F1オーストリアGP技術アップデートまとめ 各チームの改良ポイントを解説
2025年F1第11戦オーストリアGPに先立ち、主要チームがFIAに提出した車両アップデート情報が公開された。本記事では、各チームがどの部分に手を加え、どのような性能向上を狙っているのかを詳しく整理する。

オーストリアGPに向けて、各チームはマシンの空力的な最適化と、レッドブル・リンク特有の冷却要件への対応に焦点を当てたアップデートを導入している。

タイトル争いを繰り広げるトップ勢にとっても、中団のパッケージ改善を狙うチームにとっても、重要な転換点となる可能性がある週末となりそうだ。

フェラーリ:フロア全体を再設計し、空力効率を追求
スクーデリア・フェラーリは、フロア関連の4項目にわたる大幅な空力アップデートを投入。フロアフェンスのプロファイルとキャンバーを再配置することで、下流へ向かう渦の流れを強化。さらに、ボート形状とトンネルの拡張、フロアエッジのローディング、ディフューザーの体積配分も再最適化され、マシン全体の作動範囲において総合的なダウンフォース向上が図られている。イベント特化型ではなく、広範囲な性能改善を目指す構成だ。
オーストリアグランプリ F1 スクーデリア・フェラーリ

マクラーレン:サスペンションと空力の連動改善
マクラーレンF1チームは、フロントサスペンションのフェアリングを見直し、整流性能を向上。その変更に連動し、フロントコーナーの空力デバイスも再設計された。リア側では、新たなサスペンションジオメトリに対応する形でリアコーナーの空力パーツも調整され、クリアランスと空力性能のバランス確保が狙いだ。
オーストリアグランプリ F1 マクラーレン

メルセデス:冷却性能を重視したサーキット特化型アップデート
メルセデスは、レッドブル・リンクに特有の高いブレーキ負荷と冷却要求に対応するためのアップデートを投入。フロントブレーキダクトのインレットと出口を拡大し、冷却性能を強化。また、リアのボディワーク出口も大型化され、サイドポッドのラジエーターに流れる空気量を増加させる構造に。パフォーマンスよりも信頼性と熱管理を重視した内容となっている。
オーストリアグランプリ F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

レッドブル:リアフロアのローディング改善
レッドブル・レーシングは、フロアエッジに新たな表面構造とベントを追加。リアタイヤ前方のこのエリアから安定した空気の流れを保ちつつ、さらなるローディング(ダウンフォース)を引き出す狙いがある。大規模な変更ではないものの、局所的な性能向上に向けた着実な一手だ。
オーストリアグランプリ F1 レッドブル・レーシング

キック・ザウバー:アンダーフロアとリアウイングを刷新
キック・ザウバーは、フロア中央部(アウトボードエッジやディフューザーを含む)に改良を加え、前後方向の整流を改善。これにより、より効率的なダウンフォース獲得を狙う。加えて、高ダウンフォース向けに最適化された新しいリアウイングを導入。今後のさまざまなサーキットでも活用できる仕様とされている。
オーストリアグランプリ F1 ザウバーF1チーム

レーシングブルズ:空力バランスの最適化を図る
レーシングブルズは、フロントウイングのフラップ形状を変更し、空力整流を改善。さまざまな条件下での空力性能向上が期待される。また、リアウイングもオーストリアGPのダウンフォースと空力効率のバランスに合わせて最適化されたプロファイルへと変更された。
オーストリアグランプリ F1 ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / F1オーストリアGP / F1マシン