プロストとマンセル 伝説のF1マシンでグッドウッドに登場へ

F1創設75周年を祝う今年のイベントでは、「The Winning Formula: Champions and Challengers(勝利の方程式:王者と挑戦者たち)」というテーマのもと、彼らの栄光を象徴するマシンが再び火を吹く。
名車とともに蘇る宿命のライバル関係
4度のワールドチャンピオン、アラン・プロストは、1988年に15勝中7勝を挙げた伝説のマクラーレンMP4/4を再びドライブする。このマシンはF1史上最強と称され、コンストラクターズとドライバーズの両タイトルをマクラーレンにもたらした。チームメイトのアイルトン・セナにタイトルを譲ったものの、プロストの走りは今もファンの記憶に鮮烈に残る。
一方のマンセルは、1986年にウィリアムズにコンストラクターズ王座をもたらしたホンダエンジン搭載のFW11を操る。シーズン終盤までタイトル争いをリードしていたものの、アデレード最終戦でのタイヤバーストにより、タイトルは皮肉にもプロストの手に渡った。今夏、かつてのライバルは“ノスタルジアのチームメイト”として、7月12日(土)のヒルクライムで共演を果たす。

歴史と馬力の祭典、名門チームも総力結集
マクラーレンはMP4/4に加え、プロストが1985年にタイトルを獲得したMP4/2B、エマーソン・フィッティパルディが栄光をつかんだ1974年のM23、そしてルイス・ハミルトンが初王座を獲得した2008年のMP4/23を展示。さらには2024年のコンストラクターズ王者MCL38や、ル・マンを制した1995年のF1 GTRも登場し、まさに“マクラーレン栄光の車列”が揃う。
ウィリアムズもFW11のほか、マンセルに悲願の王座をもたらしたアクティブサスペンション搭載のFW14Bを披露。チーム代表のジェームス・ボウルズは、FW14Bのステアリングを握り自らヒルクライムを走行する。
「ウィリアムズの豊かな歴史をグッドウッドで祝えるのは大きな名誉だ。FW11の復活は、アトラシアン・ウィリアムズ・レーシングとホンダの歴史的な技術提携の象徴でもある」とボウルズは語った。
「FW14Bと並んで走る姿は、我々のレーシングレガシーを体現するもの。このイベントは、我々を突き動かしてきた伝統と革新の精神を称えるにふさわしい」
さらにFW11のドライブには、往年のウィリアムズドライバーであるティエリー・ブーツェン、リカルド・パトレーゼ、そしてウィリアムズ・ヘリテージ・アンバサダーのカルン・チャンドックも名を連ねる。
F1の黄金時代を彩った伝説たちが再集結する2025年グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード。これは、過去と未来をつなぐ究極の“走るモータースポーツ博物館”となるだろう。
カテゴリー: F1 / F1マシン