ルクレール兄弟が共演 長男ロレンツォがフェラーリF1夢の走行を実現

36歳のロレンツォは「今週F1をドライブするなんて思ってもみなかった」と語り、この生涯に一度のサプライズを仕掛けてくれたシャルルとアーサー・ルクレールに感謝を示した。
金銭的な現実によって夢が削られた一家にとって、ミストラル・ストレートを駆け抜けるロレンツォの姿は、単なる馬力の誇示ではなく、喜びの循環を象徴する光景だった。
かつては犠牲を払い、シャルルだけがルクレールの名を背負ってF1へと進んだ。その間、兄弟たちは脇から見守るしかなかった。だが今、役割は一日だけ逆転し、シャルルとアーサー・ルクレールは誇らしげにロレンツォを応援しながら、彼が幼い頃の夢を実現する瞬間を見届けた。
それを兄弟の愛と呼ぶのか、それとも学校まで車で送ってくれた過去への仕返しと呼ぶのか──いずれにせよ、赤いマシンに収まったロレンツォはまるで自然体のレーサーのように見えた。そして本人に尋ねるなら、この体験はただ「忘れられないもの」だった。

カテゴリー: F1 / シャルル・ルクレール / スクーデリア・フェラーリ