クリスチャン・ホーナーのF1復帰はあるのか? 次の一手はアルピーヌ出資説
レッドブル・レーシングのCEO兼チーム代表という地位からクリスチャン・ホーナーが突如として解任され、その衝撃が冷めやらぬ中、次に彼がどのような動きを見せるのかに注目が集まっている。

Sky Sports Newsのデヴィッド・クロフトによれば、ホーナーがF1に戻ってくるもっとも現実的な道筋は、トト・ヴォルフのようにチームへの出資を通じてオーナーとしての立場を得ることだという。

クリスチャン・ホーナーがアルピーヌに出資?浮上した仮説
2025年7月9日(水)、クリスチャン・ホーナーがレッドブル・レーシングのCEO兼チーム代表の職を解任されたというニュースがF1界を揺るがした。

ホーナーはチーム創設時からその指揮を執っており、セバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンとともに複数のワールドチャンピオンシップを獲得してきた大胆なリーダーシップは、まさにレッドブルの象徴とも言える存在だった。

しかし、近年のレッドブルは苦戦を強いられている。

2024年半ばには、マクラーレン、メルセデス、フェラーリといったライバルたちが性能向上を果たす中で、レッドブルはアップグレードに失敗し、チームとしての戦闘力を維持できなくなっていた。それでもマックス・フェルスタッペンは個人として4度目のタイトルを獲得したが、コンストラクターズ選手権では3位に甘んじる結果となった。

そして2025年型マシンRB21ではその苦戦がさらに深刻化。現在チームはコンストラクターズランキングで4位に沈み、フェルスタッペンもドライバーズ選手権3位を維持するのがやっとの状況だ。

アドリアン・ニューウェイやジョナサン・ウィートリーといった主要人物たちの離脱も重なり、チームのパフォーマンスはさらに低下していた。

クリスチャン・ホーナー F1

ホーナーの解任とF1復帰の可能性
「なぜクリスチャン・ホーナーが解任されたのか」「最後の記者会見に隠された意味」など、さまざまな憶測が飛び交う中で、ホーナーが再びF1パドックに戻ってくる可能性についても議論が始まっている。

Sky Sportsのデヴィッド・クロフトは「ホーナーはF1に戻ってくると確信している」としつつも、その役割は以前とは異なるものになるだろうと述べた。

クロフトはこう語っている。

「ホーナーはトト・ヴォルフを見ている。ヴォルフはホーナーと同じ時代に台頭して、今ではF1チームの3分の1を所有する存在になった。ホーナーも“自分はそれに匹敵する存在だ”と思っているはずだし、少し羨ましくもあるだろう」

「だから、もしその機会が訪れれば、ホーナーがF1に戻ってくるのは間違いないと思う」

ヴォルフがメルセデスにおいて強固な地位を維持できているのは、出資によってオーナーの一人となっているからだ。一方、レッドブルでのホーナーはそうした株式保有がなかったため、多数株主の判断で解任される立場にあった。

そうした中で、クロフトはホーナーが出資を検討する可能性のあるチームとして「アルピーヌ」の名前を挙げている。

アルピーヌとの相性は?資金の壁も
「アルピーヌには他の出資希望者もいるかもしれない。だからホーナーがアルピーヌに出資できるかどうかはまだ決まっていない」とクロフトは語る。

「そして、彼の資金源はどこなのかも問題だ。ホーナーは確かに裕福ではあるが、トト・ヴォルフのような資金力があるわけではない」

アルピーヌにはすでにライアン・レイノルズ、パトリック・マホームズ、トラヴィス・ケルシー、ローリー・マキロイ、ロブ・マケルヘニー、マイケル・B・ジョーダンなど、複数の著名人が出資している。ホーナーがレッドブルから得るとされる約5,000万ポンド(約90億円)の退職金をもってしても、その中に入り込めるかは不透明だ。

また、フェラーリ移籍の噂についてクロフトは「今の状況から火中のマラネロに飛び込むのは時期尚早だ」と否定的な見解を示している。

「ホーナーは当面の間、しばらく休養すると思う。急ぐ必要はないが、そう遠くない未来、どこかのチーム本拠地の前で『ホーナーがF1に戻ってきた』と報道される日が来ると思う」とクロフトは締めくくった。

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カテゴリー: F1 / アルピーヌF1チーム / レッドブル・レーシング