ホンダとアウディが猛反対 F1 V8エンジン復活検討会議が中止

検討されていたのは、2.4リッターV8エンジンを完全持続可能燃料で走らせ、一定のハイブリッド要素を加える新規定の導入時期。2029年または2030年からの採用案が浮上していたが、ホンダとアウディの強硬な反対によって合意形成は不可能となり、会議そのものが白紙に戻った。
『The Race』が最初に報じたところによると、当初はエンジンメーカーとチームが集まり、ハイブリッドの出力やターボ要素の有無といった詳細を詰める予定だった。ビン・スライエムは2029年からの導入を望んでいたが、メーカー側はコストや複雑性を理由に慎重な姿勢を示していた。
2030年導入案が妥協点とみられていたが、F1のパワーユニット・ガバナンス協定では2031年以前の規定変更にはメーカー5社のうち4社の賛成が必要となる。ホンダとアウディが明確に反対したことで、その条件を満たすことが不可能になった。
このため、ビン・スライエムは出席予定者に「現状では合意は得られない」と伝え、会議を取りやめたとされる。ただし2031年以降については協定が存在しないため、理論上FIAは一方的に規定を決定することも可能だ。しかし急進的すぎる変更はメーカー撤退のリスクを伴う。

それでもFIAは、2031年のエンジン規定についてはFOMやメーカーと協力して策定していく方針を強調。今回の会議は「延期」とされ、今後の議論に向けて関係者が改めて案を練る時間が設けられることになった。
ビン・スライエムは今年初め、F1エンジンの将来像についてこう語っている。
「我々には、もっと軽い新しいエンジンが必要だ。これが進むべき道だ。ギアボックスは単一サプライヤー。燃料も単一サプライヤーにすることが主要な要素のひとつ。そして電動ハイブリッドも単一サプライヤーだ。それはFOMとチームの支持があって初めて成り立つ。だから我々は彼らに投げかける。そして彼らが受け入れるか見てみる。受け入れなければならない、なぜならそれが常識だからだ」
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