アルピーヌF1、フランコ・コラピント残留は「財政面の利点もあった」
アルピーヌF1チームは、フランコ・コラピントが2026年シーズンもチームに残留することを正式発表した。これにより、彼の去就を巡る憶測に終止符が打たれた。

22歳のアルゼンチン人ドライバーであるコラピントは、今季開幕後にウィリアムズからのレンタルでアルピーヌに加入。当初は苦戦が続き、チームオーダーを無視した一件などで立場が不安視されていた。

しかし、後半戦にかけてのパフォーマンス改善と、南米最大のEC企業「メルカド・リブレ」によるスポンサー支援が追い風となり、シートを確保した。

アルピーヌのチームマネージャー、スティーブ・ニールセンは次のように語った。

「正直に言えば、あらゆる候補を検討していた。最終的にフランコに決めるまでには、多くの選択肢があったが、彼に傾いていったんだ」

また、財政面の影響も否定しなかった。

「もちろん、資金面を無視することはできない。ただし最終的に我々が彼を選んだのは才能によるもので、スポンサー支援は“嬉しい偶然”にすぎない」

ニールセンは、コラピントの成長を称賛した。

「シーズン序盤は苦戦していたのは事実だが、ピエール(ガスリー)という明確な基準を持つことで、彼は徐々に力をつけてきた。時にはピエールより速いこともあった。それが来季のシートを勝ち取った最大の理由だ」

ウィリアムズのチーム代表であり、コラピントを育成してきたジェームス・ボウルズも、その復調を高く評価した。

「ここ7戦ほどで彼は大きく変わった。ウィリアムズにいた頃に見せていた本来の力を世界に示している。今日の発表を見て本当に誇らしく思う」

アルピーヌの選択が示す「現実主義」
コラピントの残留は、アルピーヌが若手育成よりも“安定とスポンサー効果”を重視した決断と見られる。メルカド・リブレの支援は、北南米地域でのマーケティング強化というチームの方針にも合致しており、経済的な後押しは無視できない。

一方で、ニールセンの発言にあるように、コラピント自身がピエール・ガスリーに匹敵する速さを示し始めたことも事実であり、純粋な実力評価でも一定の信頼を得た形だ。

2026年はパワーユニットと空力規定の大幅変更が予定されており、アルピーヌにとっても再出発の年となる。チームは引き続きガスリーとコラピントのコンビで、変革期を戦うことになる。

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カテゴリー: F1 / アルピーヌF1チーム / フランコ・コラピント