キミ・アントネッリ F1マイアミGP勝利の裏で発生した“iPhone問題”
キミ・アントネッリ(メルセデス)は、F1マイアミGPで今季3勝目を挙げ、ドライバーズランキング首位の座をさらに固めた。19歳のアントネッリは、チームメイトでタイトル争いのライバルでもあるジョージ・ラッセルに20ポイント差をつけている。

この勝利により、アントネッリは自身初の3回のポールポジションをすべて優勝に結びつけたF1史上初のドライバーとなった。ただし、マイアミでの勝利は数字ほど簡単なものではなかった。

レース中にはライバルとの戦いだけでなく、タイヤのオーバーヒートとステアリングホイールの電気系トラブルにも対処していた。

勝利の裏で起きていたステアリング接続トラブル
スカイスポーツF1のテッド・クラビッツは、レース後番組『テッズ・ノートブック』で、アントネッリを悩ませたステアリングホイールの問題について説明した。メルセデス側はこれを「ステアリングホイールの接続問題」と呼んでいたという。

クラビッツはこの問題を、長く使ったiPhoneの充電ポートにたとえた。

「彼は、私がたぶん“パドルゲート”と呼ぶことになるものと戦わなければならなかった。チームはこれをステアリングホイールの接続問題と呼んでいる」

「基本的に、いちばん分かりやすく説明すると、iPhoneを差し込むときのようなものだ。もし長く使っているiPhoneで、差し込む部分が少し摩耗していたり、1回か2回落としたことがあって、うまく接続されず、上に小さな緑の表示が出ないような状態だ。『ああ、また新しい電話を買わなきゃいけないのか?これは本当に面倒だ』と思う。彼のステアリングホイールでも同じことが起きていた」

時速300キロ超で発生したシフト遅延
クラビッツによれば、ステアリングホイールが外れそうだったわけではない。ただ、接続部が完全には締まり切っておらず、アントネッリがギアシフト用のパドルを引いた際に、わずかな遅れが発生していた。

「ステアリングホイールには、小さな接続部があって、それが完全には締まっていなかった。外れそうだったわけではない。ただ、彼がギアシフトのためにパドルを引いたとき、少し遅れが出た。そして突然、時速200マイルで走っていると想像してほしい。『何が起きているんだ?パドルに問題がある。ギアボックスの問題でシフトしていない。パドルに問題がある』と考えることになる。実際には、ちょっとしたハードウェアの問題だった」

「ステアリングホイールと、ステアリングコラムへつながる12ピンコネクターか何か、そしてステアリングコラムからマシンの頭脳部やその他すべてへつながる部分の接続の問題だった」

アントネッリの勝利を重くする“見えないトラブル”
アントネッリはマイアミGPで、タイヤの温度管理に加え、ステアリングホイールの接続不良によるシフト遅延にも対応しながら走り切った。高速域でギアシフトに遅れが出る状況は、ドライバーにとって大きな不安要素になる。

それでもアントネッリはレースを制し、キャリア3勝目を飾った。F1史上初となる「初の3ポールをすべて優勝に変えたドライバー」という記録は、単なる速さだけでなく、トラブルを抱えながら勝ち切る対応力を示すものでもあった。

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カテゴリー: F1 / アンドレア・キミ・アントネッリ / メルセデスF1 / F1マイアミGP