アストンマーティンF1開発停滞にアロンソ皮肉「他チームには金を生む機械がある」

一方でアロンソは、大規模アップグレードを一括投入するというチームの判断自体は理解を示しており、自身の発言には賛同と不満が入り混じる矛盾した一面ものぞかせた。
「他チームには“金を生む機械”があるのか」
2026年のアストンマーティンは開幕から深刻な競争力不足に苦しんでおり、スペインGPでは予選でトップから4秒遅れを喫するなど、現在は事実上グリッド最後尾に沈んでいる。
チームは細かなアップグレードを随時投入するのではなく、ハンガリーGPまたはオランダGPで予定される大型アップグレードまで現行仕様を維持する方針を選択している。
マイク・クラックはオーストリアGPで、この決断について次のように説明した。
「我々が立ち止まっているように見えるかもしれない。しかし実際には、申告されるアップグレード以外にも多くの作業が進んでいる」
「他チームが前進しているのは事実だ。しかしスペインでも話したように、チームとしてこの方針を選び、それにコミットした以上、最後まで貫かなければならない。毎週のように弱点を嘆くのではなく、現状で最大限を引き出し、より良い時期に備えるべきだ」
一方、アロンソは大型アップグレードを待つ方針について「正しい決断だ」と認めながらも、冗談交じりにライバル勢への驚きを語った。
「僕はその判断には同意していなかった。でも、どうやら他チームみたいに無制限にアップグレードを投入するためのお金はないらしい」
「毎週金曜日にFIAのアップグレード申告を見るたびに驚かされる。もしかすると彼らの工場の地下には“お金を生み出す機械”でも置いてあるのかもしれないね」
もっとも、アロンソはチームの判断そのものを否定しているわけではないと強調した。
「コストキャップの制約や、どれだけマシンを変更できるかは外からは分からない。問題を理解するまでに時間も必要だったし、アップグレードは試して失敗してを繰り返せるものではない」
「最初の3〜4戦は弱点を理解することに費やし、風洞で解決策を試し、他チームのアイデアも研究した。それらを整理して初めてアップグレード計画を立てられる。だから時間が必要なんだ」
「数戦で0.3〜0.4秒縮めても意味はない」
アロンソは、開幕当初の混乱が現在の開発計画につながったと説明した。
「バルセロナでシェイクダウンができず、バーレーンのテストもうまくいかなかった。オーストラリアではレースを完走できるかどうかさえ分からなかった。それが当時の現実だった」
「だから、この決断は正しかったと思う」
また、小規模な改良では状況は変わらないとの考えも示した。
「数戦かけてコンマ3〜4秒改善しても、結局は最後尾で戦うだけだ。僕たちにはもっと大きな変化が必要なんだ」
「ファクトリーでは全員が全力で取り組んでいる。まだ結果は見えていないが、アストンマーティンを過小評価してはいけない」

夏休みまでに2027年の去就を決断へ
アロンソは自身の将来についても言及し、F1参戦継続の可否は夏休みまでに判断する考えを明らかにした。
チームは残留を望んでいるが、本人はまだ最終決断を下していない。
「たぶん夏休みの8月まで待つことになる。その後はザントフォールト、モンツァと続くから、その頃には来年どうするか決めると思う」
一方で、レース活動そのものをやめる考えはないという。
「自分はまだ速いと感じているし、モチベーションもある。この仕事が大好きだから、競争力を失ったとかレースが嫌になったという理由で辞めることはない」
「F1を続けるかどうかは別の話だ。今のレギュレーションやパワーユニットを本当に楽しめるかどうかなど、多くの要素を考えなければならない」
また、仮にF1を離れてもアストンマーティンとの関係は続くと強調した。
「僕はこのチームにコミットしている。たとえレースをしなくなっても、このプロジェクトへの関わりは変わらない」
さらに将来の選択肢として、世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスに参戦するヴァルキリーやダカール・ラリー、ラリー競技、さらに四輪駆動となる次世代Gen4マシンのフォーミュラEなどにも興味を示した。
アストンマーティンは今後、AMR26Bとホンダ製パワーユニットのアップグレードによる巻き返しを狙っているが、アロンソは現状への不満を隠さない一方で、大型アップデートに望みを託している。また、自身の2027年以降については夏休みまでに結論を出す見通しであり、F1残留か新たなカテゴリーへの挑戦か、その決断にも注目が集まる。
カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム / ホンダF1 / フェルナンド・アロンソ
