カルロス・サインツJr. F1メキシコGPで2度の速度超過 ピットリミッターに異常

サインツはレース中の最初のピットストップで速度超過を犯し、5秒加算ペナルティを受けた。31歳のスペイン人ドライバーは48周目にピットインしてそのペナルティを消化したが、その際にマシンの挙動に問題を訴えた。
彼のウィリアムズFW47はピットレーン内で「跳ねるような動き」を見せ、ピットリミッターの作動異常を示していたという。
その後FIAは再び速度超過を確認し、2度目の違反と判断。これによりサインツにはドライブスルーペナルティが科され、58周目にそれを消化した。この影響でサインツは大きく順位を落とし、チームメイトのアレクサンダー・アルボンを含む複数台に抜かれる結果となった。
サインツは予選で7番手と好走を見せていたが、前戦アメリカGPからの5グリッド降格ペナルティにより決勝は12番グリッドからのスタートとなった。メキシコではウィリアムズ勢にとって得意とされるはずの週末だったが、結果的にサインツはリタイア、アルボンも12位と無得点に終わった。
ピットリミッターの異常が原因か
決勝中、サインツはピットレーン内でチームに無線で次のように訴えていた。
「ピットレーンの中でマシンが跳ねてる! なぜかわからないけど、ものすごく跳ねてるんだ。何か壊れてるみたいだ! ピットリミッターを使ってるときの振動を確認してくれ」
この「ジャンピング」症状が速度超過の要因となったとみられ、FIAスチュワードは2回目の違反として厳しい裁定を下した。

サインツのリタイアがレース終盤に影響
サインツは最終的にFW47のトラブルでチェッカーフラッグを受けられず、スタジアムセクションでマシンを停車。これによりバーチャルセーフティカー(VSC)が導入され、2位を走っていたシャルル・ルクレールに迫っていたマックス・フェルスタッペンの追撃が阻まれる展開となった。
結果的に、ランド・ノリスが首位でフィニッシュし、ルクレールが2位、フェルスタッペンが3位に入賞している。
分析:ウィリアムズに広がる信頼性不安
サインツのリタイアと連続したピットレーン違反は、ウィリアムズFW47の電子制御系の信頼性に疑問を投げかけるものとなった。ピットリミッターはFIA規定に基づき時速80kmに制限される重要な安全装置であり、これが正常に機能しなかった場合、単なる操作ミスではなく技術的な問題として捉えられる可能性が高い。
今季ウィリアムズは、コーナリング性能とブレーキ制御の改善で競争力を取り戻しつつあったが、メキシコでの一件はその評価に影を落とす結果となった。チームは次戦ブラジルGPに向けて、ピット制御システムと電子マッピングの再調整が急務となる。
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