バルテリ・ボッタス キャデラックF1参戦は「キャリア最大の挑戦になる」

メルセデスで2017〜2021年の間に10勝と20回のポールポジションを記録したボッタスは、2025年はメルセデスのリザーブドライバーとして過ごし、翌年にキャデラックからF1グリッドに復帰する。2022〜2024年にはザウバーで3シーズンを戦い、2013年にウィリアムズからF1デビューを果たしている。
ボッタスはCrash.netとの独占インタビューで、F1史上最大規模のレギュレーション変更期に新チームへ加わることの難しさを率直に認めた。
「おそらくキャリアで一番大きな挑戦になるだろう」とボッタス。「やるべきことは山ほどあるけど、最終的に目標を達成できた時には本当に報われると思う。だからこそ、この挑戦を楽しみにしているんだ」
「今このチームで、この役割を担うことで、自分が将来の方向性や開発の一部に大きな影響を与えられると感じている。それが本当に興味深い。楽しいだろうけど、同時に大変な仕事でもある」
メルセデスでの経験をキャデラックへ
メルセデスで培った経験をどのように活かせるかと問われると、ボッタスは次のように答えた。
「たくさん持ち込めると思う。エンジニアリングミーティングやイベント前の打ち合わせ、デブリーフなどの構造面だけでなく、チーム内の無線コミュニケーションや部署間のやり取りといった部分でも、自分の意見を反映できるはずだ」
2026年の目標は「まず完走、そしてポイント」
F1参入初年度となる2026年、キャデラックF1チームは高い目標を掲げつつも、現実的なスタートを意識している。
「予想するのは難しい」とボッタス。「ルール変更、パワーユニット、シャシーなど、すべてが新しくなる。新チームとして学ぶことがたくさんある。まずは完走を重ねて信頼性を確保し、できるだけ多くの走行距離を稼ぐことが重要だ」
「改善の方向性を明確にしながら進んでいく必要がある。もし初年度にポイントを取ることができれば、それは新チームとして本当に良いスタートになると思う。そして最下位を避けること。それが現実的な出発点だろう」
「チームとして進化を証明したい」
2024年末でザウバーのシートを失った後も、ボッタスは「F1でやり残したことがある」と強調してきた。今回の復帰で何を成功と見なすのかについて、次のように語った。
「僕が望むのは、本気で進化できるチームの一員であること。僕たち自身にも、そして世界にも“このチームは本気だ”と示したいんだ」
「スタート地点は厳しいものになるだろう。でもそこからどれだけ前進できるかが重要だ。数年後に良いパフォーマンスを発揮できるようになれば、それが成功だと思う。まずはどこから始めるかを見て、そこから進んでいくよ」
キャデラックF1が直面する現実的な壁
キャデラックのF1参入は、アメリカメーカーによる野心的な挑戦として注目されている。しかし、パワーユニットやシャシー規定が一新される2026年は、既存チームですら対応に苦しむことが予想される。経験豊富なボッタスの加入は、組織づくりと技術基盤確立の両面で貴重な戦力となるだろう。
特にメルセデスでの成功体験やエンジニアとの連携ノウハウは、新チームが信頼性と一貫性を築く上での基礎となる。ボッタスが語る「構造づくり」への貢献は、単なるドライビング以上の価値をもたらすはずだ。
キャデラック×ボッタスの挑戦が意味するもの
36歳のボッタスにとって、これは単なる“復帰”ではなく、“再定義”の機会でもある。名門メルセデス時代に勝利と表彰台を重ねたベテランが、再び新たなスタートラインに立つ。未知の挑戦を通じて、彼がチームをどこまで導けるのか──キャデラックF1の行方は、ボッタスの経験と情熱に大きくかかっている。
Source: Crash.net
カテゴリー: F1 / バルテリ・ボッタス / キャデラックF1チーム