クリスチャン・ホーナー アルピーヌF1チーム代表に電撃移籍?
F1の世界では、パドックの噂話がDRSを開いたレッドブルよりも速く駆け巡るものだが、今注目を集めているのが、レッドブルF1代表クリスチャン・ホーナーのアルピーヌF1電撃移籍の可能性だ。

エンストンを拠点とするアルピーヌF1は、近年チーム代表を次々と交代させてきたことで知られており、現在は“モータースポーツ界のボンド悪役”ことフラビオ・ブリアトーレが実権を握っている。先月、オリバー・オークスが突然辞任したことで、チームは再び新たなリーダーを探している状況だ。

そんな中、ホーナーがアルピーヌと「話し合いを始めた」との情報がパドックの噂話として浮上している。とはいえ、その「話し合い」がモーターホームでのカジュアルなコーヒートークなのか、正式なZoom会議なのかは定かではない。

レッドブル内部に漂う不協和音
ホーナーのレッドブルでの立場は、かつてほど盤石ではないとも言われている。レッドブルを一大チャンピオンチームに育て上げた実績を持つホーナーだが、現在はチーム内での影響力を一部失いつつあるようだ。

タイのレッドブル親会社からの支持も以前ほどではなく、ドライバーの契約に関する決定権など、いくつかの重要な権限は、CEOのオリバー・ミンツラフやヘルムート・マルコに移っているとされている。

この背景には、セルジオ・ペレスとの契約問題により早期解約金として推定1800万ドル(約28億円)を支払う羽目になった件が影響しているとも見られている。

さらに昨年にはホーナーを巡るハラスメント調査も行われており、すでに問題は“収束”したものの、その余波がミルトンキーンズのチーム内にいまだ尾を引いているという声もある。

クリスチャン・ホーナー アルピーヌF1チーム レッドブル・レーシング

現実的ではないがF1に「絶対」はない
では、ホーナーが本当にレッドブルを去り、混乱続きのアルピーヌへと移る可能性はあるのか?

確かに技術的にはあり得る。だが実際には極めて可能性は低い。星がすべて揃い、水星が逆行し、F1パドックの半分が“人生の再出発”を決意するような奇跡でも起きない限り、現実にはならないだろう。

ちなみに最近では、ホーナーがフェラーリと接触しているとの噂も流れていたが、こちらも「イタリア的な夢物語」の域を出ない。

それでも、F1とは常に予想を裏切る世界。2000年代以降のドライバーキャリアの数々を思い出せば、この種の話題が尽きることはないのも納得だ。

当のホーナーはというと、最近のインタビューで「レッドブルに100%コミットしている」とフェラーリ移籍の噂を一蹴している。

とはいえ、もしホーナーが本当にチームを去るようなことがあれば、それは内部で続く不和を整理する大きなきっかけとなり、マックス・フェルスタッペンが求める「安定」をもたらす可能性もある。

いずれにせよ、ホーナーがレッドブルのネイビーブルーを脱ぎ、アルピーヌの“青・白・困惑”の装いに身を包むまでは、この話は「もしかして」から「可能性はほぼゼロだが話題としては面白い」の域に留まりそうだ。

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カテゴリー: F1 / アルピーヌF1チーム / レッドブル・レーシング