ジェンソン・バトン 「本当にタフなレースで10歳も老けてしまったみたい」
2018年のSUPER GTのドライバーズチャンピオンに輝いたNo.100 RAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトンと山本尚貴が、記者会見で改めてタイトル獲得の喜びを語った。
SUPER GTのタイトル争いは、最終戦もてぎまでもつれ込み、ポイントで同点に並ぶNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本/バトン)とNo.1 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ)の直接対決となった。
最終的にNo.100 RAYBRIG NSX-GTが3位、No.1 KeePer TOM'S LC500が4位でフィニッシュして、ジェンソン・バトンと山本尚貴が2018年のSUPER GTのドライバーズタイトルを獲得。
元F1ワールドチャンピオンにとっては9年ぶりに手にするタイトル。SUPER GT参戦初年度での栄冠となった。
ジェンソン・バトンは「今日は本当にタフなレースでした。自分のスティントもとても辛くて、このレースだけで10歳も老けてしまったみたい(苦笑)。でも何とか最後まで走りきって、3位に入ることができました」とコメント。
「前半の(山本)尚貴さんはピットインを延ばしたので、ピットで待っていても少しイライラしました。交替してピットアウトしてからはクルマも調子が良かったけど、目の前に38号車が現れて。(タイトルを争う)1号車との差も分かっていたけど、何とか38号車の前に行きたかった。それで3周ほどは猛プッシュしたんだけど、石浦(宏明)さんには完璧にブロックされてしまいました。ピットで見ている尚貴さんは、きっとイライラドキドキしているだろうな、とも思いましたが、追い越そうとラインを外れるとタイヤかすを拾ってしまいタイヤのグリップが下がってしまいますし。それに今回の大きな目標は“38号車をパスすることではなく、1号車とタイトルを争うこと”と思い直して少し引きました。レースの終盤、1号車に迫られたけれども、1周しのいだら、少しギャップが拡がっていて、そこからは大きなストレスを感じることはありませんでした」
「チェッカーを見てホッとできたし、3位に入賞でき、さらにタイトルを手に入れることもできた。尚貴さんにとってはスーパーフォーミュラに続いてのタイトルだけど、僕にとっては(2009年のF1ワールドチャンピオン以来)9年ぶりのチャンピオンで本当に嬉しいね。長年戦ってきたチームや高橋国光総監督に、タイトルをプレゼントできたことも嬉しいよ」
山本尚貴にとっては、スーパーフォーミュラに次いで、今季2つ目のタイトル獲得となった。
山本尚貴は「応援、ありがとうございました。(今シーズンは)嬉しいことだけじゃなく、辛いことも苦しいこともいっぱいありました。それを話していくととても長くなりますが、まずは何よりも苦しい状態の中で(クルマの)開発を続け、応援してくれたHondaとHondaファンの皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです」とコメント。
「そして、まだ僕が無名のルーキーだった時にチームに呼んでくださった高橋国光総監督、チームをサポートしてくれたRAYBRIGさん。もちろんタイトル獲得に大きく貢献してくれたJB(ジェンソン・バトン)にも感謝の気持ちを伝えたいです」
「今日の決勝レースでは、自分が担当した前半のスティントから、8号車とのバトルになると思っていました。スタートしたら8号車のペースが良かったのですが、何とか食らいついて走っていきました。しかし8号車のピットイン(の周回数)が早くて、そこでどうするか迷いました。本当なら(8号車がピットインした)次の周に入ることにしていたのですが、やはり今回は1号車とのチャンピオン争いがメインだったので、1号車より先に入るのも怖くて…。結果的に同じタイミングでピットインすることになりました。(後半担当の)JBには辛い展開になりましたが、彼の最後の踏ん張りは凄かった。あれこそF1のワールドチャンピオンにもなったJBの力なんだと思いましたね」
1994年の全日本GT選手権(SUPER GTの前身)初年度から参戦するTEAM KUNIMITSUは悲願のチームタイトルも手にした。
総監督を務める高橋国光は「まずは総監督として、2人のドライバーには良く走ったな、と声をかけたいです。またクルマをキチンと仕上げたATJ(メンテナンスガレージ)のスタッフ、クルマの改良を一生懸命続けてきたHondaのスタッフにも労いの言葉をかけたいですとコメント。
「2人のドライバーから話を聞いても、今のSUPER GTがとてもハードなレースだということが分かります。GT500クラスだけ見ても、15台の凄いクルマに30人の素晴らしいドライバーが集まっている。これはもう世界一のレースですね。山本(尚貴)君は、最初にウチのチームに来た頃は子供みたいでした。だから僕もいろいろアドバイスしてきたのだけれど、今ではもう何もアドバイスすることがなくて、逆に僕が勉強になることも多いくらい。スーパーフォーミュラでもチャンピオンを獲ったし、本当に世界に通じるドライバーに成長したなぁと、今日も改めて思いましたね。
一方の(ジェンソン)バトンさんですが、F1でワールドチャンピオンを獲ったドライバーが、『本当にうちのチームで走ってくれるのだろうか?』と最初は思っていました。でも実際に彼がチームに合流してから、彼が一生懸命にSUPER GTを理解しようとしていることが分かりました。彼にはSUPER GTの凄さが分かっていたんでしょうね。反対に僕たちは無意識のうちにSUPER GTがF1よりも下のクラスだ、と思い込んでいたみたい。彼は、それを気付かせてくれました」
