アストンマーティンF1、アラムコと共同で科学をテーマにした特別リバリー
アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームは、タイトルパートナーであるアラムコとともに、チーム史上初となる特別デザインのリバリーを発表した。これは「科学」に着想を得たもので、今週末のF1アメリカGP(オースティン)でAMR25に施される。

このリバリーは、通常は目に見えないF1マシンの科学的要素を「可視化」するもので、ボディ全体にF1関連の科学式がデザインされている。アラムコとアストンマーティンの技術パートナーシップに込められた革新を象徴し、その背後で支える優秀な人材の努力に光を当てるコンセプトだ。

デザインはまず、米国ヒューストンのアラムコ本社で社員向けに公開され、2度のF1世界王者フェルナンド・アロンソとヤングドライバーのジャック・クロフォードが登壇した。

また、次世代のSTEM(科学・技術・工学・数学)分野のリーダー育成を目的とした「アラムコSTEMチャレンジ2025」も発表。18〜25歳のエンジニアリング学生を対象に、シルバーストーンのAMRテクノロジーキャンパスでの実務体験を懸けた挑戦が始まる。

2026年の新F1レギュレーションでは、FIA準拠の100%持続可能燃料が導入される予定であり、今回のアメリカGPはその重要な節目となる。アラムコはすでにF2、F3、F1アカデミーに低炭素燃料を供給しており、アストンマーティンとの共同開発によって、FIA認定の「Aramco ProForce+」100%持続可能燃料を実現した。

アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

アストンマーティン・アラムコF1チーム代表兼CEOのアンディ・コーウェルは次のように語った。

「このアメリカGPでは、アラムコとのパートナーシップによる初のリバリー・テイクオーバーを迎える。我々は科学とイノベーション、そしてマシンを支える人々を称える。新リバリーをサーキットで見るのが楽しみだし、2026年に向けてアラムコがチームのレースカー開発で重要な役割を担うことを誇りに思っている」

アラムコの技術統括担当SVPアリ・A・アル=メシャリも次のようにコメントした。

「この歴史的瞬間は、アラムコの技術者たちがモータースポーツや自動車業界のために先進的な技術を開発してきた努力を称える機会だ。アラムコは90年以上にわたり、科学と工学の力で不可能を可能にしてきた。アストンマーティンとの協力を通じて、新しい燃料や素材を実験し、それがサーキット内外の交通技術を前進させる可能性を示している。これらの革新的な取り組みが、2025年のアメリカGPで披露される」

科学とブランド戦略が融合したアプローチ

今回の特別リバリーは、単なるビジュアル上の変化にとどまらず、アストンマーティンがアラムコとともに築いてきた「テクノロジー主導型ブランド戦略」を象徴している。サステナブル燃料の共同開発、そしてSTEM教育への投資は、両者がF1を研究・技術・人材育成の実験場として捉えていることを示すものだ。

2026年のF1新時代に向けて、アストンマーティンとアラムコが描く未来像は、単なるスピード競争ではなく「科学で加速するF1」を体現しているといえる。

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カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム / F1アメリカGP