FIA医師 「今後は新型コロナ感染者が出てもF1レースは中止にならない」
FIA(国際自動車連盟)の会長職をにある医師ジェラール・サイヤンは、今後のF1レースの現場で新型コロナウイルス感染者が出たとしても、安全対策を適用するためレースを中止する必要はないとの見解を示した。

現在、F1は7月初旬にオーストリアのレッドブル・リンクで2週連続で無観客レースを行う計画を進めている。レース週末には2日ごとに新型コロナウイルス検査が行われ、感染悪大のリスクを低減する対策が実施される予定となっている。

2020年の開幕戦オーストラリアGPは、マクラーレンのチームメンバーが新型コロナウイルスに感染したことが判明したことにより、金曜フリー走行1回目の開始予定時刻の2時間前に開催が中止されていた。

だが、ジェラール・サイヤンは、このシステムによって、検査でパドックのスタッフに新型コロナウイルスへの感染が確認されたとしても、開催中止を回避することができると語る。

「3月のオーストラリアと比較すれば、状況は変わってきている。今では診断をすぐに確定させるためのテスト手段もあるし、感染者と接触があった人たちを隔離してテストすることができるようになっている」とジェラール・サイヤンは L’Equipe にコメント。

「もし、そこで新たな感染者が見つかったとしてもF1選手権を中止することにはならないと思う。それは感染した乗客が乗っていたことが分かったから地下鉄を封鎖すると言うようなものだ」

だが、ジェラール・サイヤンは、当然ながら、サーキットが位置する環境などによって対応の仕方は変わってくるとも認める。

「サーキットが地方にあれば、都市部にあるものとは違ってくる。オーストリアでの対策は、ドイツやハンガリーとは違ってくるかもしれない。各国には異なる規制があり、サーキットとホテルの状況は隔離ルールに影響を与えることもあるだろう」

「シンガポールやベトナムでF1をやるときにはまた全てが違ってくる。シンガポール政府はF1関係者がサーキットに入る前に2週間の隔離を求めるだろう」

「オーストリアでは状況も非常に落ち着いてきており、危機から抜け出しつつある。全てが比較的安全だし、提案された対策が守られている限り、問題はないだろう」

「恐らく、7月になれば、数分で結果が分かる新たなテストが登場しているだろうし、1000人もの人たちが全ての結果が送られてくるまで待つ必要はなくなるだろう」

F1は、たとえパドック内部を必要不可欠なチームスタッフのみ制限したとして約2000人が集まることになる。しかし、ジェラール・サイヤンは、F1が規定した安全保護措置と対策が保護的役割を果たすことを確信していると語る。

「無観客のグランプリであれば、ホスピタリティ施設が不要になる。そのような施設は換気され、密集していないスペースに設営され、数も限定されるだろう」

「スタッフがサーキットを離れた場合、我々は非常に厳格なルールに基づいた検査を繰り返し実施する。地元当局とWHOが決定した頻度で実施する」

「我々は法務部門と協力して、任意ではあるが感染者とどれだけの接触があったか、1m以内に近づいていたかを判断できるアプリを開発している」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)