2022年F1マシン:硬いサスペンションとダウンフォース特性は“頭痛”の種?
2022年にグラウンドエフェクトカーに変貌を遂げたF1マシンは、硬いサスペンションとハンドリングによってF1ドライバーにとって文字通り“頭痛”の種になるかもしれない。

昨年までのF1マシンは、乗り心地を改善し、タイヤのデグラデーションを抑え、縁石をうまく転がすために複雑なサスペンションシステムを何年もかけて微調整してきた。

しかし、2022年にF1は新しいレギュレーションを導入。レースを改善することを目的としてF1マシンの空力コンセプトは一新され、ハンドリングはまったく異なるものになることが予想されている。

グラウンドエフェクト効果のコンセプトへの移行は、ベンチュリトンネルを通るマシン下の気流の管理に重点を置いており、それを最大化するための最良の方法は、フロアをできるだけ地面まで低くすることだ。

それを達成するために、F1チームはサスペンションをかなり強化する必要がある。そして、それはF1ドライバーにとって少し骨を震わせることになるかもしれない。

アストンマーティンF1の最高技術責任者であるアンドリュー・グリーンは、サスペンションの動きがないために次世代F1マシンはゴーカートのような運転感覚になると話ているが、それは必ずしもカートと同じくらいドライビングが楽しいことを意味するわけではない。

マクラーレンF1のダニエル・リカルドは、硬いサスペンションとトリッキーなハンドリングがドライバーにとって物事を台無しにしないことを望んでいる。

2022年F1マシンを扱うのは少し難しくなると思うかと質問されたダニエル・リカルドは「2つの方向に進む可能性があります」と語る。

「レースカーは素晴らしく難しいものになる可能性がある。インディカーを特にロードコースで見ると、彼らは常にマシンと格闘している。僕にとっては楽しそうに見えるけど、他の人は『これを扱いきれない!』と感じるかもしれない」

「素晴らしい楽しみと醜い楽しみがある。素晴らしい方になってくることを願っているよ」

「乗り心地はさらに悪くなると思うけど、それほど悪くないことを願っている。文字通り、マシンを運転することで頭痛がしないとをね」

「頭痛のなかで集中するのが好きな人は誰もいない。でも、僕はもっとハッピーで楽しい側にいるし、それがどのようになるかについてはグラス半分くらいは期待している」

しかし、F1ドライバーにとって問題となるのはサスペンションの剛性だけではない。グラウンドエフェクト効果が様々な速度でダウンフォースを生み出す方法、そして、18インチタイヤへの変更は、近年の状況からはかなりかけ離れているからだ。

アストンマーティンF1のセバスチャン・ベッテル は、タイヤが寛容ではなくなるせいで、マシンはよりシナッピーになり、低速コーナーと高速コーナーの間に大きなコントラストが出てくると考えている。

「ストレートではマシンが少し速くなることが期待されていると思う」とセバスチャン・ベッテルは語った。

「スピードに大きく依存することになると予想している。つまり、速いコーナーではダウンフォースが多くなり、遅いコーナーではダウンフォースが少なくなると思う」

「それがタイヤとどのように組み合わされるのか、それがコース上でどのように感じられるのか、マシンがどのように動かされるのかは、僕には分からない。現時点では、ほんの少ししか推測できない」

「昨年のテストでは、タイヤがドライビングの挙動を少し変えること、そして、その点で限界ゾーンはそれほど広くないとすでに聞いている。つまり鋭いエッジの真ん中にいるということだ。そのため、グリップが外れると、スライドが速くなるか、その意味でマシンを早く失うことになる。マシンを捕まえるのにもっと時間がかかる。驚かされる準備ができていなければならない」

では、F1は、1980年代初頭のグランド効果の時代を繰り返えそうとしているのだろうか。当時、非常に硬いサスペンションと残忍なハンドリングにより、マシンの運転はそれほど楽しいものではないとされていた。

マクラーレンF1のテクニカルディレクターを務めるジェームズ・キーは、事態がそれほど悪化するとは考えていないが、まだ判断はできないと認める。しかし、彼は1つのことを確信している。それは、ドライバーがレースに勝った場合に、マシンがどれほど悪いかは気にしないということだ」

「グラウンドエフェクト効果により、狭い範囲の車高で作業するようになる」とジェームズ・キーは語った。

「車両ダイナミクスの観点やタイヤのデグラデーションの観点からは望ましくはない。実際に設定できる場所でこれらすべてが役割を果たすためだ」

「ドライバーの快適さは確かにそれらの要因の1つだが、ドライバーは、マシンが速くなれば、少しの不快感は気にしないこだろう!」

「これらのマシンのセットアップに慣れることになると思う。それらが本当に堅くなければならないかどうかは、開発プロセスが続くときにのみ分かる」

「だが、以前ほど困難ではないことを期待している」

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カテゴリー: F1 / F1マシン