「彼らに、もう20年ぶりくらいかな、久しぶりのタイトルをプレゼントしてもらって、本当に今日は感激したし、嬉しい1日になりました」
カテゴリー: F1 / ジェンソン・バトン / SUPER GT
SUPER GTのタイトル争いは、最終戦もてぎまでもつれ込み、ポイントで同点に並ぶNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本/バトン)とNo.1 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ)の直接対決となった。
最終的にNo.100 RAYBRIG NSX-GTが3位、No.1 KeePer TOM'S LC500が4位でフィニッシュして、ジェンソン・バトンと山本尚貴が2018年のSUPER GTのドライバーズタイトルを獲得。
元F1ワールドチャンピオンにとっては9年ぶりに手にするタイトル。SUPER GT参戦初年度での栄冠となった。
ジェンソン・バトンは「今日は本当にタフなレースでした。自分のスティントもとても辛くて、このレースだけで10歳も老けてしまったみたい(苦笑)。でも何とか最後まで走りきって、3位に入ることができました」とコメント。
「前半の(山本)尚貴さんはピットインを延ばしたので、ピットで待っていても少しイライラしました。交替してピットアウトしてからはクルマも調子が良かったけど、目の前に38号車が現れて。(タイトルを争う)1号車との差も分かっていたけど、何とか38号車の前に行きたかった。それで3周ほどは猛プッシュしたんだけど、石浦(宏明)さんには完璧にブロックされてしまいました。ピットで見ている尚貴さんは、きっとイライラドキドキしているだろうな、とも思いましたが、追い越そうとラインを外れるとタイヤかすを拾ってしまいタイヤのグリップが下がってしまいますし。それに今回の大きな目標は“38号車をパスすることではなく、1号車とタイトルを争うこと”と思い直して少し引きました。レースの終盤、1号車に迫られたけれども、1周しのいだら、少しギャップが拡がっていて、そこからは大きなストレスを感じることはありませんでした」
「チェッカーを見てホッとできたし、3位に入賞でき、さらにタイトルを手に入れることもできた。尚貴さんにとってはスーパーフォーミュラに続いてのタイトルだけど、僕にとっては(2009年のF1ワールドチャンピオン以来)9年ぶりのチャンピオンで本当に嬉しいね。長年戦ってきたチームや高橋国光総監督に、タイトルをプレゼントできたことも嬉しいよ」
山本尚貴にとっては、スーパーフォーミュラに次いで、今季2つ目のタイトル獲得となった。
山本尚貴は「応援、ありがとうございました。(今シーズンは)嬉しいことだけじゃなく、辛いことも苦しいこともいっぱいありました。それを話していくととても長くなりますが、まずは何よりも苦しい状態の中で(クルマの)開発を続け、応援してくれたHondaとHondaファンの皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです」とコメント。
「そして、まだ僕が無名のルーキーだった時にチームに呼んでくださった高橋国光総監督、チームをサポートしてくれたRAYBRIGさん。もちろんタイトル獲得に大きく貢献してくれたJB(ジェンソン・バトン)にも感謝の気持ちを伝えたいです」
「今日の決勝レースでは、自分が担当した前半のスティントから、8号車とのバトルになると思っていました。スタートしたら8号車のペースが良かったのですが、何とか食らいついて走っていきました。しかし8号車のピットイン(の周回数)が早くて、そこでどうするか迷いました。本当なら(8号車がピットインした)次の周に入ることにしていたのですが、やはり今回は1号車とのチャンピオン争いがメインだったので、1号車より先に入るのも怖くて…。結果的に同じタイミングでピットインすることになりました。(後半担当の)JBには辛い展開になりましたが、彼の最後の踏ん張りは凄かった。あれこそF1のワールドチャンピオンにもなったJBの力なんだと思いましたね」
1994年の全日本GT選手権(SUPER GTの前身)初年度から参戦するTEAM KUNIMITSUは悲願のチームタイトルも手にした。
総監督を務める高橋国光は「まずは総監督として、2人のドライバーには良く走ったな、と声をかけたいです。またクルマをキチンと仕上げたATJ(メンテナンスガレージ)のスタッフ、クルマの改良を一生懸命続けてきたHondaのスタッフにも労いの言葉をかけたいですとコメント。
「2人のドライバーから話を聞いても、今のSUPER GTがとてもハードなレースだということが分かります。GT500クラスだけ見ても、15台の凄いクルマに30人の素晴らしいドライバーが集まっている。これはもう世界一のレースですね。山本(尚貴)君は、最初にウチのチームに来た頃は子供みたいでした。だから僕もいろいろアドバイスしてきたのだけれど、今ではもう何もアドバイスすることがなくて、逆に僕が勉強になることも多いくらい。スーパーフォーミュラでもチャンピオンを獲ったし、本当に世界に通じるドライバーに成長したなぁと、今日も改めて思いましたね。
一方の(ジェンソン)バトンさんですが、F1でワールドチャンピオンを獲ったドライバーが、『本当にうちのチームで走ってくれるのだろうか?』と最初は思っていました。でも実際に彼がチームに合流してから、彼が一生懸命にSUPER GTを理解しようとしていることが分かりました。彼にはSUPER GTの凄さが分かっていたんでしょうね。反対に僕たちは無意識のうちにSUPER GTがF1よりも下のクラスだ、と思い込んでいたみたい。彼は、それを気付かせてくれました」
「彼らに、もう20年ぶりくらいかな、久しぶりのタイトルをプレゼントしてもらって、本当に今日は感激したし、嬉しい1日になりました」
カテゴリー: F1 / ジェンソン・バトン / SUPER GT