンディションの金曜日にフリーのタイヤが1セット与えられるというルールが撤廃された。

以前は、スプリントレースが予定されていないイベントで、金曜日のプラクティスセッションのどちらかがウェットと宣言された場合、そのセッションでインターミディエイトを使用したドライバーに追加セットが与えられていた。事実上、フリーのタイヤセットが利用可能であることを意味し、インターミディエイトを使ってもデメリットがないため、各チームは積極的にセッションに参加した。

しかし、それがなくなったことで、インターミディエイトを使い切った場合、予選や決勝がウェットコンディションになったときに、タイヤを温存していたライバルたちに劣る可能性が出てくる。

その結果、先月の鈴鹿サーキットでF1日本GPでは雨模様のFP2セッションが行われたが、1時間の練習セッション全体でラップタイムを記録したドライバーはわずか9名にとどまり、F1 CEOのステファノ・ドメニカリを含む多くのドライバーが不満を述べていた。

これを受け、FIAは限られたインターミディエイトタイヤを週末の後半に使うのではなく、雨の影響を受けたプラクティスセッションで有意義な走行を行うことをチームに促すために、新たなルールを追加。プラクティスがウェットと宣言された場合には1セットのインターミディエイトを返却することをヒムづけた。

第30.5条(g)では「第30.2条(a)iiで各ドライバーに割り当てられた5セットのインターミディエイトタイヤのうち、プラクティス1回目、2回目、3回目がウェットと宣言された場合、1セットのインターミディエイトタイヤはプラクティス3回目終了後2時間以内に電子的に返却しなければならない "と規定されている」と記載された。

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)