F1サンパウロGP:ランド・ノリスが今季スプリントポール、角田裕毅18番手
ランド・ノリスはサンパウロGPのスプリント予選で見事なラップを決め、ポールポジションを獲得した。イギリス人ドライバーのノリスは、メルセデスのキミ・アントネッリとマクラーレンのチームメイトであるオスカー・ピアストリを抑えてP1を確保した。

SQ3では最初の計測ラップで基準となるタイムを刻んだノリスが、最終アタックでさらに速さを上げて1分09秒243をマーク。このタイムを上回る者は現れなかった。最も接近したのはアントネッリで、メルセデスの新人ドライバーは0.097秒差でフロントロウ2番手を獲得した。

金曜日の走行で好調を見せていたピアストリは3番手にとどまり、ジョージ・ラッセルが4番手に入りメルセデス勢が好調な一日を過ごした。アストンマーティンも堅実な走りを見せ、フェルナンド・アロンソが5番手、ランス・ストロールが7番手を記録した。

その間に挟まれたのはマックス・フェルスタッペンで、チェッカーを受けた後に失望の表情で首を振る姿が見られた。フェラーリのシャルル・ルクレールは8番手、レーシングブルズのアイザック・ハジャーとキック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグがトップ10を締めくくった。

フェラーリのルイス・ハミルトンはSQ3進出を逃し、SQ2で11番手に終わった。7度のワールドチャンピオンは、チームメイトのルクレールがスピンした際に出された黄旗の無視についてセッション後に調査対象となる予定だ。

ハミルトンとともに敗退したのは、ウィリアムズのアレクサンダー・アルボン、アルピーヌのピエール・ガスリー、キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレト、そしてハースのオリー・ベアマンだった。

この数時間前に2026年もアルピーヌ残留が発表されたフランコ・コラピントは16番手で終え、レーシングブルズのリアム・ローソンが17番手。レッドブルの角田裕毅は18番手でSQ1敗退となった。

ハースのエステバン・オコンは19番手、ウィリアムズのカルロス・サインツは最終アタックでロックアップを喫し、最下位の20番手に沈んだ。

F1サンパウロGP スプリント予選:角田裕毅

■ SQ1:ノリス最速、サインツが早々に姿を消す
数時間前にノリスがピアストリをわずかに上回ってフリー走行を制した後、ドライバーとチームは金曜午後のスプリント予選に臨み、土曜のスプリント決勝グリッドを決定することとなった。

フリー走行でスピンにより走行が限られた角田裕毅が、現地時間15時30分に始まった12分間のSQ1セッションで最初にコースイン。第1セグメントでは全員がミディアムタイヤの使用を義務づけられていた。

週末の天候は不安定と予想されていたが、この時点では乾燥した晴天のもとでセッションが進行した。20台すべてがタイムを記録した時点で、ノリスが1分09秒702で首位に立ち、ピアストリとラッセルがそれに続いた。

一方、タイムシート下位ではアルボン、オコン、コラピント、サインツ、角田が脱落圏におり、フェラーリ勢もペース不足に苦しんでいた。ハミルトンとルクレールはいずれもトップから数コンマ遅れていた。

その後、フェラーリの2台は改善を見せ、6番手と8番手に浮上。しかし、終盤にかけてトラックはさらに混雑し、全車がタイム更新を狙ってアタックに入った。

アルボンはトップ10に浮上したものの、アルピーヌ残留を決めたばかりのコラピントは15番手までしか上がれず、その後16番手へ後退。ローソンも17番手に沈み、角田は18番手で終了した。その後方はオコンで、最大のサプライズはサインツが最終アタックでロックアップし前進できなかったことだった。前日体調不良でメディアデーを欠席していたサインツは、最下位の20番手で終わった。

トップではフェルスタッペンが2番手に入り、ノリスが1分09秒627で首位を維持した。

脱落者:コラピント、ローソン、角田裕毅、オコン、サインツ

■ SQ2:アロンソが最速、ハミルトンは脱落
続くSQ2は10分間。ここでもミディアムタイヤが義務とされた。地元ブラジルの観衆の前で、まずボルトレトがアタックを開始。一方でピアストリやラッセルらは後半に出走する戦略を取った。

最初の計測ラップでアストンマーティンのアロンソが1分09秒330をマークしトップに立った。ノリスが0.043秒差の2番手、ピアストリが3番手に続いた。

フェラーリの2台は再び苦戦。ルクレールとハミルトンはいずれもロックアップを喫し、9番手と11番手にとどまった。ハミルトンの他に脱落圏にいたのはアルボン、ガスリー、ベアマン、ボルトレトだった。

残り時間が少なくなる中、アロンソとピアストリはピットに留まり、他のドライバーたちはタイム更新を目指して最後のアタックに臨んだ。しかし、ルクレールがスピンしたためダブルイエローが出され、一部ドライバーはアタックを中断せざるを得なかった。

その中でルクレールは9番手に残ったが、チームメイトのハミルトンは最終ラップ開始前に計測ラインに間に合わず11番手で脱落。さらに、ターン10での黄旗無視についてセッション後に調査を受けることになった。

他の脱落者はアルボン、ガスリー、ボルトレト、ベアマンで、いずれも脱出できなかった。

脱落者:ハミルトン、アルボン、ガスリー、ボルトレト、ベアマン

F1サンパウロGP スプリント予選:ランド・ノリス

■ SQ3:ノリス、2025年初のスプリントポールを獲得
SQ2が終わり、いよいよ上位10台による8分間の最終セグメントSQ3へ。ここではソフトタイヤの使用が義務となる。ノリスは序盤から速さを見せ、1分09秒271のバンカーラップでトップに立った。

この時点でノリスが首位、アントネッリが2番手、ラッセル、ピアストリ、ルクレールと続き、後方勢はそれぞれ異なる戦略を取っていた。フェルスタッペンやアロンソは1回のアタックに賭ける構えだった。

マクラーレン勢はクールダウンを挟んで最終アタックへ。フェルスタッペンは6番手でフィニッシュし、首を振る様子が映された。ラッセルは4番手に入り、アロンソを5番手に押し下げた。

ノリスは1分09秒243でトップを堅持。ピアストリはそのタイムを破れず、最後にアントネッリがアタックに挑んだが、わずか0.097秒及ばず。これによりノリスは今季初、キャリア通算4度目のスプリントポールを獲得した。

トップ10の後方では、ストロールが今季スプリントで自己最高位となる7番手を確保し、ルクレール、ハジャー、ヒュルケンベルグが続いた。

■ コメント
「思っていたより少し難しかった」とノリスはセッション後に語った。「多くのマシンがかなり近いタイムだった。メルセデスはソフトで速かったし、ミディアムとソフトの差をどう扱うか、どこまでプッシュすべきかの判断が常に難しい。でも今日やるべき仕事──最速になること──は果たせた。メキシコよりも難しかったけど、そのぶん素晴らしい結果だ。今週はまだ完全には快適ではなかったけど、だからこそ嬉しいよ」。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / F1ブラジルGP / F1レース結果