FIAとフェラーリF1、女性ドライバー発掘プロジェクトを発足
FIA(国際自動車連盟)は、フェラーリF1と協力して将来F1に到達することを目指す女性ドライバーを発掘するイニシアチブ『FIA Girls on Track – Rising Stars』を発足した。

FIAのWomen in Motorsport Commissionは、フェラーリF1およびフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)と協力して、モータースポーツの頂点であるF1に到達するために12歳から16歳の若い女性レーシングドライバーをサポートする長期的な道筋を開発していくことを発表した。

『FIA Girls on Track – Rising Stars』の選定プロセスはFIAのNational Sporting Authoritiesのサポートを受け、4人の選抜候補者リストの中からFDAに加わり、2021年に国際F4選手権に参戦する1名の候補者を選ぶことになる。同様のプロセスは2022年にも実施され、FDAは2年間で2名をドライバープログラムに加える計画となっている。

昨年のクリスマスメディアランチでFDAに女性ドライバーを含めることを目標にしていると述べていたフェラーリF1のチーム代表マッティア・ビノットは「この革新的なGirls on Track – Rising StarsプログラムでFIAと協力できることを本当に嬉しく思う」とコメント。

「我々は、若者がモータースポーツで成長するのを助けることの価値を固く信じている」

「FDAは10年以上にわたって活動しており、ただ純粋に、そして単純に最高のドライバーを選択するだけでなく、文化的、技術的、倫理的教育にも取り組んできた。このことを念頭に、我々は事業領域をさらに拡大し、モータースポーツへの参入を目指す女性の若者を含めるためのさらなる努力が必要だと感じていた」

「実際、彼女たちの参加を妨げる障壁はないが、この分野に女性が進出することがより困難であることを我々は認識している。だからこそ、我々はFIAのイニシアチブに熱心に反応した。我々はこの素晴らしいスポーツにより多くの若い女性に案内する手助けができると信じている」

「もしかすると、いつの日か1976年以来初めてF1世界選手権レースに出場する女性を見られるかもしれない」

『FIA Girls on Track – Rising Stars』は、モータースポーツの改善を目指す長期的プロジェクトを対象としたFIAのイノベーション基金のサポートを受ける。FIA Women in Motorsport Commissionの会長で元ラリードライバーのミシェル・ムートンは、2人のドライバーたちがいずれフェラーリでレースウイナーになることを期待したいと述べた。

「FIA Girls on Track – Rising Starsはスポーツの草の根レベルにおける巨大な一歩であり、マニュファクチャラーのパートナーとともに、我々は若手女性ドライバーの発掘、育成、支援のための非常に確かな機会を得ています」とミシェル・ムートンは述べた。

「プログラムの最初のパートナーであるフェラーリとコラボレートできるというのは素晴らしいことであり、10年にわたる当委員会の活動による進歩の本格的な認知を意味します」

「これは信じられいないほどエキサイティングな複数年契約です。権利を勝ち取った2人には史上初のフェラーリ女性レーサーになってほしいと願っています。そう考えると非常に特別な気分になりますし、Women in Motorsport Commissionにとって歴史的な瞬間となることでしょう」

プログラムはすでに始まっており、FIAの145か国の当局がプログラムの若いドライバーを指名している。5つの大陸からの20人のドライバーが、10月にポール・リカール・サーキットでのシュートアウトに参加するために選ばれた。

12人のドライバーが次のステージに進み、カートとF4に重点を置いたトレーニングキャンプに参加したのち、4名に絞られる。4名は、11月にフェラーリ・ドライバー・アカデミーの1週間のコースに参加する。

F11の公式タイヤサプライヤーであるピレリもプログラムをサポートする。

「ピレリにとって我々の伝統と完全に一致するこのイニシアチブをサポートできることを憂いく思う」とピレリのカーレースおよびF1責任者であるマリオ・イゾラは述べた。

「実際、ピレリは長年にわたり若手ドライバーのプログラムを維持しており、持続可能性と安全性に焦点を当てたいくつかのキャンペーンでFIAに関与している。FIA Girls on Track – Rising Starsは、これらの良い点がすべてを集まっており、モータースポーツの歴史に重要なページを書くための多くの特徴を持っている」

F1世界選手権の決勝レースに女性が参戦したのは1976年のレラ・ロンバルディが最後となっている。彼女は途中で終了となった1975年のスペインGPでハーフポイントの0.5点を獲得し、F1で唯一ポイントを獲得した女性でもある。1980年代と1990年代にはデジレ・ウィルソンとジョバンナ・アマティがレースにエントリーしたが、予選を通過することはできなかった。

FIA Girls on Track – Rising Stars

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟) / スクーデリア・フェラーリ