キャデラックF1チーム 競争相手から「尊敬を得る」ことを望んでいる
自動車メーカーがF1のようなスポーツへの参入を決断する場合には、それは軽々しく行われるものではない。コスト、マンパワー、そして苦労はどれも膨大なものとなり、その見返りは将来にわたって徐々に現れるだけである。

しかし、キャデラックF1にとって、その目標はより現実的であり、またより形のないものである。キャデラックF1が望むのは尊敬である。

F1の世界に参入するプロセスは、現代では困難を極める。参入を希望するチームは、スポーツ面でも商業面でも、その価値をFIAとFOMの両方に納得させなければならない。参入チームは、数百万ドルの希釈防止料を支払う必要があり、競合他社と部品供給契約を交渉し、独自のシャーシの製造を開始しなければならない。

しかし、たとえメジャーリーグに参入できたとしても、尊敬されるようになるわけではない。

尊敬の念はここ数年大きな話題となっており、アンドレッティ・グローバル、そしてキャデラックが、F1の権力者たちにその価値を説得しようとしてきた。多くのアメリカのファンは、FOMがアンドレッティを拒絶したことを厳しすぎると感じ、アメリカのレース文化を軽視していると感じた。

しかし、2026年のF1デビューに向けた計画を暫定的に開始する許可をキャデラックが得た今、新たな障壁が立ちはだかっている。既存のチームは希薄化防止のための追加資金を要求しており、ジャック・ヴィルヌーヴのような元レーサーは、常に変化する参入基準を、キャデラックを人質に取っているようなものだと例えている。

また、キャデラックを取り巻く多くの議論や憶測、そして成功や失敗に関するさまざまな予測が飛び交う中、真の成功基準を設定することは難しい。

キャデラックはレースの勝利を最初から目指すべきなのか、それともポイント獲得で満足すべきなのか? ワークスパワーユニットをデビューさせるのに妥当な時期はいつなのか? ワールドチャンピオンシップを争うことを現実的に考えるべきタイミングはいつなのか?

キャデラックF1は、競争相手から「尊敬を得る」ことを望んでいる
GMのグローバルモータースポーツ競技のエグゼクティブディレクターであるエリック・ウォーレンとの独占インタビューで、PlanetF1.comはキャデラックが最初から世界選手権や支配といった目標を設定しているわけではないことを知った。

むしろ、キャデラックが10年後までに達成したいことを尋ねられたウォーレンの答えはシンプルだった。

「私たちは常に、トップクラスの競争相手として尊敬される存在でありたいと思っている」とウォーレンはPlanetF1.comに語った。

ウォーレンにとって、それはGMのレースの伝統に敬意を表し、常に進化し続ける形で拡大していくことを意味する。

「つまり、我々は世界中の主要なカテゴリーでレースをしている」と彼は語り、GMのF1、インディカー、NASCAR、IMSA、WEC、NHRAなどへの参戦を挙げた。

「それを言える企業は多くない」

「高いレベルで競争し、レースや選手権で勝利を収めることは、エンジニアリングとテクノロジーのレベル、そしてGMとキャデラックという当社のレベルを証明するものである」

「10年後には、他のメーカーがレーストラックで我々を尊敬していると私は思う」

F1のような熾烈なスポーツで尊敬を得ることは難しいが、GMのレーシングの伝統の力を味方につけたキャデラックには、それをやり遂げるだけの根性がある。

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カテゴリー: F1 / キャデラックF1チーム