F1マシン列伝:実際にレースでは走ることがなかったカラーリング
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シーズン開幕前のスポンサー契約解消は非常に珍しいことではあるが、過去にはテストだけで使用されたカラーリングは多く存在した。過去のアーカイブを掘り下げてみよう。
ルノー R27(2007年)
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マイルドセブンとのタイトルスポンサー契約が終了したルノーがR27を発表した際、暫定的なブルーとイエローのカラーリングが施された。このカラーリングは1月末にINGとのタイトルスポンサー契約が発表されてカラーリングが変更するまでのヘレステストで使用された。
マクラーレン MP4-22(2007年)
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一見するとこのマクラーレン MP4-22の印象的なクロームカラーリングはレースで走っていたように見えるが正確にはそうではない。シルバーストンでのインシーズンテストではフェルナンド・アロンソがテストしたパーツはボーダフォンの赤がブラックに塗り替えれていた。
B・A・Rホンダ 006 (2004年)
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2004年にいくつかのチームはプラクティスで3台目のマシンを走らせることを許された。BARホンダはテストドライバーのアンソニー・デビッドソンが金曜セッションで数回走行を実施。ハイライトはドライビングポジションを表現したカラーリングだった。F1中国GPではチームオーナーのブリティッシュ・アメリカン・タバコが555を宣伝するためにアンドニー・デビッドソンのサードカー、オーバーオール、ガレージデカールはブルーとイエローの専用カラーとなった。F1トルコGPではローカルスポンサーのために赤が際立ったカラーリングが施された。後のスーパーアグリに似たカラーリングだ。
レッドブル/ジャガー R5 (2004年)
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レッドブルがジャガーを買収した2004年末の最初の走行では、R5はレッドブルのエナジードリンク缶に似たカラーリングが施された。このカラーリングはレッドブルのコーポレートカラーが施された2005年マシンRB1が登場するまで使用された。
フォース・インディア VJM10 (2017年)
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フォース・インディア VJM10は、プレシーズンテストでは2015年以降に使用されたシルバースキームが用いられていた。しかし、開幕戦前にBWTとの契約が決定。ピンクのカラーリングに変更され、このカラーリングがテストで走ったことはなかった。
マクラーレン MP4-20 (2005年)
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マクラーレンが現在のパパイヤオレンジを採用するはるか前の2006年、WESTとのスポンサー契約を終了したマクラーレンはテスト用のカラーリングを採用。1997年にもこのカラーリングは使用された。
ホンダ RA107 / RA108 (2007年/2008年)
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2007年と2008年の冬季テストでホンダF1はテストラーリングを走らせた。1年目はブラックでジェンソン・バトンもそれに合わせたヘルメットを用意。2年目は白。それぞれのマシンはレースではEarth Dreamsコンセプトに置き換えられた。
フォース・インディア VJM01 (2008年)
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2007年にビジェイ・マリヤがスパイカーを買収してフォース・インディアが誕生。冬季テストでは現在のアルファロメオのようなワインレッドとホワイトのカラーリングが使用された。レースではゴールド、レッド、ホワイトのカラーリングに変更された。
アルファロメオ C38/C39 (2018年/2019年)
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アルファロメオ C38は、バレンタインデーにフィオラノでシェイクダウンを実施した際、ブラックのボディにハートとアルファロメオの伝説的な“クアドリフォリオ(四つ葉のクローバー)”の紋章が赤いラインで施された。2020年マシン C39のシェイクダウンではsnake(蛇)柄のデザインが施された。
レッドブル RB11 (2015年)
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レッドブル RB11のシェイクダウン時に施された“CamoBull”は近年で最も有名なカラーリングかもしれない。市販車の開発などで使用されるダズル迷彩が施されて登場したRB11は、2010年台で唯一勝利を挙げられなかったレッドブルとなった。
レッドブル RB14 / RB15 (2018年/2019年)
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レッドブルのテスト用カラーリングは非常に人気が高い。2018年マシンRB14はネイビーにブルーの塗装、2019年マシンRB15はネイビーにレッドのカラーリングで登場した。
ウィリアムズ FW36 (2014年)
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ウィリアムズは、テストでネイビーの暫定カラーを使用することが多かった。最後にこのカラーが使用されたのはマルティーニとの契約が発表される前の2014年となった。
ルノー R.S.16 / R.S.20 (2016年/2020年)
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ルノーが2016年にワークスチームとしてF1復帰した際、開幕戦でイエローのカラーリングに変更される前、プレシーズンテストではブラックのカラーリングを走らせた。このアプローチは2020年も行われた。ただし、DPワールドをタイトルスポンサーに迎えたカラーリングはまだコース上を走っていない。
カテゴリー: F1 / F1マシン