F1
2018年からF1マシンへの搭載が義務付けられる『Halo』がパフォーマンスに与える空力的な影響は“小規模”かもしれないが、マシンへの統合自体がF1チームにとってはかなりの難題になっているようだ。

今年始め、FIA(国際自動車連盟)は、コックピット保護デバイスである『Hallo』を2018年に導入すると発表。F1マシンのルックスという点では史上最大級の変化が加えられることになる。

Haloは、コックピット前方から飛来してくるデブリに対してドライバーの頭部を保護し、深刻な怪我を負うリスクを減少させるために設計されている。

7月に発表されて以来、グランプリ週末で様々なチームがHaloをテストしてきたが、ドライバーやファンの間でも意見は分かれている。

ウィリアムズの技術部門を率いるパディ・ロウは、どのF1チームもHaloのマシンへの統合についてベストの方法を採用することに取り組み続けていると述べた。

「Haloをマシンに搭載するのは大きなプロジェクトだ。我々は今も取り組んでおり、統合させるのがかなりの難題だ。適応させるにはかなり重量もあるので、空力よりも構造面の方に大きな影響があると思っている」

その一方、ハースF1チームのプリンシパルを務めるギュンター・シュタイナーは、Halo搭載による課題の規模感を把握しつつも、大規模なレギュレーション変更が実施された2017年と比較すれば難易度ははるかに小さいと指摘する。

「エアロダイナミシストに聞いてみればわかるだろう。実現は不可能だと言うだろうが、それでもやり遂げれば、彼らは『自分たちはなんて素晴らしいんだ。やってやったぜ!』と言うはずだ」とギュンター・シュタイナーはコメント。

「基本的に、我々は自分たちが一番だと思っている。モータースポーツで最も速いマシンだと思っており、自分たちなら対応できると考えるのだと思う。その上で誰がより良い仕事を果たしたのかは来年にならないと分からない。この中で誰が一番になるかはね」

「実行は可能だ。1年で完全に新しいマシンをデザインしたのだから、それと比べれば小さな2つのものがあるだけだ。Haloとシャークフィンだ。イエスかノーかの世界であり、対処できると思っている。うまくやれるとも思っているよ!」

F1ハンガリーGP週末、FIAはHaloの導入方法に関する詳細情報も公表している。

デバイスの構造部品は単一のサプライヤーが製造し、全員に供給することになっているが、整形部分のカーボンファイバーは各チームがデザインする。そのため、FIAはこれまで目にしてきたプロトタイプよりも最終デザインは改善されると考えている。

F1チームがHaloのデザインの一部に関われることで、パフォーマンス面でゲインを見い出してくる可能性もあるが、パディ・ロウは、得られるアドバンテージが最小限になるだろうと語る。

「いくらかのパフォーマンスはあるだろうと思う。おそらく、大部分は荷重に見合う取り付け条件をいかに効果的にもたらすかだろう。この問題に対しては、どの程度の重量を落とさなければならないかだ。重量によるところが大きい」

「空力高価は小規模になるだろう。大規模なプロジェクトになるとは考えていないし、損害もそれほど大きくない。うまく立ち回る余地はあるものの、そう多くはない」

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カテゴリー: F1 / F1マシン