F1アブダビGP FP3:ラッセル僅差首位、角田は接触被害で20番手

メルセデスのドライバーは、FP3終了間際にノリスに対して0.004秒のわずかなアドバンテージを見つけ、ソフトタイヤで1分23秒334のタイムを記録してセッションを終えた。今回も非常に競争力の高いセッションをリードする形となった。
多くのドライバーがガレージで時間を過ごし、コースインを遅らせたため静かなスタートとなったが、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソとランス・ストロールのペアが最初に短い走行を行い、タイヤをスクラブする通常のプラクティスルーティンを繰り返した。
アルピーヌにとってふるわない初日を経て、ピエール・ガスリーとフランコ・コラピントは金曜日にルノーがエンジンサプライヤーとして迎える最後のラウンドで後方に沈んだ問題を洗い出すべく、早い段階で走行を重ねることを選択した。
ノリスの最初のアタックは1分24秒728を記録してトップに躍り出たが、前のプラクティスセッションでのベストラップには遠く及ばず、1時間の中で路面の進化によってタイムが大きく更新されることが予想されていた。
チームメイトのオスカー・ピアストリは、FP1をパト・オワードに譲った影響もあり、ノリスがタイムを更新する前は0.4秒遅れに位置し、最終セクターでオーバーステアと戦っていた。ノリスはその後、マシンを避けようとした際に角田裕毅と接触しそうになり、レッドブルを離れる角田は手を挙げて謝意を示したが、走行妨害として後に調査対象となった。
コース上が徐々に賑わい始めると、オリー・ベアマンはFP2での速さが偶然でないことをすぐに証明し、最初のラップでノリスよりわずか0.008秒遅いタイムを記録した。その後、ハーフウェイ直前にはフェルスタッペンが力強くP1に浮上した。ハースだけがサプライズではなく、ストロールもレッドウォール(ソフトタイヤ)での速いラップでベアマンを2番手に押し下げた。
予選に向けた最後の準備となるこのセッションで、各車が走行を重ねるにつれてタイムは続々と更新されたが、ルイス・ハミルトンはターン9で限界を超え、ハイスピードでスピンしてバリアに激突した。幸い怪我はなかったが、彼は「フロントのどこかが歪んでリアがスナップした」と報告した。
残るドライバーたちは、ダメージを負ったフェラーリが回収される間にピットへ戻らざるを得ず、ピット出口が再びオープンしたセッション終盤に走行時間を最大限活用しようとした。
最初にコースへ戻ったのはピアストリで、フレッシュタイヤで一気にP18からP1へジャンプアップし、フェルスタッペンに対して0.5秒の差をつけた。しかしその首位の座は長くは続かず、ノリスも新品タイヤで1分23秒338を叩き出してトップを奪還した。最終セクターだけでチームメイトより0.3秒も速かった。
チームメイトのラッセルは、その後FP3の最後の数分でP1に飛び込み、アロンソがノリスとフェルスタッペンの後ろにつけて4番手に入った。レッドブルのエースであるフェルスタッペンはラッセルのベストラップからわずか0.1秒強の差だった。
ピアストリは最終的に5番手でセッションを終え、印象的なハースの2台(エステバン・オコンとベアマン)がこれに続いた。シャルル・ルクレール、アントネッリ、アレックス・アルボンがトップ10を締めくくった。上位10台を0.388秒以内に収めたイベントフルなセッションだった。
角田裕毅はセッション終盤にピットレーンでアンドレア・キミ・アントネッリのマシンに接触されてサイドポッド〜フロアにかけて損傷。その影響で最後のアタックラップを行えず、20番手でセッションを終えた。
ドライバーとチームには、現地時間18時に始まる予選まで、わずか数時間しか残されていない。各チームのガレージは、この後さらに慌ただしさを増しそうだ。気温の高い中で長いシーズンの最終戦を迎えるメカニックたちにとって、厳しい作業が続くことになる。
フェラーリは、クラッシュを喫したルイス・ハミルトンのマシンの再組み立てに追われているほか、レッドブルも角田裕毅のマシン修理が必要となった。マクラーレンは、ランド・ノリスがセッション序盤にコースオフした影響でフロアのチェックを行う必要があり、メルセデスもアンドレア・キミ・アントネッリのマシンの状態を再点検する見通しだ。
その一方で、これらすべての状況を精査するスチュワードたちは、メカニック以上に多忙な時間を過ごすことになりそうだ。

F1 アブダビGP フリー走行3回目 結果
1.ジョージ・ラッセル(メルセデス) - 1分23秒3342.ランド・ノリス(マクラーレン) - 1分23秒338
3.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分23秒458
4.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) - 1分23秒585
5.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) - 1分23秒593
6.エステバン・オコン(ハース) - 1分23秒605
7.オリバー・ベアマン(ハース) - 1分23秒609
8.シャルル・ルクレール(フェラーリ) - 1分23秒675
9.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) - 1分23秒707
10.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) - 1分23秒722
11.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) - 1分23秒791
12.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) - 1分23秒811
13.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) - 1分23秒870
14.ランス・ストロール(アストンマーティン) - 1分23秒895
15.リアム・ローソン(レーシングブルズ) - 1分23秒947
16.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) - 1分23秒979
17.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) - 1分24秒072
18.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) - 1分24秒470
19.フランコ・コラピント(アルピーヌ) - 1分24秒501
20.角田裕毅(レッドブル) - 1分24秒693
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