2026年新F1パワーユニット 内燃エンジン優位で1000馬力の大台突破へ
2026年から導入される新F1パワーユニット。その出力に関して「現行型より非力になるのでは」というファンの懸念があったが、最新のリーク情報で1,000馬力を超える見通しが明らかになった。

内燃エンジンが想定以上にパワーを発揮しており、電動モーターとの組み合わせで総出力は1,060馬力に達する可能性もある。ハイブリッド時代の新たな幕開けに向け、技術革新の成果が早くも示されつつある。

この数日間、パドックでエンジニアと話をすると、その緊張感がはっきりと伝わってくる。パワーユニットの期待される出力について、関係者たちは極めて口が重い。誰もが早い段階で手の内を明かしたくないのだ。競合に余計なヒントを与えることも避けている。

今になってエンジンメーカーが大きな遅れを抱えているとすれば、もはや挽回は難しいだろう。すでに1月のバルセロナテストという最初の大きな試金石が待っているからだ。そのため各ファクトリーでは現在、試験ベンチがフル稼働している。開発のこの段階では、エンジニアたちは最大出力よりもむしろ信頼性に焦点を当てている。

燃料パートナーにとっての課題は、持続可能な混合燃料を十分な量生産することだ。そうでなければテスト走行中に燃料が切れてしまう恐れがある。エンジンメーカー側もいよいよ生産の正念場に突入している。特にメルセデスやフェラーリのように複数のパートナーチームに供給する立場であれば、遅れは許されない。

秘密のパワーデータ
エンジニアたちが手の内を見せないため、最終的な成果物がどのようなものになるのか、そして新しいパワーユニットがどれほどの出力をクランクシャフトに伝えるのかという点に、大きな関心が集まっている。FIAの当初の目標は、電動出力と内燃出力を50:50に分割することだった。

電動部分は最大350キロワット(475PS)と規定されている。計算上、システム全体で950PSとなるが、これは現行PUの最高出力(レースモードでは1,000PSを超える)を下回る数値である。

しかしエンジニアたちは、すでに内燃エンジン側の性能を大きく引き上げている。現行車両と比較してシステム出力がどこに位置するのかという問いに対して、メルセデスのエンジン部門トップであるハイウェル・トーマスは笑みを浮かべながら「現行と同等になる」と答えている。この発言が出たこと自体、新しいPUが決して現行より劣らないことを示している。

F1 2026年パワーユニット/エンジン

内燃エンジン優位のパワースプリット
「auto motor und sport」に寄せられた内部情報によれば、内燃側だけで430キロワット(585PS)に達しているという。そこに電動の475PSを加えれば、最大1,060PSとなり、パワー配分は55:45で内燃エンジン側が優位に立つ計算だ。

さらに開発はまだ始まったばかりであり、特に燃料の改良によって大幅な進歩が見込まれている。そのため専門家は、新PUが近い将来、現行型を大きく凌駕すると予想している。

特にコーナーの立ち上がり加速では、ドライバーが適応を迫られることになるだろう。電動モーターが後輪に強烈なトルクを送り込むため、現在よりもはるかに大きな加速力が得られる。予選ではドライバーの笑顔を引き出すことになりそうだ。ただし空力ダウンフォースが大きく削減されるため、出力が上がってもすぐにラップレコード更新とはならない。

初年度は急激な学習曲線に
レースにおいては、現行車両との差がさらに大きくなる。燃料使用量が制限されるうえ、内燃エンジンが惰性走行時にバッテリー充電を助ける必要があるため、長いストレートの終わりでは早めにスロットルを戻して「セーリングモード」に入らざるを得ない。効率的な燃焼と充電戦略が、今後はこれまで以上に重要になる。

シーズン序盤、新しいマシンが期待されるほどのパフォーマンスやエンターテインメントを示さなかったとしても、ファンは性急に批判すべきではない。技術革新の規模があまりに大きいため、とくにエネルギーマネジメントにおける学習曲線は極めて急になる。わずか数か月で状況が一変する可能性もある。

結論
ファンの懸念とは裏腹に、新PUはすでに現行型を超える出力を発揮している。もっとも、そのパワーが常時利用できるわけではない。長いストレートの終端では、ドライバーはこれまでよりも早めにアクセルを緩めなければならないだろう。しかし燃料技術やエネルギーマネジメントの進歩によって、短期間でさらなる飛躍が期待できる。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / F1マシン