エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティンF1加入語る「初めて歓迎された」

F1で通算26タイトルを手掛けた天才設計者は、これまでウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルで黄金期を築いてきた。今回アストンマーティンで与えられたミッションは、2026年から導入される次世代レギュレーションに完全対応したマシンの開発だ。
軽量で機敏な空力と本格的なハイブリッドパワーユニットを組み合わせた新時代のF1マシンを設計するという、まさにニューウェイ向きのプロジェクトだ。
しかし、本人によればこの新たな挑戦は、これまでのキャリアとは少し趣を異にしていたという。
「新しいチームに加わるときは、どんな経験になるのか予想がつかないものだ」と、ニューウェイはアストンマーティンの社内インタビューで語っている。
「今まで新しいチームに加わったとき、どこもまったく違っていた。今回最初に感じたのは、みんなが本当に歓迎してくれたということ。これは必ずしもいつもそうだったわけではない」
「このチームは短期間で急激に人員を増やしてきた。施設は素晴らしく、人々は意欲的で熱心だ。あとは我々が連携して、すべてをスムーズに機能させることが重要だ」
「F1は“人”のスポーツだ。テクノロジーももちろん重要だが、最終的に物事を推し進めるのは人間なのだ」

アストンマーティンの「提案」が決め手に
ニューウェイがレッドブルからの離脱を発表した際には、その次の行き先に多くの憶測が飛び交った。なかでもフェラーリ加入は有力候補と目されていたが、実現には至らなかった。
報道によれば、フェラーリのフレデリック・バスール代表が提示した権限の枠組みに、ニューウェイは満足しなかったという。彼が求めていたのは単なるデザイナーではなく、「プロジェクトを主導する立場」だった。
それに応えたのが、アストンマーティンのオーナー、ローレンス・ストロールだった。
「ローレンスと将来について話していたとき、彼が“マネージング・テクニカル・パートナー”というポジションを提案してくれた」とニューウェイは明かす。
「彼は私を“パートナー”として信頼し、チームの技術的能力を高め、エンジニアリングの力量を向上させる役割を与えてくれた。それは私にとって非常に魅力的だった」
この新体制の下、ニューウェイは既に2026年マシンの開発に本格着手しており、「妥協なき革新」でアストンマーティンを真のタイトルコンテンダーへと押し上げるべく動き出している。
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