フェラーリF1代表フレデリック・バスール 解任報道に激怒「敬意を欠いている」

イタリアの2紙が週末を前に報じたところによれば、2025年シーズン序盤の成績不振を受け、フェラーリはバスールの更迭を検討しているという。しかし、フェラーリはこの報道を完全否定。ルイス・ハミルトンも「馬鹿げている」と一蹴していた。
そしてバスール自身が、ついにこの噂に直接答える場面がやってきた。
「まずは冷静にならなきゃいけないね。そうしないとスチュワードの部屋に呼ばれる羽目になる」とバスールは冗談めかしながら口火を切った。
「これは“イタリア・メディア”全体の話ではない。一部のイタリア・メディアのことだ。自分自身のことならまだしも、チームのメンバーを巻き込むのは本当に敬意を欠いていると思う。彼らの家族に対しても失礼だ」
「昨年も空力部門の責任者のときに同じようなケースがあった。ターゲットが何なのか分からない。チームに“クソを投げたい”だけなのか? もしそうだとしたら、まったく意味が分からない」
「もしかすると、そうすることしか自分たちの存在を示す手段がないのかもしれない。でもこれはチームを傷つける行為だ」
「チャンピオン争いをしているときは、すべてのディテールが重要になる。週末の始まりからこんな報道が出れば、集中力を削がれてしまう」
「もし彼らの狙いが“チームをこういう状況に追い込むこと”だったのなら、その目的は達成された。だがこんな連中が周囲にいるようでは、チャンピオンを獲るなんて不可能だ」

「自分は耐えられるが、スタッフは違う」
「フェラーリの代表になれば、こうした批判を浴びるのは承知の上だった」とバスールは語る一方で、問題は自分ではなく、名指しされたスタッフたちだと強調する。
「彼らは毎日懸命に働いている。そんな彼らに対して“この人は無能だ”“この人は交代だ”なんて記事が出るのは、本当に酷い話だ」
「全員を一括りにするつもりはないが、ジャーナリストの皆さんには考えてもらいたい。チームのスタッフには家族がいる。妻も子どももいる。だからこれは完全に敬意を欠いた行為だと思う」
「月曜にファクトリーへ行って直接説明する」
このような無責任な報道からチームを守るためにできることはあるのか――そう問われたバスールは、次のように答えた。
「月曜の朝、ファクトリーに行って彼らに直接こう言うよ。“あれは本当じゃない。ただの噂だ。気にするな”って。要はリスペクトの問題なんだ」
記者会見の最後には、F1映画へのカメオ出演について話が及び、バスールはジョークを交えてこう切り返した。
「今、新しい仕事を探してるんだよ」
報道への怒りとユーモアを織り交ぜながら、バスールはスクーデリア・フェラーリ代表としてスタッフへの信頼と敬意を貫いた。
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