ピレリ
ピレリが、2014年 第12戦 F1ベルギーPが開催されるスパ・フランコルシャンをタイヤメーカーの観点から解説した。

F1は、3週間のサマーブレイクを終え、シーズン中で最も熱い期待が寄せられるレースの地であるスパ・フランコルシャンで再開する。

スパでは、昨年よりも軟らかい組み合わせのP Zero ホワイト・ミディアムタイヤとP Zero イエロー・ソフトタイヤが選択されており、多様な戦略を促す。

シーズン中で最長のラップである全長7kmを超えるスパは、高速ストレート、アクセル全開のコーナー、粗いアスファルト、急な勾配などが混在し、タイヤに最大限の負荷を課す。

さらに、時に激しい豪雨を伴う変わりやすい天候もまた、アルデンヌ山脈に位置する美しいこのサーキットの特徴のひとつ。これらの特徴は、すべてセーフティカー導入の可能性を高めるため、効果的な戦略を構築する洞察力や迅速な対応能力が不可欠となる。サーキットの一部で雨が降っている場合でも、完全にドライバな部分が混在することも珍しくないため、マシン、タイヤ、そしてドライバーの汎用性が限界まで試される。

スパの鍵は、あらゆる方向から科せられるタイヤへの大きな負担をマネージすること。例えば、エンジン全開の300km/hで走行するオー・ルージュでは、縦方向に-1G、横方向に5Gの負荷が課せられる。このため、シーズン中に他では見られない、比類のない負荷がタイヤ構造とタイヤショルダーにかかる。

ミディアムタイヤは作動温度領域が低く、スパでしばしば見られる広範囲の引く温度条件下でも最適な性能を発揮できるコンパウンド。ソフトタイヤは、対照的に作動温度領域が高く、高温のコンディションに適したコンパウンド。スパでの雨は珍しくないが、先月行われたスパ24時間レースや昨年のベルギーグランプリでは雨は降らなかった。

スパで使用されるローダウンフォースのセットアップは、ブレーキングに影響を及ぼす。ブレーキング時にマシンを押さえつける力が少ないため、ホイールをロックアップするリスクがあり、フラットスポットによるタイヤへのダメージに繋がる可能性がある。

昨年の勝利戦略は2ストップだった。2番グリッドからスタートしたレッドブルのセバスチャン・ベッテルが、2スティントをミディアムで、最終スティントをハードタイヤで走行して優勝した。ロータスのロマン・グロージャンは、1回のみのストップで8位に入賞した。

ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「スパは、シーズン中でも屈指の雄大なサーキットであり、我々にとって、GTレースやスパ24時間レースでの経験からも馴染の深いサーキットです。非常に幅広いレンジのトラックコンディションと、ベルギーにありがちな天候状態の下で均等に機能できる適応力のあるタイヤが鍵となる要素です。スパでは、複数の負荷がタイヤにかかるため、タイヤの摩耗とデグラデーションのレベルは伝統的に高くなりますが、2011年以来初めて、ミディアムタイヤとともにソフトタイヤが予選でのメインタイヤとなりそうです。また、スパでは戦略が大きな要素となります。すなわり、他の多くの開催地よりも、的確なタイヤをタイミングよく使用することが勝敗を左右します。通常の状況下、最下位からトップへ立つことが可能となるようなレースであることが、常にベルギーグランプリを非常にエキサイティグなものにしています」

ジャン・アレジ (ピレリ・コンサルタント)
「スパは、ドライビングの楽しさに関してはベストと言えますが、ウェットおよびドライコンディションの両方で非常に難しいサーキットです。タイヤからの観点では、まさに厳しいサーキットです。アスファルトは非常に粗いため、タイヤの摩耗レベルは常に高くなります。私のデビュー当時は予選タイヤが存在しました。予選タイヤを使用すると、1周のフライングラップ中にもブリスターが発生したものです。ピット直前のバスストップシケインに到達する前にタイヤは大きく摩耗していまっした。現在のタイヤは、当時と異なり耐久性が増してます。スパでは、非常に低いダウンフォースが求められます。さもなければ、タイムを稼ぐポイントであるストレートでのスピードが得られません。サーキット路面の粗さは、頻繁に遭遇するウェット時でのアドバンテージとなります。雨が降っている時でさえ、路面にはグリップが残っています」



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カテゴリー: F1 / ピレリ